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三菱ふそう、燃費と居住性を高めた「キャンター 2016年モデル」発表会
実燃費を7%向上。6速DCT「DUONIC2.0」に「ヒルスタートアシスト機能」を標準装備
(2016/5/3 00:00)
- 2016年4月26日 開催
三菱ふそうトラック・バスは4月26日、小型トラック「キャンター」の2016年モデルを発売。これに合わせてリビエラ逗子マリーナ(神奈川県逗子市)で発表・披露会が開催された。
8代目となる現行型キャンターが発売されたのは2010年。デュアルクラッチAT「DUONIC(デュオニック)」の搭載や、ポスト新長期排出ガス規制(平成22年規制)に適合するなど、高い環境性能と経済性を備えたのが特長。8代目キャンター初のモデルチェンジとなる2016年モデルでは、省燃費性能を国内トップレベルまで引き上げるとともに、ドライバーの快適性向上を目指しているのが大きなトピックとなる。
エンジンは従来と同じ3.0リッター 直列4気筒インタークーラーターボディーゼルエンジンの「4P10」型を搭載。このエンジンと車両トータルでのチューニングを施すことで燃費向上を果たした。
スペックは「T1」「T2」「T4」「T6」の4種類が設定されるバリエーションにより異なっており、順に「T1」が最高出力81kW(110PS)/2970-3500rpm、最大トルク260Nm(26.5kgm)/1200-2970rpm、「T2」が最高出力96kW(130PS)/3050rpm、最大トルク300Nm(30.6kgm)/1300-3050rpm、「T4」が最高出力110kW(150PS)/2840rpm、最大トルク370Nm(37.7kgm)/1350-2840rpm、「T6」が最高出力129kW(175PS)/2860-3500rpm、最大トルク430Nm(43.3kgm)/1600-2860rpm。
最高出力&最大トルクのピーク値は従来モデルと変わらないものの、発生回転数がフラット化されたことにより扱いやすさが向上。燃費面でも最高11.6km/L(重量車モード燃費値)を実現。オプション設定されるISS(アイドリングストップ&スタート)付車では最高12.0km/L(重量車モード燃費値)となり、ほとんどのモデルが平成27年度重量車燃費基準+10%、全車で+5%を達成。自動車重量税と自動車取得税の減税措置を受けられる。
トランスミッションは5速MTと6速DCTを用意し、6速DCTはデュアルクラッチの改良などにより信頼性、快適性、操作性が向上した「DUONIC2.0」を採用。このトランスミッション自体は2015年9月から採用されているが、2016年モデルではさらに「ヒルスタートアシスト機能」を標準装備化した。
インテリアはブラックとシルバーのコンビネーションカラーに一新。運転席シートへのサイドサポート追加や座面クッションの拡大により快適性を高めたほか、オーバーヘッドシェルフやセンタートレイ&マガジンラックなど、従来は「CUSTOM仕様」に装備されていた収納スペースを標準装備に変更し、快適性や居住性を高めた。価格はキャブ付シャシー(TRG-FEA50)4P10(T4)DUONIC2.0 ISS付車で429万9480円。
「ドライバーは乗る喜び、経営者は経済性を実感できる」と三輪副社長
4月26日に行なわれた発表・披露会では、三菱ふそうトラック・バス 副社長 三菱ふそうセールスジャパン 本部長 三輪為夫氏が登壇。「お客様のビジネスの発展、日本の物流を支えるすべてのドライバーをサポートしたいとの思いが、昨年発表した『スーパーグレート V 2016年モデル』『新型キャンター 2016年モデル』に込められております」と前置き。「ドライバーにとってトラックのキャビンは1日の大半を過ごす第2のリビング」であり、「この空間をより快適に、よりリラックスできる空間にしたいとのコンセプトから、今回の新型キャンター 2016年モデルを開発した」と説明。新しいキャンターは「ドライバーのみなさまには乗る喜びを、そして経営者のみなさまには経済性をご実感いただき、ご満足いただけるものと確信しております」と締めくくった。
続いて新型キャンターの商品概要について、三菱ふそうトラック・バス 大小トラック・バス商品プロジェクト部 部長 高畑悠二氏が解説。まず、現行キャンターについては発表・発売から5年半が経過しており、「機種の追加、機能の充実などを実施してきたが、内外装についてはほとんど手を入れなかった」「(発表時は)クラストップの低燃費だったが、競合他社が近づいてきたため新型の開発が必要になった」と説明。
2016年モデルの開発では「ドライバーズファースト」をコンセプトに、「快適な空間」「イージードライブのさらなる向上」「クラストップの燃費」と3つの柱を掲げた。
快適な空間では「内装色、ステアリングホイールの変更、メーターの変更による視認性の向上」に加え、「収納の強化」「快適なシート」を実現。イージードライブでは2015年9月に先行投入した「DUONIC2.0」の全面採用に加え、新たに「ヒルスタートアシスト」を追加したことで「よりイージーなドライブが楽しめる」とした。
クラストップの燃費は「おもにエンジンのソフトのチューニングをやり直しすること」で達成したと語り、「排出ガス、燃費の立ち会い試験も再度実施している」と説明。「一般道を走ったときの燃費データは現行モデルと比べて7%向上」「競合他社に対してもアドバンテージがあり“クラストップの座を奪還できた”と思う」と自信を見せた。