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“ル・マンのキング”と呼ばれた元レーシングドライバー「ジャッキー・イクス」氏が登場した「ポルシェフェスティバル」

2023年6月3日~4日開催

ポルシェエクスペリエンスセンター東京で開催された「ポルシェフェスティバル」にスペシャルゲストとしてジャッキー・イクス氏が登場した

 ポルシェジャパンは6月3日~4日にわたり、千葉県木更津市にあるポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)にて、アジア最大のポルシェコミュニティイベント「ポルシェフェスティバル」を開催した。

 ポルシェフェスティバルでは、新型車となる「911ダカール」「カイエン」「カイエンクーペ」が公開されたが、それらの車両については別記事を参照いただきたい。

 また、開催2日目にはスペシャルゲストとしてモータースポーツ界では歴史的な人物で「ル・マンのキング」と呼ばれる元レーシングドライバーのジャッキー・イクス氏が登場し、イベントを盛り上げた。

千葉県木更津市のポルシェエクスペリエンスセンター東京にて日本初公開された新型「911ダカール(中央)」「カイエン(左)」「カイエンクーペ(右)」
ポルシェのモータースポーツ活動においても重要な人物であり、ル・マン24時間レースで6度の優勝経験があり「ル・マンのキング」とも呼ばれる元レーシングドライバーのジャッキー・イクス氏が登場
911ダカール。911のスポーツサスペンション仕様車より車高がアップされている
911ダカールのホイールまわり。タイヤは専用のピレリ スコーピオン オールテレーンプラスを装着。サイズはフロントが245/45ZR19
リヤは295/40ZR20を履く
前後フェンダーには樹脂製のフェンダーアーチを装着
911ダカールのフロントフェイス
バンパー下部にはプロテクターのようなパーツも追加される
往年のロスマンズカラーのボディ
サイドシル部分にもプロテクターが付く
リアスポイラーは固定式
トーイングフックが特徴的。マフラーエンドのデザインも独特
新型カイエン
新型カイエンのフロント。ヘッドライトはマトリックスLED4灯式
新型カイエンのリア
新型カイエンクーペ
こちらもヘッドライトはマトリックスLED
カイエンシリーズにはトレーラヒッチがオプション設定されている
ピレリ P ZEROを履く。サイズは285/40ZR22
リヤは315/35ZR22

 今回はポルシェフェスティバル2日目の模様をレポートする。初日は台風2号の影響もあり、雨の降る時間帯もあったが、2日目は朝から快晴。来場者も多く訪れ(来場は事前申し込み分のみ)、開会が予定されている朝10時前から会場内は賑わいをみせていた。

 ポルシェフェスティバルは、PEC東京の広いエリアを生かしてさまざまなコンテンツが用意されていた。まず、エントランスにはイベントタイトルのオブジェとさまざまなポルシェの展示があり、来場者はまずここで記念写真を撮るという光景が多く見られた。

 そして「ドリーマーズラウンジ」と呼ぶホールには貴重な歴代レーシングカーが展示されていた。なお、ドリーマーズラウンジではカフェやレストランの営業もあるので、快適な環境でレーシングカーを眺めながらの休憩ができるようになっていた。

 ドリーマーズラウンジからコースのほうへ移動すると本来パドックとなるエリアにメインステージが設けられていた。このステージでは新型「911ダカール」などの発表会やゲストによるパフォーマンス、トークショーを開催.ステージ横にはキッチンカーエリアもあった。

 なお、この会場にはポルシェジャパンが用意したかなりの数の車両が展示されていたので、それらは記事の後半に写真ギャラリー的に掲載するので、ご覧いただきたい。

ポルシェフェスティバルの会場図。ポルシェエクスペリエンスセンター東京の広い敷地を使って開催された
エントラントの様子。記念撮影スポットとなっていた
パドックエリアはメインステージとなっていた。車両の展示も行われていた
キッチンカーが並び、休憩スペースも設けられていた
トークショーの様子。このときは人気コミック「彼女のカレラ」シリーズの作者 麻宮騎亜さんがゲスト。会場には彼女のカレラシリーズのラッピングカーも展示されていた。こちらも後半で掲載する
ポルシェフェスティバルではポルシェジャパンによって多くの展示車が用意されていたが、さらにポルシェオーナーが愛車を展示する「ポルシェガレージ」も開催
来場者による投票によって部門ごとにアワードが選出され、メインステージにて表彰された

