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メルセデス・ベンツ、18年ぶりにSクラスの名を冠した新型クーペ「Sクラス クーペ」発表会

新しいデザイン哲学「モダンラグジュアリー」についてダイムラーのデザイン担当者が解説

発表会に出席した上野金太郎社長兼最高執行経営役員(CEO、左)と、ダイムラー 乗用車エクステリアデザイン統括 ロバート・レズニック氏(右)
2014年10月10日開催

 メルセデス・ベンツ日本は10月10日、同日受注を開始した新型「Sクラス クーペ」「CLS(クーペ/シューティングブレーク)」の発表会を、東京 六本木の同社ショールーム「メルセデス・ベンツ コネクション」で開催。発表会には上野金太郎社長兼最高執行経営役員(CEO)とともに、ダイムラー 乗用車エクステリアデザイン統括 ロバート・レズニック氏が登壇して両モデルの魅力を語った。

「CL クラス」に代わるメルセデス・ベンツのフラグシップクーペとして、Sクラスの名を冠した新型「Sクラス クーペ」を発売

 Sクラス クーペは、「CL クラス」に代わるメルセデス・ベンツのフラグシップクーペとしてSクラスの名を18年ぶりに復活させて登場。V型8気筒 4.7リッター直噴ツインターボの「S 550 4MATIC クーペ」(1690万円)、V型8気筒 5.5リッター直噴ツインターボの「S 63 AMG 4MATIC クーペ」(2400万円)、V型12気筒 6.0リッターツインターボの「S 65 AMG クーペ」(3120万円)を展開する。

 エクステリアデザインはロングノーズ&ショートデッキ、なめらかなルーフライン、フレームレスウインドーを特徴とし、ボンネットのパワードーム、サイドのドロッピングライン、強調されたホイールアーチと大径ホイールなどによって“究極のクーペフォルム”を実現したとする。

V型8気筒 5.5リッター直噴ツインターボエンジンを搭載する「S 63 AMG 4MATIC クーペ」(ボディーカラーはエメラルドグリーン)。最高出力は430kW(585PS)/5500rpm、最大トルクは900Nm(91.8kgm)/2250-3750rpmを発生

 ロングホイールベースモデルが主体となるSクラス セダンと比べ、ボディーサイズはSクラス セダン(S 550 long)が5250×1900×1495mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース3165mmなのに対し、Sクラス クーペ(S 550 4MATIC クーペ)は5027×1899×1411mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2945mm(Sクラス クーペは欧州参考値)と、約20mm短く、約85mm低いサイズとなる。ホイールベースもS 550 long比で220mm、ショートホイールベースの「S 400 HYBRID」比でも90mm短くなっている。

 エクステリアでのハイライトは、片側47個のスワロフスキークリスタルを組み込んだ専用LEDハイパフォーマンスヘッドライトで、30個の丸みを持つ円柱状のクリスタルをウインカー用として、17個のカットクリスタルをポジショニングライト用として配置。同ヘッドライトは「S 63 AMG 4MATIC クーペ」「S 65 AMG クーペ」に標準装備、「S 550 4MATIC クーペ」にパッケージオプションとして用意される。

片側47個のスワロフスキークリスタルを組み込んだ専用LEDハイパフォーマンスヘッドライト

 加えて機能面においては、フロントガラス上部にあるステレオマルチパーパスカメラで最大15m前方の路面の凹凸を検知し、車高とダンピングを瞬時にコントロールして常にフラットな姿勢を維持する「マジックボディコントロール」をSクラス セダンから受け継ぐが、Sクラス クーペ(S 65 AMG クーペ)ではコーナリング時に車両をコーナー内側に傾けて爽快なコーナリングを実現する「ダイナミックカーブ機能」を新搭載。同機能は約30km/h~180km/hの範囲内で走行する場合に使用可能となっている。

 インテリアでは最高品質のレザーやウッド素材が使われるとともに、フロントシートには14個のエアクッションを内蔵し、温熱効果で心地よさとリラクゼーションを高めるホットストーン式マッサージ機能を含めた6種類のマッサージプログラムを備えた。さらにダッシュボード下部から前席/後席ドアトリム、センターコンソールにかけての間接照明が空間を演出する「アンビエントライト」を装備するなど、ラグジュアリーさを存分に体感できる仕様となっている。

「S 63 AMG 4MATIC クーペ」のインテリア

異なる両極端の要素をモデルラインアップの性格や役割に応じて融合

Sクラス クーペのデザインについて解説を行ったロバート・レズニック氏

 発表会で登壇したダイムラー 乗用車エクステリアデザイン統括 ロバート・レズニック氏は、Sクラス クーペのデザインについて解説を行った。今回のSクラス クーペでは、メルセデスの新しいデザイン哲学「モダンラグジュアリー」に則って内外装のデザインが施された。

 レズニック氏は「情熱と知性、」「ラグジュアリーとモダン」「官能(センシャル)と純粋(ピュリティ)」といった異なる両極端の要素を、それぞれのモデルラインアップの性格や役割に応じて融合させたものが哲学の基礎になっていると説明。「他の自動車メーカーでシャープなデザインを与えたエッジな製品もあるが、私たちはもっと表面がなめらかで角張ったものとの中間を狙っている」として、Sクラス クーペでは彫刻的でシャープな輪郭となめらかな面構成でスポーティさやダイナミックさを表現していることが紹介された。

 また、専用LEDハイパフォーマンスヘッドライトについては「人間の目と同じように、ヘッドライトはクルマの目を表す。(Sクラス クーペのヘッドライトは)大変自信を持っているがアグレッシブではない。他社はアグレッシブさだけを求めるが、我々はそうではない。スポーティでありながらスタイリッシュだ」と語るとともに、Sクラス セダンではライセンスプレートの位置が両側のテールランプの間に配置されていたところ、リアバンパーに移動したことに触れ、「我々は2週間前にメルセデス・ベンツ AMG GTを発表したが、同じような位置に配置している。今後スポーティなモデルはこのようになっていく」と解説を行った。

発表会会場ではSクラス クーペと同じく10月10日にフェイスリフトした新型「CLS クラス」も展示。写真はV型8気筒 4.7リッター直噴ツインターボエンジンに新開発の9速AT「9G-TRONIC」を組み合わせた「CLS 550」(1224万円)。最高出力は300kW(408PS)/5000-5750rpm、最大トルクは600Nm(61.2kgm)/1600-4750rpm
こちらは「CLS 63 AMG S 4MATIC シューティングブレーク」(1880万8000円)。V型8気筒 5.5リッター直噴ツインターボエンジンに7速AT「7G-TRONIC」の組み合わせで、最高出力430kW(585PS)/5500rpm、最大トルク800Nm(81.6kgm)/1750-5000rpmを発生する
新型CLSではハイビーム状態の配光をコントロールして対向車などを眩惑しない「マルチビームLEDヘッドライト」を全車標準装備。フロントガラス内側のステレオマルチパーパスカメラと4つのコントロールユニットを用い、前方の交通状況を1秒間に約100回検知、片側24個の独立したLEDを瞬時に個別にコントロールして対向車などを眩惑しない範囲で照射範囲を最大化する

(編集部:小林 隆)