ニュース
富士スピードウェイを新旧ポルシェが疾走するユーザーイベント「The Fest.」開催 200台以上のポルシェがパレードラン
2023年10月24日 09:11
- 2023年10月22日 開催
東京都内にあるポルシェセンター青山、高輪、目黒、世田谷、小石川、六本木、ポルシェスタジオ銀座などのポルシェ正規ディーラーを運営している「EBI GROUP(國際グループ傘下)は10月22日、同社のユーザーを対象としたサーキットイベント「The Fest. - 75th Anniversary - by EBI GROUP」を富士スピードウェイで開催した。
ポルシェのスポーツカー生誕75周年、「911」の生誕60周年を記念するイベントの一環として行なわれたこのThe Fest.では、「ENJOY(走る)」「CARS(見る)」「KNOW(知る)」「TOGETHER(共に愉しむ)」をテーマに、富士スピードウェイ内にある「レーシングコース」や「トヨタ 交通安全センター モビリタ」での走行、ピットスペースなどでの車両展示、EBI GROUPのテクニカルスペシャリストによる分解解説デモなどが実施された。
イベント会社などを利用せずEBI GROUPスタッフが企画、運営
参加者の昼食時間を利用して行なわれたランチミーティングの席で登壇したイー・ビー・アイ・マーケティング代表取締役の荒川由紀氏は、イベントに足を運んでくれたことに感謝の言葉を述べたあと、「われわれEBI GROUPは、皆さまのポルシェライフをお付き合いのなかで、少しでも彩り豊かなものにしていただくことを使命として日々活動しております。納車後にアフターセールスの面から支えるだけではなく、さまざまなイベントをとおして“ほかでは経験したことのない日々”をお過ごしいただくきっかけが作れればと考えてイベントにも取り組んでおります」。
「この活動のなかに、ポルシェの70周年を記念する『The Rally』という、911のオーナーさまに集まっていただくツーリングイベントがあり、こちらもEBI GROUPのスタッフが企画を手がけ、自分たちで準備を進めて好評をいただいております。ただ、こちらでは911オーナーの皆さまだけにしか参加していただけなかったので、今回は全車種のオーナーさまに楽しんでいただけるコンテンツとしてThe Fest.に取り組むことになりました」。
「1年前から弊社社員が一生懸命準備を進めてきて、今回は経理や物流、保険といった裏方担当、アフターセールス部のパーツマン、ワランティ班、工場長やメカニックといったさざままなスタッフがイベント運営を手がけております。なぜイベント会社などを利用せずに社員にやらせているかという理由ですが、日ごろ皆さまとお付き合いがあるのはセールススタッフやサービスコンサルタントになります。ほかのスタッフはあまりポルシェオーナーの皆さまとお目にかかる機会もありませんので、皆さまと交流する機会を作りたいという思いがありました。また、皆さまに楽しんでいただけるイベントを作れるのはポルシェセンターで働いているスタッフなのではないかと考え、このイベントを手作りすることになりました」とコメント。全車種のオーナーに楽しんでもらえるようスタッフがイベント運営を手がけているとアピールした。
また、来賓として参加したポルシェジャパン代表取締役社長のフィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ氏は、「今年はポルシェの生誕75周年、そして911生誕60周年という非常に特別な年です。この75周年を記念するさまざまなイベントが世界中で開催されていますが、日本で開催されるこのThe Fest.はディーラーさまで行なわれる最大規模のイベントです。EBI GROUPの皆さまはこれまでにも素晴らしいイベントを開催してきて有名ですが、このイベントはこれまでの実績を塗り替えていくものになると思います。私もこのイベントにご招待いただき誠に光栄です」。
「このイベントの非常にユニークな点は、すべての運営をEBI GROUPのスタッフが手がけて手作りしているという部分です。この規模のイベントをイベント会社などに依頼せずに運営しているというのは、日本に限らず世界を見渡してもここだけだと思います。今回のThe Fest.はアフターセールス部門の皆さんが運営にあたっていますが、私もアフターセールスビジネスに携わっていた経験がありますが、アフターセールスという担当はパーティー好きな人ばかりです。つまり、このような楽しいイベントの運営にはうってつけの人材だと思いますので、皆さんもお楽しみただければと思います」とあいさつした。
