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ブリヂストン、創業の地である久留米市と次世代タイヤ「エアフリー」の連携協定

2026年4月から久留米市世界つつじセンターと石橋文化センターで実証実験

2025年11月13日 開催
連携協定締結式に出席した株式会社ブリヂストン 代表執行役 副社長 BRIDGESTONE EAST CEOの田村亘之氏(左)、福岡県久留米市長の原口新五氏(右)

 ブリヂストンと福岡県久留米市は11月13日、次世代タイヤ「AirFree(エアフリー)」の実証実験に関する連携協定締結式を久留米市役所(福岡県久留米市城南町)において開催した。

 エアフリーは専用形状のアルミホイールに熱可塑性樹脂の基本骨格、ゴムによるトレッドで構成され、通常のタイヤと異なり空気を必要としないことから“パンクしない次世代タイヤ”と呼ばれる。現段階で第3世代まで進化しており、2008年に登場した第1世代、2013年に登場した第2世代とは異なり、2024年に公道実証実験を開始するなど社会実装を見据えるまでに進化している。

 すでに2025年1月に滋賀県東近江市、2月に富山県富山市とグリーンスローモビリティの共創に向けた連携協定を締結。11月8日にはエアフリーを装着したバスタイプのグリーンスローモビリティを使用した全国初となる実証実験を開始するにあたり、富山市で出発式を開催するなど社会実装に向けて着実な歩みを見せている。

 今回の久留米市との協定は、ブリヂストンの事業開発の促進・進展を図ることに加え、ブリヂストン創業の地である久留米市の振興・発展に寄与することを目的としたもの。エアフリーの実証実験では2026年4月から5月に久留米市世界つつじセンターと石橋文化センターで実施される予定となっており、来場者の回遊を主目的にブリヂストンが所有するカートタイプのグリーンスローモビリティが使われる。

エアフリーの基本骨格で使われる熱可塑性樹脂は熱で溶かして再原料化ができるのが特徴で、トレッドは摩耗した場合にゴムを交換するリトレッドに対応するサステナブルデザイン。基本骨格で使われるブルーカラーは視認性が下がる夕暮れどきでも目立つことから選ばれた。現状、1輪あたり300kgの重量に耐え、タイヤサイズにも自由度があるという
久留米市世界つつじセンターと石橋文化センターで実施される実証実験で使うグリーンスローモビリティ

 連携協定締結式にはブリヂストン 代表執行役 副社長 BRIDGESTONE EAST CEOの田村亘之氏、福岡県久留米市長の原口新五氏が出席するとともに、ブリヂストン 新モビリティ事業部門長の太田正樹氏がエアフリーの概要について紹介した。

株式会社ブリヂストン 代表執行役 副社長 BRIDGESTONE EAST CEOの田村亘之氏

 田村副社長は、ブリヂストンが1931年に久留米市で創業したことに触れ、社是「最高の品質で社会に貢献」が今も企業理念として根付いていることを強調し、「この理念のもと久留米市からの支援をいただきながらさまざまな挑戦を続け、今ここに会社があることに深く感謝申し上げます」と述べるとともに、2050年に向けて「サステナブルなソリューションカンパニー」としてのビジョンを掲げ、サステナビリティを経営の中核に置いていると説明。

 そのサステナビリティの新たな種まきとしてエアフリー事業があり、「次世代タイヤのエアフリー、これは地域社会のモビリティを支えるというミッションを持ちまして、その価値提供を通じて地域社会への貢献を目指し、開発、実証、価値検証に取り組んでいます。ブリヂストンは『タイヤは命を乗せている』、この大原則を肝に銘じ、常に安心・安全を最優先に事業を展開してまいりました。エアフリーもまた、安心・安全はもちろんですが、サステナビリティやメンテナンス効率化といった新たな価値を提供する次世代タイヤとして、皆さまの移動を支えてまいります。久留米市におかれましては、将来の交通を考える上で、都市活力の向上や安心・安全な暮らしの実現などさまざまな取り組みを進められておられると承知しております。エアフリーが持つ価値を久留米市でしっかりと検証し、未来へとつなげてまいりたく存じます」と述べた。

 また、実証実験は久留米市世界つつじセンターと石橋文化センターで行なわれる予定で、特に石橋文化センターは創業者の石橋正二郎氏が久留米市の文化振興のために建設・寄贈した施設であり、2026年に開園70周年を迎えることから特別な意義があると強調した。

福岡県久留米市長の原口新五氏

 一方、原口市長は海外へ行った際に「久留米市といえばブリヂストン」との声をいただくことにうれしい限りと感謝の意を述べるとともに、「以前、世の中で問題になっているパンクの問題、これにめどがつきそうというお話をいただいていましたが、今日こうやってお話をいただきましてありがとうございます。世の中がびっくりするようなすばらしい技術を駆使していただいて本当にありがとうございます」とエアフリーへの期待感を示した。

株式会社ブリヂストン 新モビリティ事業部門長の太田正樹氏
太田氏はエアフリーが第3世代まで進化してきた歴史を振り返るとともに、熱可塑性樹脂を用いて溶かして再度成型することで長く使えること、ゴムの部分は張り替えによる再生が可能なこと、交通事故が起きやすい夕暮れどきでも視認性にすぐれるブルーカラーを用いていることを紹介し、「公道実証、そして社会実装を通じた技術のさらなる進化、そして自治体の皆さまと連携して実際に使っていただくことによってその価値を継承し、その価値と技術の進化、それで将来のモビリティ社会を支えていくエアフリーをしっかりと作っていきたい」と語った
連携協定締結式のあと、原口市長は実際にエアフリーを装着したグリーンスローモビリティを体験。「ふつうのタイヤと全く変わらない乗り心地」とおどろいたようすを見せた