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アイシン、「シリーズパラレル式ハイブリッドトランスミッション」の動作を3Dホログラムで動的展示

2026年5月27日~29日 開催
入場無料(事前来場登録制)
3Dホログラムによる動的展示で紹介された「シリーズパラレル式ハイブリッドトランスミッション」

 神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で、自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」が5月27日~29日の会期で行なわれている。入場料は無料(事前来場登録制)。

 展示ホール・493にあるアイシンブースでは、「ユーザーに寄り添う走り・乗り心地」と「安全・安心、快適な移動体験」をテーマに設定。移動の価値を高める製品や技術を体験型の展示などによって紹介する。

パシフィコ横浜の展示ホール・493にあるアイシンブース

「ユーザーに寄り添う走り・乗り心地」ゾーン

「車両統合制御」の解説コーナー

「ユーザーに寄り添う走り・乗り心地」ゾーンでは、アイシンが手がけている幅広い製品や技術を統合的に制御して、走りや乗り心地、電費の向上に寄与する「車両統合制御」を来場者が体感できるコンテンツとしてブース中央で紹介。

 アイシンでは長年にわたる自動車部品の生産で、それぞれの製品開発に個別に注力して取り組んできたが、現在ではその流れを発展させ、自分たちが手がけている複数の製品を連携させて新たな価値創造を目指す取り組みを車両統合制御と呼んでいる。

 この車両統合制御で開発を続けている技術から「走りのカスタマイズ」「スノーモード」「eAxle協調ABS」「操舵協調AEB」の4種類を取り上げ、壁面とフロア側の映像表示に加えて、タイヤやeAxleの模型を使って具体的な作動状況を表現。電動パワートレーンの「eAxle」や後輪を操舵する「アクティブリアステアリング」、減衰力制御サスペンションの「AVS」、グループ企業のアドヴィックスが手がける「電動ブレーキ」、さらには生成AIを活用した「LBSエージェント」といった製品・技術を状況に応じて適切に制御することで、乗る人にさらに快適な移動時間が提供可能になることをアピールしている。

タイヤやeAxleの模型と映像を組み合わせ、4つのシーンでそれぞれにどのような制御を行ない、どのような効果を生み出すか解説する
実際の製品を作っているアイシンだけに、模型も細部まで精巧に再現されている
映像は壁面側に加えてフロア側にも投写され、路面状況と制御の関係なども分かりやすく紹介される

 また、エンジン出力とモータートルクを駆動力として併用する「シリーズパラレル式ハイブリッドトランスミッション」の紹介では、カットモデルの展示に加え、複雑な動力分配について3Dホログラムを使った動的展示を実施。

シリーズパラレル式ハイブリッドトランスミッションのカットモデル

 アイシンのシリーズパラレル式ハイブリッドトランスミッションは走行用モーターを駆動系から切り離す「ドグクラッチ機構」を搭載。ICE(内燃機関)が高い熱効率を発揮する高速領域での走行中にはクラッチを切り、モーターが駆動ロスになることを防止。一般的なハイブリッドシステムではATのようにフルードでモーターを切り離す湿式が採用されているが、この製品はクラッチプレートを備える乾式で、モーターの引きずりによる駆動ロスをゼロにすることが可能となっている。

 さらにエンジン側にもハイとローの2段変速ギヤを備え、ハイギヤでエンジン出力を高速巡航に使用するほか、ローギヤを使って登坂路の走行なども可能となっている。

モーター用のドグクラッチとエンジン向けの2段変速ギヤを搭載する

 このような特徴を来場者にしっかりと理解してもらえるように用意された3Dホログラムによる動的展示では、CGで再現されたシリーズパラレル式ハイブリッドトランスミッションを備え付けのゲームパッドの操作で拡大・縮小、回転などを自在に動かすことができるほか、ディスプレイに設置されたカメラが画面を見ている人を認識。複数の人がいる場合はカメラの一番中央で捕捉している人に追従して立体的に見える3D表示を行ない、見ている人がのぞき込んだりしながら細部まで構造を確認できるようになっている。

