ニュース

トヨタ、新型「RAV4」発表会 6代目は冒険の可能性を広げる「CORE」「ADVENTURE」「GR SPORT」3つのスタイルで登場

2025年5月21日 発表
新型「RAV4」のワールドプレミア。写真左からトヨタ自動車株式会社 取締役・執行役員 Chief Branding Officer デザイン領域統括部長のSimon Humphries(サイモン・ハンフリーズ)氏(左)とウーブン・バイ・トヨタ株式会社 代表取締役 Chief Executive Officerの隈部肇氏(右)

日本で2025年度内の発売予定の新型「RAV4」登場

 トヨタ自動車は5月21日、新型「RAV4」を世界初公開するワールドプレミアイベントを東京都内で開催。イベントには、同社取締役・執行役員 Chief Branding Officer デザイン領域統括部長のSimon Humphries(サイモン・ハンフリーズ)氏が登壇し、新型RAV4についてプレゼンテーションを実施した。

 RAV4はクロスオーバーSUVのパイオニアとして1994年に初代モデルが誕生。新型RAV4は6代目モデルとなり、2018年に発表された5代目モデルから7年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

1989年の東京モーターショーに出展したコンセプトカー「RAV-FOUR」
RAV4の歴代モデルについて紹介
冒険の可能性を広げる3つのスタイルで登場する新型「RAV4」

 ハンフリーズ氏によるプレゼンテーションでは、初代RAV4の誕生からこの30年間で累計販売台数は1500万台になったことが紹介され、「クロスオーバーSUVの先駆者として、RAV4はクルマの常識を変え、革新的なクルマ造りと楽しさを創り出したのです。初代RAV4は街乗りでありつつ、アウトドアも自由に楽しめました。小さめにも関わらず、広々としているので多目的に使え、独特な個性が有り、親しみやすかったのです。最初はニッチな商品でしたが、2代目、3代目が登場する頃には、世界中の人たちがRAV4を受け入れてくれたのです。オーストラリアからアフリカ、ブルガリアからボリビアまで… この30年間、RAV4はわれわれの想像以上の存在になっていったのです」と、RAV4の歴史を紹介した。

トヨタ自動車株式会社 取締役・執行役員 Chief Branding Officer デザイン領域統括部長のSimon Humphries(サイモン・ハンフリーズ)氏

 前作の5代目モデルについて、ハンフリーズ氏は「5代目の開発時は、RAV4の強みを活かし、日常の冒険心を満たせるものにすることを決断しました。“Everyday adventure” 日常の冒険、新しいTNGAプラットフォームがそれを可能にしてくれ、いつもラギッドになりつつ、日常的な使いやすさも両立できたのです。だからRAV4は、かつてないほど多くの人々に愛されました」と、180の国と地域で販売されるグローバルモデルになったことを紹介した。

RAV4 CORE(プロトタイプ)
RAV4 ADVENTURE(プロトタイプ)
RAV4 GR SPORT(プロトタイプ)

 6代目となる新型RAV4の開発コンセプトは「Life is an Adventure」を掲げ、「CORE」「ADVENTURE」「GR SPORT」といった3つのスタイルを用意。パワートレーンはPHEV(プラグインハイブリッド車)とHEV(ハイブリッド車)をラインアップ。PHEVには、トヨタ初搭載となる最新の第6世代ハイブリッドシステムをベースに、大容量の駆動用バッテリや高出力充電器対応を組み合わせた、新開発のプラグインハイブリッドシステムを採用している。

 新型RAV4について、ハンフリーズ氏は「6代目となる新型RAV4では、可能性をさらに広げようと思います。より自信に満ち、あらゆる用途に対応でき、より効率的かつ、もっとダイナミックに、さらに人や社会とますますつながっていく……さぁ皆さん、人生という冒険をもっと楽しんでください」と、冒険の可能性をさらに広げるクルマに仕上がったことを強調した。

RAV4 GR SPORT(プロトタイプ)

 新たにラインアップした「GR SPORT」については、走りの楽しさを機能とともに表現したモデルとし、モータースポーツの知見を活かし、機能美を追求したデザインや足まわりのチューニング、ボディの剛性を強化、市街地やハイウェイ、ワインディングなど様々な道で安心して操れ、走る楽しさを味わえるスポーティなモデルに仕上げたという。

 ハンフリーズ氏は「GRの使命は、サーキットで鍛えた技術を市販車に搭載することです。だからこそ、GR SPORTは、大幅に設計しなおしたのです。開発には7万時間を費やし、下山のテストコースで徹底的に性能を鍛え上げたのです。よりワイドに、より低く、同じRAV4とは思えないほどです。パフォーマンスダンパーや軽量ホイール、高い剛性を備えています。新しいPHEVシステムと組み合わせると、320馬力を発揮できるまでになりました。新グレード『GR SPORT』により、RAV4はお客さまの楽しみをさらに拡げていくのです」と強調した。

 そのほかにも、新型RAV4にはウーブン・バイ・トヨタで開発を進めているソフトウェアづくりプラットフォーム「Arene」がトヨタ初採用された。Areneの採用を皮切りに、SDV(Software-Defined Vehicle)の開発を本格化させていくという。

 ハンフリーズ氏は「アキオさん(豊田章男氏)が『SDVの目的は何か』と問われたとき、彼の答えは明確でした。『いちばんの目的は、悲しい交通事故をゼロにすること』だと答えたのです。これは2018年に始まった物語であり、Woven by Toyotaのミッションの1つは、モビリティのためのまったく新しいソフトウェアプラットフォームを構築することでした。その結果、生まれたのがArene(アリーン)です。新型RAV4はArene実現の第一歩であり、クルマがお客さまと一緒に成長していく、その道を切り拓いていきます。学習し進化し続けることによって、次世代のToyota Safety Senseはビッグデータも活かし、より一層安全なドライブをサポート。そして安全性が高まるからこそ、エンタメ領域でも新たな体験の可能性が生まれるのです。直感的なAI音声エージェントを備えた新マルチメディアシステムは、これからのデジタルカスタマイズのキャンバスになっていく。安全とエンタメは両輪の関係なのです」とその取り組みを紹介した。

トヨタ自動車 新型RAV4 ワールドプレミア

【お詫びと訂正】記事初出時、写真1枚目の人名に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。