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アストンマーティン、新型「ヴァンテージS」公開 エンジン出力を680PS&800Nmへ向上しスポーティさを極める
2025年7月14日 12:13
- 2025年7月9日(現地時間) 発表
アストンマーティンは7月9日(現地時間)、「ヴァンテージ」をよりスポーティに仕上げた新型「ヴァンテージS」を発表した。すでに受注を開始しており、納車は2025年第4半期に開始予定。
ヴァンテージSは、4月に発表された「DBX S」に続く特別ハイパフォーマンス仕様。この末尾に「S」を付けたアストンマーティンの伝統モデルは、2004年にパリ・モーターショーで公開された「ヴァンキッシュS」から始まり、その後2011年にV8エンジン搭載の「ヴァンキッシュS」、2013年にV12エンジン搭載の「ヴァンキッシュS」、2015年には「ラピード S」、2016年には新たな「ヴァンキッシュS」と代々続いている。
ヴァンテージSに搭載されるV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンは、最高出力680PS/6000rpm、最大トルク800Nm/3000-6000rpmにアップグレードを実施。また、スロットルペダルの重みとレスポンスを「S」の特性に合わせて改良を施し、「S」専用のドライブバイワイヤのスロットルマップを開発。ドライブモードごとにチューニングを施した結果、これまで以上にすべての制御の調和がとれた一体感を感じられるようになったという。さらに、ローンチ・コントロール・システムの最適化も行ない、0-62mph(100km/h)加速は3.4秒、0-124mph(200km/h)加速は10.1秒、最高速は標準モデルと同じ325km/hを誇る。
そのほかにも、ビルシュタイン製DTXアダプティブダンパーのハードウェアのチューニングとソフトウェアのキャリブレーションによって、フロントのフィーリングとレスポンスを向上。一方、リアスプリングの剛性を下げることで圧縮と反発のバランスをとり、低速走行時の乗り心地を改良している。また、トランスミッションマウントの剛性を10%下げてボディとシャシーに対するパワートレーンの動きをコントロールできるようにし、車両の動きを路面に調和させてさらなる洗練を実現させたという。
加えて、リアサブフレームをラバーブッシュではなく直接ボディに取り付けることで、ダイレクト感とステアリングレスポンスも向上。同時にサスペンションのキャンバー、トー、キャスター角の微調整も行ない、高い安定性を確保し、コーナーをスリリングに攻められるようになった。
フロントは、新たにボンネットブレードを中央に装備。グロスブラック仕上げ、または2×2ツイルカーボンファイバー仕上げで、より主張の強いデザインと同時にエンジンルーム内の熱排出の最適化にも寄与している。
フロントフェンダーにはハンドメイドの真鍮鍛造で作られた「S」のバッヂがあしらわれているほか、赤いエナメルガラスを充填した「S」の枠は、オーナーが選んだアストンマーティン・ウィングバッヂの色に合わせ、ブライトクローム加工またはダーククローム加工が施される。
リアには車幅いっぱいに広がるデッキリッドスポイラーを備え、最高速度時のリアのダウンフォースを44kg増加させ、全体では111kgのダウンフォース(最高速時)を発生するという。ホイールは特注で赤の差し色の入ったサテンブラック仕上げの21インチYスポークホイールも選択可能。
内装はアルカンターラとレザーの「Accelerate」仕様で、サテン2×2ツイルカーボンファイバー製トリムインレーを備え、シートにも「S」のロゴが刺繍されるほか、わずかに標準モデルよりも軽量になっている。また、ドライブモードを選択するためのローレット加工された金属製ロータリースイッチは、レッドまたはシルバーを選べるほか、ロータリースイッチの色はシートベルト、コントラストウェルト、コントラストステッチ、ヘッドレストの刺繍にも反映され、統一感のあるインテリアに仕上がる。さらに、ラグジュアリー感をより一層高めたいユーザー向けに、「Inspire Sport」インテリアも用意している。
アストンマーティンの最高経営責任者(CEO)エイドリアン・ホールマーク氏は、「何十年にもわたり、ヴァンテージという輝かしい名は、至高のパフォーマンスと興奮、ドライビングのスリルの代名詞でありました。昨年新型ヴァンテージを発売し世界的な名声を獲得した際に、前面で注目を浴びていたのが、まさにこれらの性質です。それを超えていくことがヴァンテージSの挑戦であり、原動力でもありました。こうして生まれたのが、フロントエンジンのウルトラ・ラグジュアリーなスポーツカーの分野における新しいベンチマークです。アストンマーティンの情熱的でこだわりを持ったお客さまの心を躍らせる1台であり、今日のアストンマーティンが擁する豊かな人材と能力の幅広さ、前進力をまざまざと示すものでもあります」と述べている。














