モリゾウ選手が水素カローラと新型プリウス レーシングハイブリッドのダブルエントリーを有言実行

モリゾウ選手、水素カローラと新型プリウス レーシングハイブリッドをダブルエントリー

　タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで12月23日、「IDEMITSU SUPER ENDURANCE SOURTHEAST ASIA TROPHY 2023」（タイ10時間耐久レース）の決勝レースが行なわれている。

　決勝レースは10時にスタート。10時間後、20時のゴールを目指して戦いが始まった。2022年は暑かったこの耐久レースだが、14時過ぎの気温は25℃。最高気温も25℃が予想されており、昨年の酷暑という状態とは異なるレースとなっている。

新型プリウスへのドライバー交代を前に片岡監督と話をするモリゾウ選手。モリゾウ選手の前のドライバーはTrue Leasingのカチョーンさん

　とはいえ25℃、初夏程度の気温であり、日の当たるところではさらに熱い状況だ。

　この10時間耐久レースに、新型プリウスベースのレーシングカー「CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept」が参戦することが話題になっている。この新型プリウスのレーシングハイブリッドでは、モーターを一クラス上のカムリクラスのものに交換。エンジンの制御変更と、駆動バッテリ搭載量を増やすことで25％の出力アップを実現している。

　トヨタ自動車とルーキーレーシングは、この10時間耐久レースにカーボンニュートラル燃料を使用する新型プリウスレーシングハイブリッドのほか、同じ燃料を使用する「ORC ROOKIE GR86 CNF concept」、水素燃料を使用する「ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept」をエントリー。3台のカーボンニュートラルレーシングマシンによる、モータースポーツのマルチパスウェイを訴求している。

　そして、もう一つのマルチパスウェイとして注目されていたのが、モリゾウ選手ことトヨタ自動車 代表取締役会長 豊田章男氏のダブルエントリー宣言。モリゾウ選手は予選日の記者会見で記者の質問に答える形で、水素カローラだけでなく、新型プリウス レーシングハイブリッドでも走ることを明らかにしていた。

　実際、モリゾウ選手は水素カローラのスタートドライバーを務めたほか、午後には新型プリウス レーシングハイブリッドをドライブ。水素とカーボンニュートラルハイブリッドのマルチパスウェイをサーキットで実践し、記者会見で「ギネスを目指すのか？」と問われたほどの走りを展開していた。

カチョーンさんと交代し、新型プリウスに乗り込むモリゾウ選手

　モリゾウ選手は、日本とタイの2つの国でカーボンニュートラルの耐久レースに参加、記者会見で「トヨタ自動車はクルマ屋です。クルマ屋を成り立たせるために、日本だと550万人、タイだと560万人の方が自動車産業に関わっています」とも語っており、2つの国の自動車産業が抱える課題解決の道筋を示そうとしている。

　新型プリウスのドライバーにはTrue Leasingのカチョーンさんも参加しているため、カーボンニュートラルレースを共有することで、モリゾウ選手は一種のモータースポーツ外交を展開している状態だ。

スティントを終え、スタッフに出迎えられるカチョーンさん。モリゾウ選手は、タイでモータースポーツ外交を展開している

　もちろん、足もとではダイハツ工業の認証不正問題の解決への取り組みを行なっていく必要があり、「親会社のトヨタとしても全面協力」（豊田章男会長）と語っているように、タイの10時間レースではTrue Leasingのカチョーンさんとともに思いを共有して走り、ダイハツ問題に対してはトヨタ自動車の経営陣とともに取り組んでいる。