ニュース

トヨタ 豊田章男会長、ラリー三河湾でデモラン 「モリゾウ開幕」「運転していると元気をもらえる」と語る

2日目のデモランを終えた直後のトヨタ自動車株式会社 代表取締役会長 豊田章男氏(右)。同じくデモランを終えたばかりのWRCドライバー 勝田貴元選手(左)とともに

全日本ラリー開幕戦、ラリー三河湾で「GRカローラ ラリーコンセプト」がデモラン

 全日本ラリー開幕戦にあたるラリー三河湾が、2月28日~3月2日の3日間にわたって開催された。そのラリー三河湾において、特別なプログラムとして予定されていたのが、先日WRC(世界ラリー選手権)第2戦ラリースウェーデンで2位表彰台を獲得した勝田貴元選手のデモランになる。

 多くの人が世界トップレベルで戦う勝田選手の「GRヤリス ラリー1」によるデモランを見に来ていたが、そのデモランでさらなるプレゼントとして披露されたのが、2025年の東京オートサロンで世界初披露された「GRカローラ ラリーコンセプト」のデモランだった。

ロールケージを装備するGRカローラ ラリーコンセプトにさらりと乗り込むモリゾウ選手こと豊田章男会長。GRカローラ ラリーコンセプトは、東京オートサロン2025以来の披露となる

 このデモランを担当したのが、モリゾウ選手ことトヨタ自動車の豊田章男会長。モリゾウ選手として登場したのは、2025年初となる。

 東京オートサロン2025でのデモランはモリゾウ選手が行なうことが予想されていたが、年明けすぐからラスベガスのCESでウーブンシティの発表を豊田章男として行なった直後とあってか体調不良で欠席。

 その後も、豊田章男会長として、ウーブンシティの開所式、音楽業界への支援の発表、そしてデモラン直前には豊田市で中村寿一氏・豊田喜一郎顕彰会「献花式」で豊田家代表として出席するなどトヨタグループ代表としての激務に追われ、なかなかモリゾウ選手としての姿を見かけることはなかった。

 そのモリゾウ選手が、地元で年明け初のデモランをするとあって会場は大盛り上がり。モリゾウ選手も3月1日、2日の2日間にわたって勝田選手とダブルでデモランを行なうなど、集まった観客に応えていた。

 2日間のデモランが終わった後、モリゾウ選手として年明け初めて走ることができた気持ちを聞いてみた。

「モリゾウ開幕、開幕と自分は感じてます」と豊田章男会長

──2025年は、年明けからラスベガスのCESでウーブンシティの発表をしたり、つい先日は音楽業界への支援を発表したり、忙しい日が続いていました。一方、CES直後の東京オートサロンでは毎年楽しみにしていたイベント参加を体調不良で欠席されました。シーズン初のデモランをラリー三河湾で行なうことができ、どのようなことを今感じていますか?

豊田章男会長:やっぱりね、毎年毎年いろいろなクルマの開発、そしてモリゾウの技能向上をやってきたのですが、やっぱりね、この年に勝てなくてね(笑)。結構ね、結構このオフシーズンは苦労しているんですよ。苦労している。で、やっと、やっと走れたって感じです。

 私のルーティーンは、まずは同じクルマで、同じ道である雪の上を走って、今年の自分はどうであろかというところから始めるんです。

 その評価をするにしても何にしても、自分のセンサーが去年に比べてどうだろうかというところを見ることから。

──なるほど、マスタードライバーとしてのセンサーを確認するところから始めるんですね。

豊田章男会長:そう。ところが今年、その工程ができていないんですよ。体、動かなくて。

──取材で見ていますが、年明けのCESから準備も含めると働き過ぎの感はあります。

豊田章男会長:正月からねえ。それでやっとのこと、やっとのこと動いて、こうやって走れたじゃないですか。だから、まだまだ準備は不完全ですけど、少なくともモリゾウ開幕、開幕と自分は感じてますから。

 やっぱり運転が好きだなというモリゾウね。運転していると元気をもらえるし、自分自身が元気になるなっていうのを改めて感じたこの蒲郡の2日間だったなと。

「運転していると元気をもらえる」

デモラン初日の3月1日午前、中村寿一氏・豊田喜一郎顕彰会「献花式」において豊田家代表としてあいさつする豊田章男氏
3月1日午後にはモリゾウ選手として、2025年シーズン初のデモランに挑む

「運転していると元気をもらえる」と語る豊田章男会長だが、今後は会長業務に加え、分かっているだけでも東京オートサロン2025で発表されたニュルブルクリンク24時間への参戦、ミッドシップ4WDである「GRヤリスMコンセプト」の熟成参戦といったモリゾウ選手としての仕事も控えている。

 常に「自分以外の誰かのために」という思いで働き続け、走り続けている豊田章男氏。自身の言葉で「運転していると元気をもらえるし、自分自身が元気になる」と語るように、クルマの運転から得たパワーで、モリゾウ選手としての活躍、豊田章男会長としての活躍を今シーズンも期待したい。

デモラン後には、勝田貴元選手とミニトークショーを実施