ニュース
“ル・マンのキング”と呼ばれた元レーシングドライバー「ジャッキー・イクス」氏が登場した「ポルシェフェスティバル」
2023年6月6日 08:15
- 2023年6月3日~4日開催
ポルシェジャパンは6月3日~4日にわたり、千葉県木更津市にあるポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)にて、アジア最大のポルシェコミュニティイベント「ポルシェフェスティバル」を開催した。
ポルシェフェスティバルでは、新型車となる「911ダカール」「カイエン」「カイエンクーペ」が公開されたが、それらの車両については別記事を参照いただきたい。
また、開催2日目にはスペシャルゲストとしてモータースポーツ界では歴史的な人物で「ル・マンのキング」と呼ばれる元レーシングドライバーのジャッキー・イクス氏が登場し、イベントを盛り上げた。
今回はポルシェフェスティバル2日目の模様をレポートする。初日は台風2号の影響もあり、雨の降る時間帯もあったが、2日目は朝から快晴。来場者も多く訪れ(来場は事前申し込み分のみ)、開会が予定されている朝10時前から会場内は賑わいをみせていた。
ポルシェフェスティバルは、PEC東京の広いエリアを生かしてさまざまなコンテンツが用意されていた。まず、エントランスにはイベントタイトルのオブジェとさまざまなポルシェの展示があり、来場者はまずここで記念写真を撮るという光景が多く見られた。
そして「ドリーマーズラウンジ」と呼ぶホールには貴重な歴代レーシングカーが展示されていた。なお、ドリーマーズラウンジではカフェやレストランの営業もあるので、快適な環境でレーシングカーを眺めながらの休憩ができるようになっていた。
ドリーマーズラウンジからコースのほうへ移動すると本来パドックとなるエリアにメインステージが設けられていた。このステージでは新型「911ダカール」などの発表会やゲストによるパフォーマンス、トークショーを開催.ステージ横にはキッチンカーエリアもあった。
なお、この会場にはポルシェジャパンが用意したかなりの数の車両が展示されていたので、それらは記事の後半に写真ギャラリー的に掲載するので、ご覧いただきたい。
体験コンテンツは2種類用意されていた。ひとつはPEC東京のインストラクターがドライブする911の助手席でドリフトを体験する「ドリフトエクスペリエンス」。そしてPEC東京の高低差のある地形を生かしてカイエンの悪路走破性能をインストラクターのドライブで体験する「オフロードエクスペリエンス」だ。どちらのコンテンツも人気が高く、ほぼすべての時間で体験待ちの待機列ができていた。
開会式ではポルシェジャパン代表取締役社長のフィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ氏が登場。「1948年6月8日にポルシェ356 No.1ロードスターが誕生しました。このスポーツカーの誕生から75周年となるいま、このときを私たち全員で祝いたいのです。日本のポルシェファン。そしてオーナーさま、ファミリーのみなさまとともにアジア最大のコミュニティイベント ポルシェフェスティバルを開催します」とあいさつ。
そして「日本には大変多くのポルシェのヘリテージがあります。これほど素晴らしい状態のクラシックポルシェがあるのは世界でも稀なことです。世界のポルシェのアンバサダーとして、みなさまにお礼を申し上げます。本当にありがとうございます」と日ごろの感謝を伝えた。
続けてヴィッツェンドルフ氏はPEC東京について、「ここはポルシェの日本におけるホームです。ここ2年間、この地域の方々ともありがたいことに信頼関係を結ぶことができました。そして私たちも地域への貢献を行なっています。いくつかの例を挙げますと、まず木更津市で有機栽培をしたお米をこの地域の小学校、中学校に給食として提供させていただいています。これは子供たちの健康を守りたいという思いで始めたプロジェクトです。それから木更津市のふるさと納税返礼品でも協力をさせていただいています」と地域活動も紹介。
911ダカールと共にジャッキー・イクス氏が登場
さて、冒頭に書いた新型「911ダカール」「カイエン」「カイエンクーペ」の発表会は2日目にも開催されたが、そこにゲストとして登場した人物がジャッキー・イクス氏だ。
ジャッキー・イクス氏は1960年代~1970年代にわたってF1で活躍しただけでなく、他のカテゴリーにも数多く参加。そしてル・マン24時間レースとパリ・ダカーリラリーの両方で優勝を経験するなど、モータースポーツシーンにおいて数々の偉業を達成した歴史的な元レーシングドライバーだ。ル・マンでの優勝が多いことから「ル・マンのキング」とも呼ばれている。
そんなジャッキー・イクス氏は、ル・マン24時間レースではポルシェ956、パリ・ダカーリラリーではポルシェ911、959で参戦するなど、ポルシェのモータースポーツ活動にとっても重要な存在。そんな人物が「911ダカール」とともにステージに登場するのは非常に大きなトピックとなった。
911ダカールの“ダカール”は、アフリカ大陸のステージとする「ダカールラリー」にちなんだものである。そしてダカーリラリーとは以前は「パリ・ダカーリラリー」と呼ばれた開催時期もあったが、そのラリーにて優勝を経験(メルセデスベンツ)し、ポルシェでも911、そして959にて参戦した経歴を持つのがジャッキー・イクス氏。
そのイクス氏と911ダカールを前にヴィッツェンドルフ氏は、「911ダカールのことを説明するのにジャッキー・イクス氏ほど適任はいません」とイクス氏のこと紹介。
イクス氏は「皆さんと一緒に911ダカールのお披露目の時間を過ごさせていただけてうれしく思います。私たちはポルシェのファミリー、ポルシェのコミュニティの一員です。今回はパリ・ダカーリラリーについて少しお話しさせてください。この地球のなかでもっともハードなレースです。3週間もの間、アフリカのサハラ砂漠を走り続けます。これは1万km。いえ、場合によっては1万2000km、いえいえ1万4000kmに及ぶこともあります。その行程は山脈を越え、砂漠も越えます。」
「そのときのトップスピードは200km/hにもなります。これは砂漠でですよ、道なんてありません。あの場所ほどクルマで行くのに辛い場所はないと思います。ポルシェのクルマはこのような地でも活躍しました。オフロードでレースカーを走らせることはポルシェでなければ無理なことでした。320Lの燃料を積み、800kmを走り、ほかのオフロードカーをすべて追い越して勝ち抜くことができたのはポルシェだけです。また、パリ・ダカーリラリーだけでなく、サーキットでも活躍していて、私がドライブしたときもあわせて19回もル・マン24時間レースを勝っています。その他のレースでも素晴らしい歴史を残しています。皆さんが乗るポルシェとはそんな素晴らしいクルマなのです。そのことをこれから胸に止めていただけたら幸いです」と語った。
以上がポルシェエクスペリエンスセンター東京で開催されたポルシェフェスティバルの主なコンテンツの紹介。以下はポルシェフェスティバル会場で展示された車両の画像を掲載していく。
続いて、メインステージエリア「ポルシェガレージ」にエントリーしていた車輌を紹介する。本稿で掲載できた車両のほかにもボルシェガレージに参加した多くのポルシェがあっただけに、会場を歩く来場者のほとんどは片手にスマートフォンを持って、気に入ったポルシェの撮影をしたり、オーナーと談笑したりというシーンが見られた。この2日間はポルシェファン、オーナーにとっては最高の日になったに違いない。