 体験コンテンツは2種類用意されていた。ひとつはPEC東京のインストラクターがドライブする911の助手席でドリフトを体験する「ドリフトエクスペリエンス」。そしてPEC東京の高低差のある地形を生かしてカイエンの悪路走破性能をインストラクターのドライブで体験する「オフロードエクスペリエンス」だ。どちらのコンテンツも人気が高く、ほぼすべての時間で体験待ちの待機列ができていた。

PEC東京のインストラクターがドライブする911の助手席でドリフトを体験する「ドリフトエクスペリエンス」
こちらはカイエンの同乗走行「オフロードエクスペリエンス」
ポルシェジャパン 代表取締役社長のフィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ氏

 開会式ではポルシェジャパン代表取締役社長のフィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ氏が登場。「1948年6月8日にポルシェ356 No.1ロードスターが誕生しました。このスポーツカーの誕生から75周年となるいま、このときを私たち全員で祝いたいのです。日本のポルシェファン。そしてオーナーさま、ファミリーのみなさまとともにアジア最大のコミュニティイベント ポルシェフェスティバルを開催します」とあいさつ。

 そして「日本には大変多くのポルシェのヘリテージがあります。これほど素晴らしい状態のクラシックポルシェがあるのは世界でも稀なことです。世界のポルシェのアンバサダーとして、みなさまにお礼を申し上げます。本当にありがとうございます」と日ごろの感謝を伝えた。

 続けてヴィッツェンドルフ氏はPEC東京について、「ここはポルシェの日本におけるホームです。ここ2年間、この地域の方々ともありがたいことに信頼関係を結ぶことができました。そして私たちも地域への貢献を行なっています。いくつかの例を挙げますと、まず木更津市で有機栽培をしたお米をこの地域の小学校、中学校に給食として提供させていただいています。これは子供たちの健康を守りたいという思いで始めたプロジェクトです。それから木更津市のふるさと納税返礼品でも協力をさせていただいています」と地域活動も紹介。

ポルシェエクスペリエンスセンター東京による木更津市への貢献を紹介するボード。木更津市のふるさと納税返礼品にも協力している
貢献の内容

911ダカールと共にジャッキー・イクス氏が登場

 さて、冒頭に書いた新型「911ダカール」「カイエン」「カイエンクーペ」の発表会は2日目にも開催されたが、そこにゲストとして登場した人物がジャッキー・イクス氏だ。

 ジャッキー・イクス氏は1960年代~1970年代にわたってF1で活躍しただけでなく、他のカテゴリーにも数多く参加。そしてル・マン24時間レースとパリ・ダカーリラリーの両方で優勝を経験するなど、モータースポーツシーンにおいて数々の偉業を達成した歴史的な元レーシングドライバーだ。ル・マンでの優勝が多いことから「ル・マンのキング」とも呼ばれている。

 そんなジャッキー・イクス氏は、ル・マン24時間レースではポルシェ956、パリ・ダカーリラリーではポルシェ911、959で参戦するなど、ポルシェのモータースポーツ活動にとっても重要な存在。そんな人物が「911ダカール」とともにステージに登場するのは非常に大きなトピックとなった。

舞台袖からステージへ駆け上がってきた911ダカール
助手席からジャッキー・イクス氏が降りてきた。迎えるのはヴィッツェンドルフ氏
歓声に応えるジャッキー・イクス氏

 911ダカールの“ダカール”は、アフリカ大陸のステージとする「ダカールラリー」にちなんだものである。そしてダカーリラリーとは以前は「パリ・ダカーリラリー」と呼ばれた開催時期もあったが、そのラリーにて優勝を経験(メルセデスベンツ)し、ポルシェでも911、そして959にて参戦した経歴を持つのがジャッキー・イクス氏。