このほか走行前に行なわれたブリーフィングでは、当日の走行イベントで先導車の運転や参加者にドライビングのアドバイスなどを行なうために招かれたレーシングドライバーの北園将太選手、坂本祐也選手、安岡秀徒選手、小林崇志選手の4選手から、事故なく安全にサーキット走行を楽しんでもらえるよう、「同じポルシェでも走行性能に差があること、サーキット走行の熟練度に差があることなどを意識して、お互いにリスペクトしながら走ってもらいたい」「後続車が迫ってきたらウインカーを使って自分が行く方向をアピールする」「先行車は自分に気がついていないと考えて無理な追い越しはしない。追い越しは基本的にストレートで」「先導走行では飛び石で愛車が傷つく恐れもあるので、車間距離は車両3~4台分をイメージして開ける」「先導車はコースのレコードラインを走行するので、できるだけ同じラインを走るよう真似する」などのアドバイスが参加者に伝えられた。
「ENJOY(走る)」
当日の目玉となったレーシングコースを舞台とした走行イベントでは、「911」「ケイマン」「ボクスター」といった車両で参加できる先導車なし、追い越し可能な「フリー走行」(20分×2)と、サーキット走行の初心者や、サーキット走行を家族などと同乗して楽しみたい人向けに、先導車に追従して追い越し禁止で行なわれる全ポルシェモデル参加可能な「チャレンジプラン」(20分×1)の2種類を用意。日ごろの公道走行では発揮しきれないポルシェモデルが持つ高い走行性能を参加者それぞれに堪能していた。
トヨタ 交通安全センター モビリタでは、見晴らしのいいオープンスペースを4か所に分けて走行プログラムを展開。参加者はまず、直線区間で0-100m加速を体験したあと、パイロンで設定されたシケイン路でハンドリング性能を確認。散水によって雪道の路面グリップ力を再現した低ミュー路で、愛車のコントロール性能を味わった。また、外周部分に設定された周回路の「35度バンク」をプロドライバーの運転で体験する高速走行デモも実施された。
「KNOW(知る)」
ピットエリアの下流側にあるピットビルBでは、長年にわたってポルシェを取り扱ってきたEBI GROUPの知識やノウハウを紹介するブースを展開。
「Dr.菊池のクラシック講座」では、30年以上に渡ってポルシェ整備に携わり、「ポルシェ クラシック マイスター」の称号を持つ菊池剛氏が、1973年式の「911 E」に搭載された空冷式水平対向エンジンの分解デモを行ないながら、クラシックポルシェの構造的特徴や要注意ポイントなどを解説していた。
「HEART OF 911」では、最新モデルの911のリアバンパーなどを取り外して搭載状態のエンジンを露出。930型の911に搭載されていたエンジンやターボチャージャーなどと比較して、現代に継承されている技術、進化を遂げた技術などの説明が行なわれていた。
「TAYCAN TECH PIT」では、2020年にポルシェ初のBEV(バッテリ電気自動車)として登場したタイカンに施された高電圧安全性と整備テクニックなどについて実車を使って紹介。
ポルシェの認証タイヤとなっているピレリもブースを出展。タイヤ交換のデモンストレーションを披露した。
「TOGETHER(共に愉しむ)」
ピットビルAの2階にあるクリスタルルームがラウンジとして利用され、朝食と昼食の会場となったほか、イベントの協賛企業による展示も行なわれた。
ワンメイクレース「ポルシェ カレラカップ」にも協賛しているタグ・ホイヤーは、911の誕生60周年を記念して9月に発売した「タグ・ホイヤー カレラ クロノスプリント×ポルシェ」の2製品を展示。「901」というモデルネームでデビューした初代911が「0-100km/h加速9.1秒」というタイムを記録した逸話をモチーフに、秒針の動きを非等速化。最初の10秒分を実際には9.1秒で到達させ、そこから段階的に動きを遅らせていって1周は60秒で刻み、再び最初の10秒分を加速させる高度な技術が用いられていることをデモ展示で紹介した。