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日産、「リチウムイオン電池」の進化の歴史や「自動運転実験車両」を人とくるまのテクノロジー展2025横浜で披露

2025年5月21日~23日 開催
入場無料(事前来場登録制)
1997年に円筒型リチウムイオン電池を搭載した世界初の電気自動車「プレーリージョイEV」、写真は国立極地研究所の北極観測センター車

 日産自動車は、5月21日~23日の期間パシフィコ横浜で開催されている「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」に出展。電動化の要であるリチウムイオン電池の進化の歴史や、自動運転モビリティサービスに向けたドライバーレス自動運転実験車両などの展示を行なっている。

 リチウムイオン電池では、1990年にソニーが世界で初めて商品化したリチウムイオン電池の採用を決定、1992年にソニーとの共同開発をスタートさせ、1997年に市販車世界初のリチウムイオンバッテリEVとして、法人向けに30台リース販売した「プレーリージョイEV」に搭載されていたバッテリモジュールを展示したほか、2010年に登場した初代リーフのバッテリモジュール、従来は8枚のセルでモジュールを構成していたのに対し、セルの枚数を自在に変えられるユニバーサルスタック構造を採用した第3世代のバッテリモジュール、アリアに搭載されているバッテリパックなど、リチウムイオンバッテリの進化を歴史を共に学べる展示が行なわれている。

1997年にはプレーリージョイEVのバッテリモジュールを完成させている
初代リーフのバッテリモジュール(2010年)
何枚ものバッテリモジュールを重ね合わせつつ冷却機能も備えるユニバーサルスタック バッテリモジュール(2019年)
バッテリモジュールを何個も連結したアリアのバッテリパック(2022年)

 また、電動パワートレーンも初代リーフ、2代目リーフ、アリアと、3世代にわたっての進化をそれぞれ確認できるように展示。初代と2代目のユニットは内部が見えるようにカットモデルとなっている。

初代リーフの電動パワートレーン(EM61)
2代目リーフの電動パワートレーン(EM57)
アリアに搭載されている電動パワートレーン(AM67)

自動運転モビリティサービスの実現を目指す日産

 また知能化技術領域では、自動運転モビリティサービスに向けたドライバーレス自動運転実験車両、ドアtoドアの自動運転技術と緊急回避性能を備える次世代プロパイロット技術、進化したインテリジェントアラウンドビューモニター体験などを用意。

 少子高齢化にともなう公共交通機関のドライバー不足や、地域社会が抱える交通サービスの課題解決に貢献し、自動運転技術を活用して誰もが自由に移動できる新しい交通サービスとしての提供を目指している車両も展示している。

自動運転モビリティサービスの実用化に向けた資料

 ミニバン「セレナ」に、カメラ、レーダー、LiDARを搭載し、自動運転実験車両として実際にみなとみらい地区を走りまわっている。ドライバーレスで走行するセレナには、遠隔監視設備を組み合わせて日本の法律に適合させていて、「遠隔型自動運転システム等を搭載した自動車の基準緩和認定要領」および「自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準」に基づき、遠隔型自動運転システムを使いながら実証実験を行なっている。

自動運転実験車両のセレナ
ボディの前後左右だけでなく、天井にもたくさんのカメラやレーダー、LiDARを搭載している

 そのほかにも、進化したインテリジェントアラウンドビューモニターの体験コーナーや、ドアtoドアの自動運転技術と緊急回避性能を備える次世代プロパイロット技術、e-POWERの進化などの紹介も行なっている。

左からジヤトコが日産用に制作しているバッテリEV向けの「3-in-1」と、e-POWER向けの「5-in-1」ユニット
進化したインテリジェントアラウンドビューモニターの紹介パネル
e-POWERの進化を学べるパネルも用意されている
日産ブースはノース館(N01)