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新型プリウス レーシングハイブリッドが10時間耐久レース完走、総合11位クラス6位でモリゾウ選手らが表彰台へ

10時間耐久レース終了後、True Leasing社長でCP執行役員のカチョーンさんらとともに記念写真。モリゾウ選手はタイ国旗を掲げる

 12月23日20時、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催されていた「IDEMITSU SUPER ENDURANCE SOURTHEAST ASIA TROPHY 2023」(タイ10時間耐久レース)の決勝レースがゴールを迎えた。

 このタイ10時間耐久レースにトヨタ自動車は、カーボンニュートラル燃料を用いる新型プリウスベースのレーシングカー「CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept」をルーキーレーシングに委託して参戦。ドライバーは2023年シーズンのスーパー耐久を制した14号車組(蒲生尚弥/平良響/片岡龍也)に加えてTrue Leasing社長兼CP執行役員のカチョーンさん、さらに水素カローラとダブルエントリーになるモリゾウ選手(豊田章男氏)というラインアップ。トヨタと提携したCPグループとモリゾウ選手がタッグを組み、さらにスーパー耐久チャンピオンドライバーが脇を固めるという布陣で臨んだ。

ゴール直前のスティントを終えた平良響選手(中央)を交えて語る、片岡龍也監督(左)とモリゾウ選手(右)

 この新型プリウス レーシングハイブリッドは、決勝レースを総合11位で走りきり、クラス6位で入賞した。トップから21周遅れだったものの、見事10時間で272周のラップを刻んだ。

 トラブルも発生せず、ハイブリッド車ならではのスティントの長さを活かして効率的な走行で、他車がトラブルなどでリタイアするなか、着実に順位を上げていった。最速タイムも2分00秒台に入るなど、飛び抜けて速くはないが、初戦から信頼性の高さを見せた。カーボンニュートラル燃料による耐久レースの可能性をタイで示した。

表彰式の模様、新型プリウス レーシングハイブリッドは総合11位、クラス6位に入賞した

 決勝終了後、モリゾウ選手に新型プリウス レーシングハイブリッドの印象を聞く機会があったが、周回を重ねる度に乗り方をつかむことができたとのこと。当初心配していたバイワイヤによる回生ブレーキと油圧ブレーキの特性も、「ブレーキをあまり踏まずに走る方法を見いだした」と、乗り方で解決したようだ。

 ただ、速さについては不満もあるようで、「もうちょっと速いとスポーツできるよね」と、さらなるパワーを求めている感じだった。

 とはいえ、富士スピードウェイでのシェイクダウンから3日間のテストでタイに持ち込み、トラブルらしいトラブルが出ないというのは、市販車の素性のよさを示しているように見える。パワーについては25%上げたが、ボディまわりは特殊な補強もしていないということで、車体の作りのよさが発揮された。

 レース後は、ややカオス気味となったコース上で記念写真。モリゾウ選手とカチョーンさんは新型プリウスの上でタイ国旗を振りつつ、フォトリクエストに応えていた。

 トヨタはタイでCPグループやTrue Leasing、SCGとカーボンニュートラルに関する協業を行なっていくが、その上でお互いをビジネスパートナーとして信頼できるかどうかは、大切な点となってくる。お互いのグループの上層部同士が同じレースに参加して、カーボンニュートラル車を体感し、さらに耐久レースをともに戦うというのは、信頼関係を築くにあたって大きな意味を持つのは間違いない。