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パイオニアの“会話するドライビングパートナー”「NP1」を付けてみた
第3回:5回目の大幅アップデートでNP1は1つの完成形を迎えた!
2023年11月1日 08:10
通信型カーナビゲーションと通信型ドライブレコーダーが一体になった次世代車載器の「NP1」。従来の車載器のように本体内部に各種データを持つのではなくて、クラウド内に用意された各種サービスを通信によって利用する方法を取っているので、車載器に内蔵するデータとは比べものにならないくらい大きなデータが扱えるし、スマホのアプリなどと同じように、大元のデータのアップデートを行なうことでインターネットでつながるすべての車載器に新しい機能が追加できる。そのためNP1は「購入後にやれることが増えていく」という特徴も持っている。
そしてパイオニアではその特徴を生かすため、適時行なう小規模アップデートとともに定期的に大型アップデートを行なっているが、2023年10月10日に通算5回目となるアップデートがOTA(OTA:Over The Air)で実施された。
さて、今回のOTAはNP1ユーザーの多くが実装を待ちわびていたであろう機能の追加だ。そこで本稿ではNP1ユーザーである筆者の感想を含めて紹介していこう。まずは声による検索の機能向上だ。
これまで声による行き先検索では施設名を話しかけて行なっていたが、施設名での登録がなかったりすると(会社名と店名が違うなども)声での検索ができなかった。そんなときはスマホアプリの「My NP1」で住所や電話番号検索に切り替えていたのだが、今回のOTAから住所や電話番号を読み上げることで、NP1らしく「声での検索」ができるようになったのだ。
筆者も声での施設名検索が通らずアプリに住所を入力したこともあった。でも、NP1は走行中でも行き先の設定ができるところに大きなメリットを感じていたので、「打ち込み」することに不便さを感じていたが、そんな状況も今回のアップデートで解決である。
声での検索がしやすくなったことで、大抵の目的地が走行しながら検索できると思うが、とくに早朝に出発するときなど、近所への配慮から乗り込んだらすぐに発進したほうがいいので、声による検索機能が強化されたことは実際の使い勝手として大幅向上したと言える。
また、走行中の声での検索機能は目的地までの途中にある立ち寄り地を設定するときにも便利なので、そんなときでも声で検索できる幅が広がったのは大いに歓迎すべき点だ。
Apple CarPlayとAndroid Autoに対応
今回のアップデートではもう1つ、ナビゲーションに関連するアップデートが行なわれた。それがスマホアプリ「My NP1」がApple CarPlayとAndroid Autoに対応したことだ。
これにより車載のApple CarPlayとAndroid Autoに対応したカーナビゲーション機器やディスプレイオーディオに、My NP1で表示していた地図や操作画面を大画面に映し出すことが可能になった。
NP1は声による案内だけで分かりやすいナビができるのが特徴なので、基本的に地図はなくても困らないものだ。
でも、使う人によっては声の案内とあわせて地図も確認したいという意見もあるだろうし、状況によっては目的地の周辺になにがあるかを知りたいときもある。例えば高速道路のインターチェンジや鉄道の駅、買い物ができる施設などで、そういった場合の確認には地図が必要だ。
そこでNP1ではスマホアプリのMy NP1に地図を表示できるようになっていたのだが、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応したことで、My NP1の地図が車載ナビの大きな画面で見られるようになった。しかも、表示される地図は大きくなった画面にあわせてパイオニアの車載ナビと同様のデザインなので、スマホ画面のときと比べて見やすさは格段に向上している。
また、ナビとして使用しなくなった純正ナビは、乗り続けているクルマが「古くなってきた」ように感じられるものになっていたのだが、モニターだけでも再び現役として活用できるようになるのは、気持ちが晴れるような感じがすることでもあった。
取り締まりの情報も教えてくれるようになった
機能を追加していくことのできるNP1なので、日ごろからユーザーの声を集めてそれを開発のヒントとしている。その一環として、パイオニアが行なった「車載器の音声案内に関する調査」において実装希望の声が高かった、オービス設置箇所のお知らせと交通取り締まり情報の通知機能が追加された。
交通取締情報の通知は警視庁が事前公開している取り締まり情報を元に、走行エリアで行なわれている取り締まりの情報を声で通知してくれるものだ。内容としては交差点などの監視があるような情報が多いが、注意喚起として捉えるとこの通知がより有効なものになるだろう。
また、取り締まりエリアが近くにあってもそれが進行方向でない場合は通知しないので、通知があったら注意というような分かりやすさもあるものだ。
リア用ドライブレコーダーが登場
NP1の車載器には室内用のカメラがあるので、リアウィンドウ越しに後方の映像も撮れていたが、やはり「リア用ドライブレコーダーがほしい」という声が多かったという。そこでラインアップの追加されたのが「NP1リア用ドライブレコーダー」だ。
リア用ドライブレコーダーの本体サイズは95×30×35mm(幅×高さ×奥行き)で重量は70g。記録媒体はmicroSDHC/microSDXCカードclass10(16GB~128GB)。撮影素子は約200万画素(車載用高感度CMOS)で明るさを示すF値はF2.1。画像補正にはWDR機能を使う。機能としてはGPSを搭載し、Gセンサーは3軸式で3段階のレベル設定およびOFFも可能。Wi-Fiも搭載していて、スマホに入れた「リアアシスト」というアプリと通信をする。
映像は記録媒体に記録されるほか、アプリの設定によりスマホにも記録ができるようになるので、映像をすぐに見たいときなどは設定をONにしておく。なお、録画ファイルのサイズは1分、3分、5分と3つのうちから選べるので、ファイルが大きすぎると困る場合でも対応が可能だ。
2024年1月9日までおどろきのキャンペーン開催
5回目のアップデートで使い勝手がこれまで以上によくなっただけに、NP1に興味があっても購入をためらっていた人も「もう買い」の時期になったと思う。
そんなタイミングにあわせてパイオニアは「NP1ダブルキャンペーン」を開催。内容はNP1本体と通信・サービス利用料1年分付きの「ベーシックプラン」の価格が3万9800円(通常価格は6万5780円)となり、さらに12月15日までに装着してアクティベートを済ませるとLINEポイントが3000ポイントもらえるという内容だ。
なお、このキャンペーンによってユーザーの満足度が高い(と筆者は感じている)NP1が多くに人に広まると、今度はより多くの「ユーザーの声」が集まるようになる。するとそれを元にアップデートが行なわれ、さらにいいものに育ってくれるので、現ユーザーとしてもこうしたキャンペーンは歓迎である。