 そのイクス氏と911ダカールを前にヴィッツェンドルフ氏は、「911ダカールのことを説明するのにジャッキー・イクス氏ほど適任はいません」とイクス氏のこと紹介。

 イクス氏は「皆さんと一緒に911ダカールのお披露目の時間を過ごさせていただけてうれしく思います。私たちはポルシェのファミリー、ポルシェのコミュニティの一員です。今回はパリ・ダカーリラリーについて少しお話しさせてください。この地球のなかでもっともハードなレースです。3週間もの間、アフリカのサハラ砂漠を走り続けます。これは1万km。いえ、場合によっては1万2000km、いえいえ1万4000kmに及ぶこともあります。その行程は山脈を越え、砂漠も越えます。」

「そのときのトップスピードは200km/hにもなります。これは砂漠でですよ、道なんてありません。あの場所ほどクルマで行くのに辛い場所はないと思います。ポルシェのクルマはこのような地でも活躍しました。オフロードでレースカーを走らせることはポルシェでなければ無理なことでした。320Lの燃料を積み、800kmを走り、ほかのオフロードカーをすべて追い越して勝ち抜くことができたのはポルシェだけです。また、パリ・ダカーリラリーだけでなく、サーキットでも活躍していて、私がドライブしたときもあわせて19回もル・マン24時間レースを勝っています。その他のレースでも素晴らしい歴史を残しています。皆さんが乗るポルシェとはそんな素晴らしいクルマなのです。そのことをこれから胸に止めていただけたら幸いです」と語った。

ステージ上のジャッキー・イクス氏とヴィッツェンドルフ氏、そして911ダカール
ヴィッツェンドルフ氏からのリクエストによりイクス氏が911ダカールのフロントフードにサインを行った
トークの終盤にはポルシェAGセールス及びマーケティング担当取締役のデトレフ・フォン・プラテン氏も登場

 以上がポルシェエクスペリエンスセンター東京で開催されたポルシェフェスティバルの主なコンテンツの紹介。以下はポルシェフェスティバル会場で展示された車両の画像を掲載していく。

919Hybrid
962 CR Schuppan
ADVAN alpha 962 C
935
935 K3/80 by Kremer
924 Carrera GTR
904
917

 続いて、メインステージエリア「ポルシェガレージ」にエントリーしていた車輌を紹介する。本稿で掲載できた車両のほかにもボルシェガレージに参加した多くのポルシェがあっただけに、会場を歩く来場者のほとんどは片手にスマートフォンを持って、気に入ったポルシェの撮影をしたり、オーナーと談笑したりというシーンが見られた。この2日間はポルシェファン、オーナーにとっては最高の日になったに違いない。

カレラRSベースのシュトロゼックコンプリート車
日本人アーチストの須藤氏が手掛けたタイカンのアートカーも展示されていた
911ターボ フラットノーズ
タイプ997 911GT2
ケイマンGT4 クラブスポーツ
959
タイプ980 カレラGT
918スパイダー
彼女のカレララッピングカー。姫小路 優香
彼女のカレララッピングカー。岬 愛華
彼女のカレララッピングカー。轟 麗菜
アーチストのダニエル・アーシャム氏と日本のポルシェカスタム職人、中井啓氏の「RWB」とのコラボ車。タイプ964ベースの「RWBA」
ポルシェガレージ パフォーマンスアワード受賞車
ポルシェガレージ ヘリテージアワード受賞車
ポルシェガレージ エキサイティングアワード受賞車
ここからはポルシェガレージの参加車の写真を掲載。といってもとても多くの展示車があったので掲載したのはほんの一部だ。こちらは914 2.0
356。リアのトランクが洒落ていた
924S。オリジナルを大事にしているがホイールはさりげなく16インチ化
水冷4気筒ポルシェは少なかった。こちらは944
サーフボードを積んだ911タルガ
911スピードスター
964 カレラ2スーパーカップ
カレラRS
718スパイダー
タイプ991 911 GT3 RS
718 ケイマンGT4
RWB仕様車
RWB仕様車は特別展示となっていた
世界中にファンの多いカスタム仕様
タイプ別にRWB仕様車を展示