ニュース

ダイハツ、車検切れ新車買い換えのユーザーには個別で代車などを案内 認証不正問題

ダイハツ工業株式会社

 12月25日、ダイハツは認証不正問題に伴う納車遅れの問題に対し、ユーザー個別においてコミュニケーションを持ちながら対応。生産停止により納車ができなくなっている車検切れ新車買い換えのユーザーには代車などを案内しているとの対応を示した。

 ダイハツの認証不正問題は、4月に発生。該当車種については再試験などを行ないながら、約90万件の認証案件について精査。12月20日には、第三者委員会の調査発表が行なわれ、25項目174件の不正案件があったことが発表された。その案件について、ダイハツとトヨタで確認。キャスト/ピクシスジョイの側面衝突試験における「乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)」が法規に適合していない可能性(以下、ドアロック解除問題)が浮上したものの、そのほかの案件については、ダイハツとトヨタで確認するとともに、第三者認証機関である「テュフ・ラインランド・ジャパン」で検証結果・プロセスの確認を得ている。

 こうしたことから、直ちに使用を取りやめる状況にはないとし、認証不正案件を国交省の正しいルールに乗せるべく努力するとともに、Webサイトに問い合わせ窓口を告知し、ユーザー個別にコミュニケーションを図っている。

 すでに各種アナウンスが出ているように、国内生産工場においては1月末までの生産停止を行なっており、ダイハツ車およびそのOEM車については納車ができない状況が発生している。

 これによる経営問題などの発生も予想されているが、ダイハツ本体においては体力があり、取引先についても個別に対応していくとのこと。企業間取引だけに直接交渉で解決できる部分もあり、ダイハツとしては認証不正案件が正しく再認証されれば、状況に応じて再開を行なっていくと思われる。

 現在ダイハツ車を所有する個人ユーザーへは、前記のように、直ちに使用を取りやめる状況にはないとのコミュニケーションを行なっており、使い続ける上での不安に対応している。不安があればディーラーに確認を行なって、メーカーとしての正式な回答を得られるようになっている。

 車検が迫っているユーザーに対しても、現状車種で車検はできるとしており、そのクルマを使い続ける場合はディーラーと相談し、車検を行なえばよいことになる。

 問題は、車検切れに伴い新車を購入する契約を結んでいたユーザー。この場合は、前期のように新車の生産が止まっているため、現在所有しているクルマの車検は切れてしまうが、新しいクルマが納車されないことになってしまう。すでに完検証(完成検査終了証)が発行されていれば、新車登録ができて新車を手に入れられるが、ストップした生産ラインの中や、それ以前にあれば生産再開以降でないと新車が手元に来ないことになる。そして、新車が手元に来ないまま、今乗っているクルマの車検が切れてしまう。

 ダイハツではそうしたユーザーに対しては、代車などの手配などで対応。個別のコミュニティで対応しているという。トヨタでは、同クラスの車種があればそちらへの振り替えも案内しているとし、いずれにしろユーザー個々への個別対応が基本になっている。

 ダイハツの11月の国内生産台数は約8万4000台。生産ストップする期間が長引けば長引くほど、問題は大きくなっていく。ダイハツは、認証不正問題を正しいルールに一刻も早く載せ、ドアロック解除問題を解決し、ユーザーの不安を払拭していく必要がある。とくに年末年始は休みも絡むため、より丁寧なコミュニケーションが求められている。