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KDDIなど、西新宿エリアでの「自動運転モビリティ」を継続 サービス事業の持続可能性を検証

2023年6月27日 発表

JPN TAXI 車両をベースに開発した自動運転対応車両

 新宿副都心エリア環境改善委員会、大成建設、ティアフォー、損害保険ジャパン、アイサンテクノロジー、KDDI、日本信号、大成ロテック、プライムアシスタンス、三菱電機の10者は、2023年7月20日から毎月3日間程度、自動運転モビリティの運行を開始すると発表した。使用する車両は「JPN TAXI」をベースに開発した自動運転車両で、自動運転レベル2が可能で、セーフティドライバーも乗車する仕様。

 西新宿エリアは、オフィス・ホテル・飲食店・病院・学校・美術館・公園などさまざまな施設が存在しているほか、新宿駅前再開発や道路空間再編の検討が進み、多様な目的で幅広い層の人々が集まるポテンシャルを有している。しかし、その一方で立体的な都市構造により目的地までの経路の分かりにくさや、上下移動の多さといった移動に関わる課題や、回遊性やにぎわいが欠けているという課題を抱えているという。

運行管制システム全体像

 そこで新宿副都心エリア環境改善委員会は、これらの課題解決に向けた取り組みの1つとして「自動運転モビリティの実証実験」を2020年度に開始。2020年度は西新宿での自動運転技術の成熟度や遠隔操舵の有用性の検証、2021年度は信号やトンネルといったまちのインフラとの協調、2022年度はイベントの開催にあわせて自動運転モビリティを走行させるとともに周辺施設と連携することで来街者の回遊性向上への貢献度などについて検証を行なってきた。

 今回の自動運転モビリティの運行は、「西新宿エリアの魅力を高める新たなモビリティ」の走行を通じて、西新宿に多様な人を呼び込み、エリア内の回遊性向上や滞在促進により、まち活性化への貢献を目指すもので、これまでの実証実験の結果をふまえて2023年度は「西新宿エリアの魅力を高める新たなモビリティ」として継続的な走行と、民間企業などの資金による自動運転サービス事業の持続可能性についての検証を実施しつつ、自治体・企業などの試乗や遠隔監視室などの視察を受け入れ、「自動運転モビリティの運行」を広く発信することで、自動運転サービスの導入を促進するとしている。

プロジェクトに参画する事業者などの役割分担

 実施期間(予定)は、初回が2023年7月20日~7月22日の3日間、2023年8月以降は、毎月、平日・休日を含めた3日間程度を予定(詳細は決まり次第LINE公式アカウントなどで案内予定)。実施日の走行時間は、10時~17時(一部休憩あり)の予定。

 走行ルートは、新宿住友ビル→新宿駅西口→新宿中央公園→新宿住友ビルで、これは令和5年3月策定「西新宿地区再整備方針」で2030年代に自動運転車の導入を目指すルートを参考に決定したもの。

走行ルート

 車両は、トヨタ自動車の「JPN TAXI」をベースに開発した自動運転車両1台で、自動運転レベル2が可能で、セーフティドライバーも乗車する。そのため乗車定員は2人で、乗車時間は約10~15分まで、乗車賃は無料。ただし、乗車にあたり事前に注意事項への同意が必要なほか、乗車後のアンケートに協力する必要がある。視察受け入れ時および乗車希望者が多数の場合、乗車できない場合もある。

 乗車するには、LINE公式アカウントで発行される2次元コードを、新宿住友ビル地下1階に設置予定の固定端末にかざして配車の上、乗車。運行日程の詳細は、決まり次第LINE公式アカウントなどで案内するとしている。

乗車方法