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日本自動車会議所、富士のスターリンクを移設してオートポリスのWi-Fi回線増強試験 NTTドコモビジネスが協力

スターリンクを使ってフリーWi-Fi回線を増強

オートポリスのパドックビル屋上に設置されたスターリンク受信機。富士スピードウェイからの貸出機になる

 日本自動車会議所は4月25日、スーパーフォーミュラ第3戦オートポリスにおいて、サーキット来場者の通信環境改善に向けて行なっている実証実験を報道陣向けに公開した。

 この実証実験は、オートポリス、JRP(日本レースプロモーション)、NTTドコモビジネス、富士スピードウェイという枠組みで実施されており、日本自動車会議所 モータースポーツ委員会がサポート。具体的には、富士スピードウェイの保有する衛星通信機材であるスターリンク10基をオートポリスに貸し出し、NTTドコモビジネスが設置やスターリンク通信を束ねる作業を担当。それを、オートポリスのフリーWi-Fi回線の増強という形で来場者に提供する。

左から、一般社団法人日本自動車会議所 加地雅哉委員長、株式会社オートポリス 営業部門長 得田浩一氏、一般社団法人モータースポーツ観光推進協議会 代表理事 吉井秀明氏、NTTドコモビジネス株式会社 イノベーションセンター テクノロジー部門 担当課長 里和勇人氏、同 ビジネスソリューション本部 主査 平松幹雄氏

 日本自動車会議所 モータースポーツ委員会 加地雅哉委員長は、今回スターリンクは5基ごとに束ねており、通常は2.0GbpsのWi-Fiバックボーン回線を1.4Gbps増強、3.4Gbpsへ引き上げているという。

 この増強された回線は、主にグランドスタンドやイベント広場の無料Wi-Fi回線に割り当てられており、グランドスタンド来場者のスーパーフォーミュラアプリ「SFgo」視聴や、イベント広場での購買決済利用を想定。スムーズなインターネット利用を来場者へ提供することで満足度を向上。デジタルチケットなど将来的なイベント運営の高度化を目指しているという。

 オートポリスは盆地にあるサーキットであり、回線を直接増強していかない限りインターネットの速度を上げづらい。しかしながらサーキットではイベント開催時と非開催時で利用者の変動が大きく、恒久的な設備投資が難しいのも現状となる。

 そのため、日本自動車会議所としてはこのような実証実験という形で、サーキットのインターネット高速化をサポート。どのようなメリットが出るかの実証を行なっていく。

将来的にはサーキット専用の光ファイバー回線設置も

サーキットを束ねる光回線網の構築を視野に入れている

 今回の実証実験ではスターリンク回線を使っているが、日本自動車会議所の将来構想としては全国のサーキットを光ファイバー回線で結ぶ、サーキット専用の回線構想もあるという。

 サーキット単体では成り立ちにくい通信回線増強を、全国各地のサーキットに参加してもらうことで実現していこうとしている。

 日本では鈴鹿サーキットが突出して回線強化されているが、F1開催をするという特別な場所であり、各通信キャリアが競って争っている結果でもある。しかしながら多くのサーキットでは投資資金が限られており、そこを束ねることで1サーキットあたりの負担を引き下げる、需要を平準化しようというのが、このサーキット専用回線構想になる。

 いずれにしろ、日本自動車会議所ではこのような実証実験を行なっていくことで、サーキットの通信回線の品質向上を促進していく。

スターリンクは5台ずつ束ねて運用されている