試乗記

テインの車高調整式サスペンション「4×4ダンパーグラベル2」装着のジムニーノマドで悪路にチャレンジ!

中国で行なわれたテイン試乗会に参加した

中国で「4×4 DAMPER GRAVEL 2」の純正装着車増加の兆し

 足まわりメーカーのテインはいま、中国においてさまざまなトライを重ね結果を残している。アフターパーツメーカーとしては大規模な工場を現地に構え、世界各地へと輸出。環境などに配慮した工場の作りは中国にも認められ信頼を高めてきた。

 その動きもあってか、現地メーカーの鄭州日産は、限定車200台のパラディンに対して初めてテイン製の車高調整式サスペンション「4×4 DAMPER GRAVEL 2」を純正装着。それはすでに完売し、新たに追加モデルを出すことになったという。この流れは他の自動車メーカーの目にも止まり、次なる話があるとかないとか。いずれにしても拡大路線を歩むテインのいまはなかなかおもしろい。

 今回はそんな話題の中心にいる「4×4 DAMPER GRAVEL 2」の実力を他のメーカーのクルマに装着したらどうなるのかを、テインが中国に作ったという特設コースで試させていただくことになった。このコース、実は池というか沼の水を全部抜いて作ったそうで、すぐ隣にはうなぎの養殖を行なっている池が連なっているような場所。よくもまあこんなコースを作ったものだとおどろくばかりだ。ジャンピングスポット、沼地のコーナーリングなど、バラエティに富んだコース設定は、悪路を知り尽くすテインらしい仕上がりだ。

試乗会場は中国の特設コース。沼の水を抜いて作ったもので、バラエティに富んだコース設定

「4×4 DAMPER GRAVEL 2」はこんな悪路を想定したラダーフレーム車用の車高調整式サスペンションだ。特徴としては前後ともに別タンクを備えた単筒式ということだ。ピストンはφ56mm、ピストンロッドはφ22mmの高剛性ロッドを採用。2WAY減衰調整機構(Comp、Rebound/Comp)やハイドロリバンプストッパー(HRBS)採用する。

 これはジャンプした時に足まわりが伸び切る最後の最後で油圧によりピストンスピードを落とすものだ。ピストンスピードがゆっくりの時にはオイルがゆっくり通るので減衰力は高まらないが、ピストンスピードが速い時にはオイルが早く入るので減衰力が一気に高まる。それらを支える取り付け点はピロであり競技指向っぽいが、実はそのピロにダストブーツを備えるなど耐久性にも配慮した作り。リアのショックアブソーバーには飛び石などから保護するプロテクターの採用も行なっている。

「4×4 DAMPER GRAVEL 2」は前後ともに別タンクを備える単筒式のラダーフレーム車用の車高調整式サスペンション。ピストンはφ56mm、ピストンロッドはφ22mmで、減衰力は伸びと縮みを独立して調整できる

どんなクルマでもかなりの走破性を実現

ジムニーノマドに乗ってみた

 試乗会場には多くのラダーフレーム車が準備されていたが、まず乗り込むことになったのはなじみ深いジムニー。それも日本ではまだなかなかお目にかかれないノマドである。テインが足まわり開発のために倍近い価格で中国に持ってきたという1台だ。ノマドはちょっと動かしたくらいしか経験がないのだが、ショートボディはかつて自宅ガレージにも納めていたので興味津々だ。

 走り出すとまず感じるのは1.5インチ高められたという車高が、悪路においてかなりの安心感に繋がるということだった。これなら深いわだちも気にならないし、視界良好で先読みもしやすいからありがたい。ちなみに試乗車は車高アップに際し、念のためにブレーキラインを変更。ラテラルロッドは純正のままだ。

ロールやピッチが抑えられている印象

 乗り味は無駄なロールやピッチが抑えられており、シャープに狙った方向に常に応答してくれるところが好印象。ノーマルのショートボディと同じようなキビキビ感が味わえる。けれども路面の荒れた状況をうまく吸収し、車室内は平和そのものでフラットに近く駆け抜けてくれるところがうれしい。フラットな路面をゆっくりも走ったが、その際の快適性もなかなか。悪路だけでなく舗装路でも質の高い走りが楽しめるだろう。

 こうした走りの印象はたとえ大きなランクル300や250になろうともまるで変わらない印象。キビキビとした身のこなしや、狙ったところに行けるライントレース性はそのままに、ベースのクルマが豊かになればなるほど快適性が高まる傾向にあることが伺えた。

ランクル300や250などにも試乗した

 今回は中国のクルマにも何台か乗ったが、悪路走破性もかなり高いことに感心。乗り味はやや荒々しく質感は低そうだと感じたが、特に北京212は日本円にして200万円台で、ほかとさほど変わらぬ走破性を見せたのだから……。テインの「4×4 DAMPER GRAVEL 2」を装着すると、悪路ではどんなクルマでもかなりの走破性を実現できてしまう。これはかなりオールマイティに使えそうな足まわりと見た。

「4×4 DAMPER GRAVEL 2」をセットした北京212もみごとな走りを見せてくれた

4×4ダンパーグラベル2の詳細情報を見る

橋本洋平

学生時代は機械工学を専攻する一方、サーキットにおいてフォーミュラカーでドライビングテクニックの修業に励む。その後は自動車雑誌の編集部に就職し、2003年にフリーランスとして独立。2019年に「86/BRZ Race クラブマンEX」でシリーズチャンピオンを獲得するなどドライビング特化型なため、走りの評価はとにかく細かい。最近は先進運転支援システムの仕上がりにも興味を持っている。また、クルマ単体だけでなくタイヤにもうるさい一面を持ち、夏タイヤだけでなく、冬タイヤの乗り比べ経験も豊富。現在の愛車はユーノスロードスター(NA)、MINIクロスオーバー、フェアレディZ(RZ34)。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。