トヨタ、タイ10時間耐久レースは「GR86」「GRカローラ」「プリウスレーシングハイブリッド」の3台とも完走

モータースポーツを通じたカーボンニュートラルの実現やFun to Driveに向けた大きな一歩

　トヨタ自動車は、12月22日～23日（現地時間）にタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで行なわれた「IDEMITSU SUPER ENDURANCE SOUTHEAST ASIA TROPHY 2023」（タイ10時間耐久レース）に、カーボンニュートラル燃料を使用したGR86「ORC ROOKIE GR86 CNF concept」、水素エンジンカローラ「ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept」、プリウス（ハイブリッド）「CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept」の3台で参戦し、完走した。

　ORC ROOKIE Racingの228号車 ORC ROOKIE GR86 CNF concept（大嶋和也/山下健太/加藤恵三/豊田大輔）は289周を走行し、総合順位4位、クラス順位4位に、232号車 ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept（MORIZO/小倉康宏/佐々木雅弘/石浦宏明）は161周（約2時間の計画停止を実施）を走行し、総合順位55位、クラス順位8位となった。

228号車 ORC ROOKIE GR86 CNF concept

232号車 ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept

　また、CP ROOKIE Racingの264号車 CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept（カチョーン・チャラワノン/MORIZO/片岡龍也/蒲生尚弥/平良響）は272周を走行し、総合順位11位、クラス順位は6位となった。

264号車 CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept

　今回のレースでは、モータースポーツを起点としたカーボンニュートラルの選択肢を広げる試みにも挑戦。GR86とプリウスはカーボンニュートラル燃料を使用し、水素エンジンカローラではタイでのカーボンニュートラル社会実現に向けた仲間であるCharoen Pokphand Group（CP）の養鶏場の鶏糞から生成されたバイオガスなどを使って作った地産水素を使用一部で使用した。

　レース後、ドライバーモリゾウこと豊田章男会長は、「今回のレース参戦のメッセージは、カーボンニュートラルの選択肢として水素とハイブリッドを示すことでした。トラブルはあったものの完走することができて、参戦2年目の水素エンジンに加えて、今年はプリウスやハイブリッドのイメージもタイの方々に受け入れられた印象を持ちました。CPグループさんとは、タイのCO2削減についてお互いの得意分野を活かして共に取り組んでいます。今回プリウスのドライバーとして参加いただいたカチョーンさんも運転大好きですし、会長のスパキットさんも運転大好きです。そのようなCPグループさんとトヨタが一緒になってプリウスで10時間レースに出られたことは大変意味があり、より多くの方々にわれわれの活動を知っていただけたと思います」。

「カーボンニュートラルの活動やモビリティの未来を作るためには、1社では難しいことがあります。エネルギーを作る人、運ぶ人、使う人、クルマを作る人。多くの人たちが協力し、行動していけば仲間が増え、未来の景色が確実に変わっていくと信じています。タイの方々は行動する人を前向きに応援いただけます。みんなで未来を作っていく、がんばってる人を応援する、そのような世界でいたいと思います」とコメントしている。

　タイ10時間耐久レースに先立ち、12月19日（現地時間）にトヨタ・モーター・タイランド（Toyota Motor Thailand）が、多くのモータースポーツファンがいるタイ・バンコクで「GR FESTIVAL 2023」を実施。約2500人のファンが集まった。GR FESTIVAL 2023では、ROOKIE Racing、Toyota Gazoo Racing Team Thailand、D1のドライバーが参加し、チームパフォーマンスやタイムアタック、ドリフトショーなどに加え、IMV0の紹介など、モータースポーツの魅力を発信するとともに、タイの人々への感謝を伝えた。

GR FESTIVAL 2023の様子

　トヨタはこれからも、「カーボンニュートラル」実現に向けた「マルチパスウェイ」の取り組みと「お客様の笑顔の量産」のための「Fun to Drive」の両立の取り組みを推進していくといい、今回はモータースポーツを通じたカーボンニュートラルの実現やFun to Driveに向けた大きな一歩となったとしている。