CGで再現されたシリーズパラレル式ハイブリッドトランスミッションを備え付けのゲームパッドで操作。拡大・縮小、回転など自在に動かして自由に見ることが可能
CGは作動状況ごとのムービーも用意され、エンジンやモーターの駆動力をどのように伝達していくかも確認できる
「アクティブリアステアリング」の製品展示とパネル解説

 このほか、モーターの回転によって後輪をステアリング操作と同位相、あるいは逆位相に操舵して、高速走行中の安定したレーンチェンジや低速走行時の小まわり性能の向上などを図る「アクティブリアステアリング」の製品展示とパネル解説なども行なわれた。

アクティブリアステアリングの構造を紹介するカットモデル
アクティブリアステアリングのモーター部
アクティブリアステアリングの解説パネル

「安全・安心、快適な移動体験」ゾーン

2025年の展示内容からさらに進化して登場した「ストレスフリーエントリーピラーユニット」

「安全・安心、快適な移動体験」ゾーンでは、2025年にもアイシンブースで紹介された技術をさらに進化させて展示。

 ミニバンのスライドドアなどのピラーガーニッシュにカメラを仕込み、スマートキーを持って接近してきたオーナーを検知してドアオープンなどを行なう「インテリジェントピラーユニット」は「ストレスフリーエントリーピラーユニット」に進化。

 カメラユニットの下には丸型のディスプレイが新設されてどのドアが開閉するか分かりやすくなったほか、車上荒らしや車両盗難などに対抗するための「防犯機能」を追加。オーナー以外の人物が車両に近接すると動画の録画をスタートし、丸型ディスプレイに「REC」と表示して行動を記録していることをアピール。また、AIがウィンドウを叩き割ろうとするといった不審行動を検知するとブザー音を鳴らして周囲に犯罪行為が行なわれようとしていることを知らせ、不審人物を撃退する。

カメラユニットの下に新設された丸型ディスプレイはどのドアが自動オープンするか表示するほか、警告表示などを行なう「防犯機能」にも利用される
ストレスフリーエントリーピラーユニットの解説パネル

 生成AI技術とLBS(位置情報サービス:Location Based Service)を組み合わせ、自然対話による呼びかけで周辺検索やナビ操作などを行なう「生成AIを活用したLBSエージェント」では、新たにオーナーがスマートフォンなどのアプリに登録したスケジュールとの連動に対応。

 会場で行なわれていたデモでは、事前にオーナーが横浜アリーナで行なわれるライブ鑑賞をスケジュール登録していたことを受け、LBSエージェントは自宅から横浜アリーナまでドライブするルートを検索して提示。しかし、車内に設置されたカメラでオーナーのほかにも同乗者がいることを検知してオーナーに問いかけると、オーナーが「先に羽田空港まで送り届けてから横浜アリーナに」とルートの修正を指示。しかし、羽田空港を経由すると登録されているライブの開始時刻には間に合わなくなるため、LBSエージェントはライブ開始に間に合うよう、同乗者を鉄道の駅に送り届けて電車で羽田空港に向かってもらうという代案を提案するといったシーンが紹介された。

 なお、LBSエージェントは基本的にすべての処理をクラウドサーバーで行ない、車載端末には結果だけをテキストデータとして送信するとのこと。これによって通信するデータ量を抑制し、車載端末の負荷低減を図っているという。

外部アプリのスケジュール情報などとの連携に対応した「生成AIを活用したLBSエージェント」
車載されるカーナビを模したタブレット。処理能力に限度がある車載機器に負担をかけすぎないよう、LBSエージェントは基本的にすべての処理をクラウドサーバーで行なう
LBSエージェントがスケジュールに合わせてルート検索を行なうデモも紹介された