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アウディ、高性能SUV「RS Q8」改良 パフォーマンスモデルは最高出力640PS、最大トルク850Nmを発生

2024年6月25日(現地時間) 発表

アウディは高性能SUVモデル「RS Q8」「RS Q8パフォーマンス」の改良を実施した

 アウディは6月25日(現地時間)、Audi Sport GmbHが手掛ける高性能SUVモデル「RS Q8」と「RS Q8 パフォーマンス(performance)」の改良モデルを発表した。

 デザインでは、フロントバンパーにより際立ったエアインテークやハイグロスブラックのブレード(RS Q8パフォーマンスはマットグレー)を設け、大型フロントグリルは立体的な新デザインのハニカム構造を採用。また、RSモデルで初となる楕円形テールパイプ取り入れたほか、リアバンパーセンター部にはディフューザーを配置する。

 ボディカラーは、「サヒールゴールド」「アスカリブルー」「チリレッド」の3つのメタリックオプションを含む、多様な新カラーを用意。RS Q8のドアミラー、フロントスポイラーエレメント、ウィンドウとリアディフューザーのトリムはすべてブラックだが、RS Q8パフォーマンスはマットグレーで、その他の装備はすべてハイグロスブラック仕上げ。また、RS Q8パフォーマンス用追加パッケージを選択すると、すべてマットカーボンまたはハイグロスブラック仕上げとなる。

RS Q8パフォーマンス

 新型RS Q8はマトリクスLEDヘッドライトを標準装備するが、“Audiレーザーライト”を追加した「HDマトリクスLEDヘッドライト」もオプションで用意。Audiレーザーライトは、通常のハイビームよりもはるかに広範囲を照射できるほか、表示形態を室内のMMI(マルチメディアインターフェイス)から、RS Q8専用のチェッカーフラッグデザインなど5種類のシグネチャーから点灯パターンを選択できる。また、OLEDテールランプを初採用したほか、アシスタンスシステムと連動した近接表示機能により安全性も高められた。

オプションの“Audiレーザーライト”を追加した「HDマトリクスLEDヘッドライト」

 両モデルともに22インチの10スポークアルミホイール(タイヤサイズ295/40)を標準となるが、オプションで23インチの6-Yスポークデザインアルミホイール(タイヤサイズ295/35)も選択可能。カラーは、メタリックブラック、マットネオジムゴールド、バーニッシュドシルクマットグレー、バーニッシュドメタリックブラックから選択できる。

 また、フロントに10ピストンブレーキキャリパーシステムを採用する「RSブレーキシステム」は、フロント440mm、リア370mmのベンチレーテッドブレーキディスクを備え、キャリパーはレッドまたはブルーが選べ、「RS」のロゴも入る。RS Q8はオプション、RS Q8パフォーマンスは標準装備となる。

 さらにRS Q8パフォーマンス専用オプションとして、鍛造および切削加工された23インチアルミホイールを設定。モータースポーツにインスパイアされた5-Yスポークデザインは、最適なブレーキ冷却性能を確保するほか、標準の22インチホイールと比較して、1つあたり約5kgのバネ下重量を減少させ、合計約20kgの軽量化に貢献するという。

RS Q8パフォーマンス専用オプションとなる5-Yスポークデザインの23インチ鍛造ホイール

 パワートレーンは、最高出力441kW(600PS)、最大トルク800Nm/2200~4500rpmを発生するV型8気筒4.0リッター直噴ツインターボエンジンを搭載し、RS Q8は0-100km/h加速3.8秒を誇る。一方、RS Q8パフォーマンスは、新開発の軽量エキゾーストシステムによって魅力的なサウンドを奏でつつ、最高出力471kW(640PS)、最大トルク850Nmを発生。0-100km/h加速は3.6秒をマーク。いずれも最高速は標準で250km/hだが、オプションで280km/hから最大305km/hまで引き上げが可能。また、オプションには光沢のある黒いテールパイプが特徴の「RSスポーツエキゾーストシステム」もあり、換装するとさらに強烈なサウンドを発生するという。

 駆動系は、標準装備としてフルタイムquattro四輪駆動システムを8速ティプトロニックと組み合わせ、機械式センターディファレンシャルにより、エンジンパワーを前後40:60の比率で分配。スリップした場合は駆動トルクの70%までを前輪に、85%までを後輪に伝えることも可能としている。

RS Q8

 また、RS専用にチューニングされた「アダプティブエアサスペンションスポーツ」を標準装備とし、車高を最大90mm調整できるほか、オプションの「電動アクティブロールスタビライゼーション(eAWS)」は、2つに分かれたスタビライザーの間にコンパクトな電動モーターを配置して両軸に接続。直進時は2つのスタビライザーが分かれ凸凹した道での車体の動きを減少させ、コーナリング時は電動モーターがスタビライザーを互いに逆方向に回転させることで、ボディ横方向の傾きを最小限に抑えるという。

 さらに、オプションの「ダイナミックパッケージプラス」を選択すると、電動アクティブロールスタビライゼーション、quattroスポーツディファレンシャル、RSセラミックブレーキシステム(RS Q8パフォーマンスは標準装備)が追加装備されるほか、最高速度が305km/hに引き上げられる。

RS Q8(左手前)とRS Q8パフォーマンス(右奥)

 インテリアは、レッドとグレーがあり、RS Q8パフォーマンスはブルーのRSデザインパッケージを専用設定。センターコンソールのブレード、フロアマット、ステアリングホイール、シートベルトのエッジには、レッドまたはグレーのコントラストステッチが施され、RSデザインパッケージでは、シートベルト全体の色がオーシャンブルーとなる。ステアリングホイールはアルカンターラで、セレクターレバーノブとセンターコンソールのブレードの側面は、リサイクルPET繊維を使ったダイナミカマイクロファイバーを採用している。

 また、ハニカムステッチが施されたパーフォレーテッドスポーツシートにも、コントラストステッチが施されるほか、内装色はシルバーのライナーエンボス加工が施されたマットブラッシュドアルミニウム、アルミニウムレースアンスラサイト、マットカーボンツイル、グレーオークから選べる。RS Q8パフォーマンス専用のオプションとして、ダイアゴナルブラッシュドブラックアルミニウムも用意される。

RS Q8のインテリア

 なお、新しくなったRS Q8パフォーマンスは、レーシングドライバー兼 開発ドライバーのフランク・スティップラー選手のドライブで、全長20.832kmのニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)を7分36秒698で完走。これはSUVクラスの最速記録よりも2秒以上速く、アップグレード前のRS Q8よりも約6秒速いタイムという。

 Audi Sport GmbHマネージングディレクターのロルフ・ミヒェル氏は、「RS Q8パフォーマンスのノルドシュライフェでの新記録は、V8エンジンとサスペンションコンポーネントの完璧な組み合わせとともに、Audi Sport GmbHチームの絶対的なパフォーマンスに対する情熱によるものです。さらに、日常において最上級の使い勝手も提供します」と述べている。