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デンソー、「V2H-充放電器」次期モデル受注開始 パワーユニットとプラグホルダのセパレート化や約63%小型軽量化も
2024年1月18日 14:37
- 2024年1月18日 発表
デンソーは1月18日、BEV(バッテリ電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)向けの双方向給電装置「V2H(Vehicle to Home)-充放電器」の次期モデルについて、デンソーソリューションを通じて、2024年3月中旬より受注開始すると発表した。
次期モデルの主な改良点としては、セパレート化と小型軽量化が図られ、パワーユニットとプラグホルダをセパレート化することで設置の自由度と使い勝手を向上。前モデルでは重さが約91kgあったが、次期モデルでは約63%の軽量化を実現し、約34kgとした。これにより、車両周辺への据置きに加えて外壁への設置も可能になり、住宅に合わせて取り付け方を選択できるようになった。
また、停電時の運転切り替えが自動化された。停電発生時にはV2H-充放電器を用いることでBEVやPHEVを非常用電源として活用でき、前モデルではBEVやPHEVに貯めた電力で停電中の自宅内の電化製品を使うためには、V2H-充放電器側と車両側の双方において手動での切り替え操作が必要だったが、新製品では自動で設定が切り替わるように改良し、いち早く日常生活を取り戻せるようにした。
さらに充放電性能が効率化された。V2H-充放電器は家庭の交流電流を直流電流に変換して車両へ充電し、車両の直流電流を交流電流に変換して家庭へ放電を行なう電気機器で、この変換時に発生する損失を次期モデルでは低減することに成功。出力電力が比較的少ない軽負荷時において、充放電性能の効率を約10%向上したことによって、より無駄なく電気エネルギーを使えるようにした。
デンソーでは2010年から経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一環としてV2H-充放電器の開発に取り組んでおり、2019年には同社初のV2H-充放電器を発売。今回発売する次期モデルは、前モデルよりも設置の自由度や使い勝手、性能を向上させた。
【お詫びと訂正】記事初出時のキャプションの説明に誤りがありました、お詫びして訂正させていただきます。