ニュース

テイン、人とくるまのテクノロジー展に初出展 ハイドロ・バンプ・ストッパーやサスペンション減衰力コントローラー「EDFC5」など展示

2026年5月27日~29日 開催
サスペンション専門メーカーのテイン。人とくるまのテクノロジー展には今回が初出展となる

 サスペンション専門メーカーのテインは2026年で創業40周年を迎えた。これまではモータースポーツやアフターパーツマーケット向けのサスペンションを開発、製造していたが、新たな取り組みとして自動車メーカーや部品メーカー向けに先行開発などで使用できる特注ダンパーの開発と製造を手がけることとなった。

 自動車メーカーに対しては、文字通りサスペンション開発の手助けをするものとなるが、それだけでなく、例えばサスペンション内部に使用されるオイルシールのメーカーや、サスペンション内部に使われている部材のメーカーなどの製品開発を行なうテスト用ショックアブソーバーを提供するなど、多方面に向けて自社の開発力、製造力を生かしていくというものである。

 そうした取り組みの紹介として、今回「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」にブースを初出展した。

減衰力がどのように発生するかを可視化するための展示を行なっていた。これはテイン独自技術のハイドロ・バンプ・ストッパー(H.B.S)と標準的な機構の比較を行なうもの

 自動車メーカーや部品メーカーに向け、開発用のサスペンションを提供する取り組みは、もちろん既存のショックアブソーバーメーカーも行なっていることだが、テインが自社の強みとして挙げていることが、コストと納期の面で貢献できること。また、小まわりが効き、開発が行なわれている場所へ行っての対応も可能ということだった。

テインではモノチューブ式のほかに、純正ショックにも使われるツインチューブ式のショックアブソーバーも自社で製造できるので、依頼元のメーカーに合わせたプラットフォームを用意することができる
旧車用のヘリテージパーツの製造も行なう。これはAE86用のスピンドル。鍛造については協力工場で行なうが、素材を加工していくのはテイン。こちらは近日発売予定とのこと

ハイドロ・バンプ・ストッパー(H.B.S)

 テインならではの技術面では「ハイドロ・バンプ・ストッパー(H.B.S)」も展示されていた。これは通常使用する樹脂製バンプラバー(ショックの底付きを防止するためのもの)を使用せずに、減衰力で同様の効果を発揮する機構である。

 バンプラバーはショックの底付きを防ぐために用いられている樹脂製のパーツだが、それ自体がかなり硬いので、ショックがストロークして当たったときの衝撃は大きい。また、ストロークで圧縮されたバンプラバーが元に戻るときの反発力によりクルマの挙動が乱れることもあるという。

 それに対してH.B.Sはショック内部にバルブのオイル通路を閉じる「蓋」のように働く作動バルブを組み込み、ストロークしてきてベースバルブが作動バルブに当たった際に、ベースバルブのオイルポートをふさぐようになる。するとその瞬間に減衰力が増大するのでその力をバンプラバーの代わりにするという仕組み。なお、減衰力によってコントロールするので、H.B.Sが動作する領域の硬さなども細かく設定することが可能だ。

シャフトの先に付いている黄色っぽいパーツがバンプラバー。ショックがストロークした際に、アッパーシートとショック本体が衝突するのを防ぐために入っている
H.B.Sの構造が分かるように用意されたスケルトンモデル。上側のスプリングの下にある銀色のパーツが作動バルブ。その次の黒いものがベースバルブ。ベースバルブがストロークし作動バルブに接触すると、ベースバルブのオイルポートが塞がれて、その瞬間に減衰力が急激に立ち上がる。これがバンプラバーの代わりになる

EDFC5(イー・ディーエフ・シー・ファイブ)

走行状況に合わせて4本のショックアブソーバーのそれぞれの減衰力を、自動的に最適な設定に切り替えていく装置のEDFC5

 ショックアブソーバーの減衰力を走行状態に合わせて自動的に切り替えていく装置が「EDFC5(イー・ディーエフ・シー・ファイブ)」。

 EDFCは歴史のあるパーツで、現在のものが5世代目となる。機能としては加減速G、旋回Gに応じて自動的に減衰力を調整するモードと、車速感応自動調整モードを持つ。そして新たに車両のこれからの動きを予測して、曲がり始める瞬間や加速や減速の始まりのタイミングで減衰力の自動調整を可能とする「ジャーク感応自動制御モード」が搭載された。

 この制御には単に減衰力を硬く、もしくは柔らかく変更するだけでなく、クルマが旋回しやすくなるように、前後左右のショックアブソーバーの減衰力をそれぞれ別に設定するものとなる。

 このような機能はアフターパーツの世界においては走り性能の向上や乗り心地改善などの目的で使用されるものだが、サスペンションの減衰力切り替えを素早く確実に行なえるこの装置を使うことで、サスペンション開発についてさまざまなテストが効率よく行なえるようになるということだった。