ニュース
開幕直前! 「デミオディーゼル」が走ったスーパー耐久の公式テスト
スバル「WRX」やレクサス「RC350」が参戦予定。開幕戦はツインリンクもてぎで3月28日~29日開催
(2015/3/4 13:30)
- 2015年3月1日開催
- ツインリンクもてぎ
3月1日、ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)にて今シーズンの開幕戦に向けたスーパー耐久シリーズ(以下「S耐」)の公式テストが行われ、年間エントリー50台(2月20日現在の暫定台数)中31台にスポット参戦の2台を加えた計33台が、ファンの見守るなかテスト走行した。入場料は大人1000円(子ども・幼児無料)、4輪駐車料金1000円となっていたが、3月28日~29日に行われる開幕戦の前売り観戦券、もしくはツインリンクもてぎ公式Webサイトに用意されている無料クーポンの持参で入場料、駐車場ともに無料となった。
当日、開幕を1カ月後に控えたスーパー耐久マシンのテスト走行の観戦は、通常の観客席はもちろんパドックも無料開放され、普段のレースでは入場できないピットボックス屋上でも見学可能だった。また、午後のテスト走行前にはピットロードも開放され誰でも入場できるようになっていた。なお、開幕戦の前売り観戦券(グランドスタンド)持参であれば、グランドスタンド最上階のVIPスイートも終日利用できた。
そのほか、普段のレースでは決して入ることができないレースの管制室などを見学できるガイドツアーや、さまざまなイベントも開催された。
S耐公式テスト ピットツアー
当日公式テストに参加したチームのピット内を見学するツアー。まだカラーリングもされていない最新のマシンや、開幕戦に向けテストを重ねるクルーの姿などをピット内で肌で感じることができた。
ツインリンクもてぎの新アトラクション「モトレーサー」デモ走行
3月21日よりツインリンクもてぎのモビパークに登場する新しい参加型アトラクション「モトレーサー」のデモンストレーション走行が行われた。当日は雨天であったため予定のコースからファンファンラボ内の特設コースに会場が移され行われた。
そのほか、ピットレーン開放中にはマーシャルカーも展示され、運転席に乗り込むことも可能だった。また、中央エントランスにあるモビプラザではモータースポーツグッズのアウトレットセールが実施されていて、SUPER GTやF1、モトGPなどのグッズが大幅値下げされていた。なお、このアウトレットセールは4月5日まで実施されているので、月末に行われるS耐の開幕戦でも催されている。
最新マシンやさまざまなジャンルのドライバーが集結した2015年のスーパー耐久シリーズ
すでに50台の年間エントリーが決まっている今年のS耐。FIA-GT3車両によって争われるST-Xクラスから、排気量1500cc以下の車両のST-5クラスまでの6クラスによって行われ、今年は新型のスバル「WRX」やレクサス「RC350」(どちらも公式テストには不参加)、そしてマツダ「デミオ」のディーゼルターボが特認車両としてST-5クラスに参戦するのも注目だ。なお、今年はST-1のエントリーはない。
また、ドライバーの顔ぶれもSUPER GTに参戦しているドライバー同士の争いや、全日本ジムカーナで6年連続チヤンピオンを獲得しているドライバーのシリーズエントリーなど見どころは多い。
テスト当日は、年間エントリーしている31台とスポット参戦が予定されている2台の計33台が走行を行った。
デミオディーゼル登場
最小排気量のST-5クラスには、マツダ「デミオディーゼルターボ(DJ5FS)」がシリーズエントリーする。サーキット走行できる最低限の装備の状態でのテスト走行であったがヘビーウエットコンディションの中、精力的に周回数を重ねた。
昨シーズン、ガソリンのデミオでシリーズ3位を獲得した野上達也選手によると、まだデフも入っておらずエアコンも装着状態のため、重いディーゼル車両では昨年のガソリンモデルにその速さはとても及ばないが、その感触は3年前にトヨタ「ヴィッツ」やホンダ「フィット」にデミオ(ガソリン車)で挑んだ時の感じに近いという。
つまり熟成に時間がかかりそうな半面、それが進めば十分に戦えそうな感触があるとのことだ。一般道において、低回転から大きなトルクを発生し比較的広域でそれを維持するイメージが強いディーゼルエンジンは耐久レースでも有利な面がありそうだが、現段階ではまだまだほかのマシンと互角に戦うための課題は多いらしい。開幕までにレーシングカーとしての基本的な部分を仕上げ、レース毎に熟成を重ねて9月に行われる第5戦(岡山国際サーキット)あたりでST-5クラス最強のフィット3 RSと戦えるマシンにまで仕上げたいとのことだ。
なお、このデミオディーゼルターボのほか、スバルWRXやレクサスRC350(RC-Fではない)がエントリーしているが、今回のテストに姿を現さなかったのは残念だった。
豪華なドライバーラインナップ
参戦車種の多さも魅力の1つとなっているS耐だが、ドライバーラインアップも片岡達也選手や峰尾恭輔選手らSUPER GT GT300チャンピオン経験者から自動車チューナー、カーショップ代表、はたまたチューニング雑誌編集者など幅広い。
中でもSARD Racingからシリーズエントリーしている柴田優作選手は、全日本ジムカーナで6年連続チャンピオンを獲得している知る人ぞ知るドライバーだ。ジムカーナといえば15回もの全日本チャンピオンに輝き、SUPER GTでもお馴染みの山野哲也選手が有名だが、その絶対王者である山野選手に競り勝ち2009年に初チャンピオンを獲得してから、途中クラス変更はあったものの昨シーズンまで6年連続王者であり続けた柴田選手が今年からレースの世界に挑戦する。
また、かつてスーパー耐久シリーズに旋風を巻き起こした中谷明彦・木下隆之コンビの駆るオーリンズランサーを指揮した名将・山田基裕監督が、今年からシンリョウレーシングチームで再び2台のランエボの指揮を執る。
テスト当日はあいにくのウエットコンディションとなってしまったが、無料開放部分が多く観戦の自由度が高く、また多くのアトラクションが用意され、本番とは違う雰囲気でマシンの走行が楽しめる公式テストであった。