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ヒョンデ、ハイパフォーマンスEV「アイオニック 5 N」発表会 趙社長「ハイパワーだけではないハイパフォーマンスEV」

2024年6月5日 実施

6月5日にハイパフォーマンスEV「アイオニック 5 N」が発売された

 ヒョンデは6月5日、ハイパフォーマンスEV「アイオニック 5 N」を発売した。価格は858万円。

 アイオニック 5 Nは、ヒョンデ初のハイパフォーマンスEV(電気自動車)で、「Corner Rascal(コーナリング性能)」「Racetrack Capability(サーキットを本気で走れる能力)」「Everyday Sportscar(日常もドライビングを愉しむ)」の3つの柱を特徴としたモデル。高性能四輪駆動システムをベースに、84.0kWhの高出力バッテリと、ハイパフォーマンスEVのために開発された熱管理システムなどさまざまな技術が盛り込まれ、システム合計の最高出力は448kW(609PS)、最大トルクは740Nmを発生。10秒間だけブーストを行なえる「N Grin Boost」使用時には、システム合計最高出力は478kW(650PS)、最大トルクは770Nmにアップする。

Nブランドの3つの柱

 さらに、ヒョンデがこれまで数々のモータースポーツ競技に参加して培ってきた経験と、「N」の高性能車両のテクノロジーを組み合わせ、ハイパフォーマンスモデル用のサスペンションやブレーキングシステムなどを開発するとともに、EVに必要な熱管理、回生ブレーキなどの電動化技術も磨いてきたとしている。

アイオニック 5 NとHyundai Mobility Japan株式会社 代表取締役 CEO 趙源祥氏
アイオニック 5 Nの外観
アイオニック 5 Nの内装
シフトはステアリングの奥にある
センターディスプレイはナビゲーションに加えて車両設定も可能
プロトタイプの競技車両も展示されていた。ロールゲージ付きで、シートは4座ともバケットタイプ

モータースポーツの血筋を持つ本当の意味でのハイパフォーマンスEV

 6月5日にHyundai Customer Experience Center 横浜で行なわれた発表会では、Hyundai Mobility Japan 代表取締役 CEOの趙源祥氏があいさつ。「われわれは2022年、23年と世界第3位になるまで成長してきました。そんな自動車会社だからこそお届けできる、モーターがもたらすハイパワーだけではない、本当の意味でのハイパフォーマンスEVとは何なのか。アイオニック 5 Nはその答えの1つだと思います」と、アイオニック 5 Nについて語った。

Hyundai Mobility Japan株式会社 代表取締役 CEO 趙源祥氏

 続けて、N ブランド事業戦略チーム パク・ジェイソン氏が登壇。「Nというのは、ヒョンデのテクノロジーの真骨頂です。ヒョンデのパイオニアとしてのスピリットを受け継ぎ、高いパフォーマンスで前進しています。そして、最も先進的な技術を生み、育てることで、最もエモーショナルなハイパフォーマンスをお客さまに提供します。Nモデルは、モータースポーツの技術とヒョンデのラインアップの最先端を表現するものです」と、Nブランドについて説明。10年以上前から世界ラリー選手権に出場し、2019年と2020年にはWRCのマニュファクチャラータイトルを獲得するなど、モータースポーツでの活躍を紹介した。

N ブランド事業戦略チーム パク・ジェイソン氏
ヒョンデのラインアップを表わすNピラミッド
ヒョンデはモータースポーツのDNAを持っているという

 Hyundai Mobility Japan シニアプロダクトスペシャリスト 佐藤健氏はアイオニック 5 Nについて説明。エクステリアは「ストロング」「アグレッシブ」をキーワードに、止まっていてもダイナミックな力強い走りを想起させるデザインを採用。ヒョンデEVの共通デザインテーマであるピクセルデザインを各所にあしらい、アグレッシブながらも繊細さを併せ持つアイオニック 5 Nの多様性を表現した。

株式会社Hyundai Mobility Japan シニアプロダクトスペシャリスト 佐藤健氏

 インテリアは“走りたい”という高ぶりを感じられるデザインとし、ハイパフォーマンスEVとして乗員を支えるシートは専用のバケットシートを用意。一方で、Everyday Sportscarとして日常の快適性もおろそかにせず、シートヒーターとベンチレーションも装備された。

ステアリングのスイッチ類の説明。「N Grin Boost」のボタンは、「押すと思わずにやっとしてしまう」ということから名付けられたというと

 操る楽しさを実現するうえで、強固なボディとシャシーが大切であると考え、アイオニック 5 Nではホワイトボディから徹底的に鍛え直し、スポット溶接を42か所増やしたり、ボディ接着面を2.1m延長したりすることで、車体のねじれ剛性を約11%向上。サブフレーム接合部の強化で、前輪の横方向は約15%、後輪の横方向は約16%、剛性が高められているとした。

剛性が高められたNパフォーマンスボディ&シャシー

 なお、日本のエンスージアストに向けて2023年からテスト車両を日本に持ち込み、富士スピードウェイや筑波サーキットでの走行を重ねるとともに、つなぎ目の多い首都高速や、高低差の大きい箱根ターンパイク、極寒の冬の北海道といったところへ車両を実際に持ち込み、日常での使いやすさも徹底的に検証をしてきたとのこと。加えて、自動駐車機能は駐車枠の白線を検知するタイプに進化したほか、Apple CarplayとAndroid Autoのワイヤレス接続に対応するなど、使いやすさを向上させている。

 また、発表会では趙社長が「Nパフォーマンスパーツ」の2024年秋ごろの導入を予告。販売を請け負うオートバックスセブン 代表取締役 社長 堀井勇吾氏は「アイオニック 5 Nの日本導入に合わせ、EVのチューニング文化をともに活性化させる目的のために、協業を進めてまいります」と述べ、A PITオートバックス京都四条でNブランドの世界観を体感できる「N Space京都四条」を設置すると紹介した。

株式会社オートバックスセブン 代表取締役 社長 堀井勇吾氏

 さらに、オートバックスセブンの今までのノウハウを集約させ、高性能EVをよりハイパフォーマンスで楽しむことを目的としたオリジナルのチューニングパーツ開発も行なうと表明。開発には、ドリフトキングこと土屋圭市氏が監修を務めていると明かした。このオリジナルチューニングパーツは、2025年1月の東京オートサロンでプロトタイプを公開する予定とし、販売時期は決まり次第アナウンスするとした。

サスペンションやブレーキなど、土屋圭市氏の監修によるオリジナルチューニングパーツを開発中。2025年の東京オートサロンでプロトタイプを公開するとした