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新型プリウス レーシングハイブリッドについて片岡龍也監督兼選手に聞く

264号車「CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept」のチーム監督でもある片岡龍也選手

 12月23日、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで「IDEMITSU SUPER ENDURANCE SOURTHEAST ASIA TROPHY 2023」(タイ10時間耐久レース)の決勝が10時から行なわれている。

 新型プリウスベースのレーシングカー「CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept」は、スタートドライバーである片岡龍也監督兼選手はじめ、True Leasingのカチョーンさん、モリゾウ選手と6時間を経過し順調にスティントをこなしている。

新型プリウスベースのレーシングカー「CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept」

 片岡選手にこの新型プリウス レーシングハイブリッドの印象を聞いたところ、驚くほどよいとのこと。「パワー的には、サーキットを走ればまだまだ欲しいのは事実ですが、バッテリのシステムもマップして枯渇しないように使ってくれています。常に加速のところを助けてくれ、エンジンの回転を下げないところを使っています」と語り、TOYOTA GAZOO Racing Companyプレジデント 高橋智也氏の言うWECモードでは、電池枯渇を防ぐとともに、常に加速できるような構えを持っているほか、アンチラグシステムのようなエンジン回転を下げない仕組みが入っているようだ。

 片岡選手はそのメリットとして、「エンジンの踏み出しがとてもいい。回転がドロップしきらずに、開け直したときのつながりがいい。CVT(無段変速)なんですけどレスポンスもいい。ただ常に高回転なので、加速中は常にずっと音がしている感じです」と語り、レスポンス重視の特殊な制御が行なわれている。

 そのため、運転特性はよいようで「非常にドラビリとしてはよいです。ただ、減速側で若干エンジンブレーキが使えないところはある」「ブレーキ側はスイッチになっており、電気信号を油圧に変換して伝えている」とし、運転特性を重視しつつ、コースティング制御、バイワイヤなど、電動車ならではの工夫も入っているようだ。

 片岡選手によると、このプリウスは富士でのシェイクダウンを含めて5日間ほどしか走っていないとのこと。そのため制御を詰め切れていない部分もあり、この10時間耐久レースを通じでデータを取得していくという。

 決勝での新型プリウス ハイブリッドレーシングは順調そのもの。ベストタイムは2分554(6時間経過時点)と、2分00秒台を記録。片岡選手は、「当初心配していたが、走れば燃料が減って軽くなるので、タイムがどんどん上がっていく。燃費もよいので1スティント1時間45分程度走ることができる」と、ハイブリッド車ならではの戦略で走行し、周回数を着実に刻んでいる。

 6時間経過時点の順位は16位。10時間を走りきることができるのか、さらなる順位上昇はあるのか、4時間先のゴールを目指して新型プリウス レーシングハイブリッドは走行を続けている。