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ラリーチャレンジ開幕戦沖縄、海と山を舞台にやんばるの地である名護市と本部町で実施
2025年3月17日 06:37
やんばるの地で開催されたTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ
TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ(以下、ラリチャレ)の開幕戦となる第1戦沖縄が3月15日~16日の2日間にわたって、沖縄県名護市や本部町を舞台に開催された。アマチュア向けラリーイベントとして知られているラリチャレだが、2025年シーズンは全11戦に加え、特別戦となる豊田市や地区戦を開催。地元の理解が必要となるラリーというモータースポーツの裾野を、開催地を増やしつつ、年々広げている。
2024年に初開催となった沖縄ラウンドだが、2025年は舞台を沖縄本島北寄りの“やんばる”と呼ばれるエリアに移して開催。初回は、サーキットを活かす形での開催であったが、2回目は海沿いの道を使用したリエゾン、やんばるの山道を活用するコース設定となった。
2025年の参加台数は30台(不出走は1台)、うち13台は地元からの参加になる。2024年に初めて沖縄戦が開催されたが、沖縄でラリーイベントが開催されたことで地元に知られるようになり、参加台数が倍増したという。
名護市市長 渡具知武豊氏、本部町町長 平良武康氏がコメント
やんばる地域におけるラリーのセレモニアルスタート後、ラリー開催の拠点となる名護市市民会館において、名護市市長 渡具知武豊氏、本部町町長 平良武康氏、沖縄トヨタ グループ戦略本部 本部長 常務執行役員 根間政幸氏、TOYOTA GAZOO Racing プレジデント 高橋智也氏の囲み取材が行なわれた。
本部町の平良町長は、「やはり、やんばるの名護市、本部町でラリーが開かれていることは本当にうれしく思っている。とくに今は(3月は)やんばるの山々は新緑の季節で生命の息吹が感じられる素晴らしいシーズンになっている。山の緑、生命にあふれる新緑を楽しみながら、やんばるのシークワーサーですとかアセロラですとか、特産品を食べていただきながら。引き続きずっとやんばるの道でラリーができるよう、ラリーツーリズムを推進していきたい」と、ラリー開催が観光への力にもなるという。
スタート地点となった名護市の渡具知市長は、「やんばるの地、そして名護の海岸からラリーがスタートする、風光明媚な地域からラリーがスタートするというのは大変重いものがあると思っています」と、スタート地点やラリーのHQ(ヘッドクォーター、大会本部)が置かれたことを名誉だと語る。その上で、今回の第1戦沖縄は海が見えるリエゾンが多く、そのような場所を提供できるのが、本部町・名護市開催のよさだと教えてくれた。
ラリー開催を後援する沖縄トヨタの根間常務執行役員は、「海と景色を楽しみながらラリーを楽しんでほしい」と語り、ラリーが根付き始めていることに手応えを感じている様子。沖縄トヨタでは社長の野原朝昌氏がドライバーとしてラリチャレに参加しており、社を挙げてこのラリーに取り組んでいる様子がうかがえた。
TOYOTA GAZOO Racing 高橋プレジデントは、「ラリーはサーキットと違って、みなさんが生活で使う公道の競技になります。そういった意味でみなさんから見やすい競技だと思うので、いろいろ沿道とかで見ていただいたり、ドライバーが走っているのをみんなで手を振ってくれるとドライバーはものすごくモチベーションが上がります。地域のみなさんと私たちと一緒に盛り上げていきたいと思います。今後も長くやっていきますので、よろしくお願いします」と語り、沖縄でのラリチャレの開催に手応えを感じているのが伝わってきた。高橋プレジデントは、沖縄でのラリチャレの開催はできるだけ続けていきたいという。
ラリー開催日となる3月16日の天気は、曇りときどき雨といった模様で沖縄らしい強い雨もときおり降る状況。気温も前日より冷え込む状況で、やや肌寒く“輝く青い海”といった状況にはならなかったが、アマチュアラリーらしく多くの人がラリーというイベントを楽しんでいた。
とくに、本部町長、名護市長のラリーに対する積極的なコメントが印象的。沖縄のこの季節は卒業旅行やインバウンドなど観光客も多い時期ではあるが、沖縄北部へ多くの観光客が押し寄せる状況ではない。3月中旬というこの時期は、2月からスタートするキャンプ地巡りというツーリズムイベントの後、3月下旬から始まる海開きの前にあたり、観光需要の狭間でもある。ラリチャレには、そのような時期に行なわれるイベントという意味でも期待が寄せられていた。