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トヨタ豊田章男会長、モナコでF1との関わりについて語る トヨタが「どんな未来を作れるんだというところが大事になる」
2026年1月25日 18:20
1月24日(現地時間)、WRC(世界ラリー選手権)開幕戦ラリー・モンテカルロが開催されているモナコにおいて、モリゾウ選手ことトヨタ自動車 代表取締役会長 豊田章男氏が水素エンジンを搭載するラリーカー「GRヤリス ラリー2 H2コンセプト」によるデモンストレーション走行を行なった。このデモラン前に豊田章男会長の囲みがあり、そこではこのデモランに関する思いや、F1でも有名なモナコという地であることから、トヨタのF1との関わり方に関する質問が出た。
豊田会長によると、モナコを訪れるのは初めてということで、豊田会長のInstagramにはF1モナコグランプリで有名なコーナーで記念写真を撮る姿などが投稿されている。
それに関連し、囲み取材では豊田章男会長はF1が好きなのではないかと質問が出た。
豊田会長は、「僕はね、すべてのモータースポーツが好き」と語った上で、ハースF1のカラーリングが新しくなったのを踏まえて、F1との関わりについて述べた。
「トヨタの中を見ても、GRと言ったからといって全部GRにくるのもおかしいなと思ってるんですよ。これだけの規模の会社で、かつ世界選手権もダカールを含めるとF1以外出てるじゃないですか。F1に出れば本当にすべて関わるわけでしょ。その中でやっぱり必要なのは、モータースポーツにトヨタ自動車というマニュファクチャラーがどういう貢献ができるかってところだと思います。それを探ってるからね、今のF1への関わり方は」(豊田章男会長)と語り、モータースポーツにトヨタ自動車がどう貢献できるかが大切だという。
豊田会長は、2024年10月11日のハースF1提携発表時に、「People(ピープル):ドライバーやエンジニア・メカニックの人材育成」「Pipeline(パイプライン):データ解析・活用術」「Product(プロダクト):車両の開発」というTOYOTA GAZOO Racingが重視する3つのPという観点で、ハースF1と協業を行なっていくと語っている。
また、「F1撤退で、日本の若者が一番速いクルマに乗る道筋を閉ざしてしまっていたことを、心のどこかでずっと悔やんでいたのだと思います」と2009年11月4日のF1撤退の決断を振り返っており、これはトヨタのF1参戦ではなく、3つのPの最初の項目である人材育成を重視するものであると何度も念を押している。
そのため、「記事はF1再参戦という見出しではないよ」とよく語っており、「では、F1再参加ですかね?」と問うたときには、「それいいねぇ」と言っていたので、記者としてはトヨタはF1に再参戦ではなく、再参加していると理解している。
ただ、今回のモナコにおけるF1との関わりに関する質問では、あれから1年3か月が経過し、若干ニュアンスが変わってきたような雰囲気があった。
豊田章男会長は3つのPを前提とした上で、「慎重と映ってるかもしれませんが、かつてはモータースポーツというのはマーケティングだったんですよ。F1をすればなんかいいクルマって言ってくれる。だけど、私が社長の14年は『もっといいクルマってね、そう簡単じゃないよ』と。宣伝してマーケティングで活躍すればいいんじゃなくて、もっといいクルマを作るためには、もっといい人材を作らなきゃいけないね。いろんな経験をさせ失敗させなきゃいけない。だからF1一つとってもスリーピー(3つのP)と言ってますけど、かつてはプロダクトだけで関わっていたものが、ピープル、それからパイプラインですから。アナリストやエンジニアとかそういうものでシンクロして人材育成をやってきたときに、初めてもう一つ、最後に残された世界選手権。一つのピースであるF1というところにも行くべきであって、それも関係なしにF1、F1って以前はやってましたからね。あれは僕は反対してます」と、まずは人材育成であってF1は最後に残された世界選手権であると語る。
「やっぱりスポーツっていうものは奥が深いし、その中で本当にコンペティティブにやっているところに、こちらの会社の都合で出たり入ったりは、それは無責任ですよ。だから、入る以上はね、入る以上はもう完全にね、完全に二度と抜けないぞという覚悟でやるために、今はトヨタのモータースポーツが取り組んでいるつもりなので。そうなると、トヨタがマニュファクチャラーとしてどんな貢献ができるんだと。どんな未来を作れるんだというところが大事になると思いますから、もうちょっとお待ちいただいて……」と、F1に再参加ではなく、再参戦するためには会社として「二度と抜けないぞという覚悟」が大切になるという。
ある意味モータースポーツは目に見える利益を生みづらいのは事実だが、モータースポーツがあることによってクルマは特別なものとなり、モータースポーツの戦いが語り継がれることによってプレミアムなブランドへと成長していく。豊田章男会長は、TOYOTA GAZOO Racing、ルーキーレーシングにおいて、市販車と深く結びつくサステナブルなモータースポーツ参戦環境を「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」として築き上げようとしており、F1再参戦にたどり着くためにはその辺りの構築が前提となるのかもしれない。












