ブリヂストン、空気充填不要の次世代エアレスタイヤ「エアフリー」の公道実証実験を3月スタート

空気充填不要の次世代エアレスタイヤ「エアフリー」装着イメージ

　ブリヂストンは2月29日、空気充填が要らない次世代タイヤ「エアフリー」の実用化に向けた実証実験を、複合エリア「Bridgestone Innovation Park」がある東京都小平市近郊の公道で3月より開始すると発表した。

　ブリヂストンは、2008年に「エアフリーコンセプト」として空気充填の要らない次世代タイヤの開発に着手。これまで培ってきたコアコンピタンス（強み）である「ゴムを極める」を応用した樹脂材料の素材技術と、「接地を極める」技術を基盤にこれまでの研究開発を通じて得られた知見、デジタルを駆使したシミュレーション技術などと組み合わせるとともに、パートナーとの共創によるイノベーションを経て「リサイクル可能な強くてしなやかな素材の開発」と「強くてしなやかな素材の特性を最大限に生かす設計」を実現したという。

　また、今回の実証実験を機に、名称もコンセプトから社会実装を見据えた「エアフリー」へと進化させ、新たな社会価値・顧客価値の提供に向けた「新たな種まき」として活動を強化するという。

次世代タイヤの「エアフリー」

　エアフリーは、タイヤ側面の特殊形状スポークで荷重を支えることによりパンクせず、安心・安全に使用できるタイヤで、青色スポークによって日中から夕暮れ時まで、あらゆる明るさにおいて高い視認性を確保でき、安全性の向上も期待される。加えて、路面に接するゴムの部分をリトレッド（貼り換え）できるだけでなく、独自開発した再生可能なスポーク部分の樹脂をリサイクルすることで、資源の効率的な活用とサーキュラーエコノミーの実現にも貢献するとしている。

　実証実験ではエアフリーを実験車両に装着し、実際の使用環境により近い公道のさまざまな環境でエアフリーの特性や機能を検証。今後の社会実装に向けた準備を進めるという。

　また、将来的にはさまざまなパートナーとの共創で価値を広げ、高齢化・地方の過疎化・労働不足による移動の制限といった社会課題の解決を目指すほか、エアフリーのパンクしない特徴を最大限に生かし、タイヤの重要性がより高くなる自動運転との組み合わせで、より高い安心・安全の実現も目指すとしている。