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ヴァレオと市光工業、SDVへと進化するモビリティのための革新的技術を展示

「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」

2026年5月27日~29日 開催
ヴァレオブース

 ヴァレオは、ヴァレオグループの一員である市光工業とともに、5月27日~29日に開催されている人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMAに出展。未来のモビリティに向けた革新技術を公開した。

 会場では代表取締役社長であるクリストフ・ヴィラット氏がメディア向けプレゼンテーションを行なった。その場でヴィラット氏は「明日のクルマはもはやコンセプトではなく、より安全で電動化され、そして本格的なソフトウェアディファインドになりつつあります。われわれはこうした変化を見るのではなく牽引しています。われわれが行なうミッションは、よりクリーンで、より安全で、よりスマートなモビリティソリューションを提供することになります。ヴァレオは単なる自動車部品サプライヤーではありません。SDV時代のテクノロジーアーキテクトであり、ソフトウェアとハードウェアの双方のシームレスな統合を通じてモビリティを再定義するものとなっています。」とあいさつした。

ヴァレオジャパン 代表取締役社長クリストフ・ヴィラット氏
モビリティの革新を牽引するための取り組みを紹介するプレゼンテーションが行なわれた
SDVがもたらす価値について

 ヴィラット氏のプレゼンテーションに続き、今回の展示物の部門ごとの内容の紹介が行なわれた。部門は「ブレイン」「パワー」「ライト」の3つに分かれていた。

自動運転に関する技術

 まずはブレイン部門から。ヴァレオでは自動運転は2035年に向けてレベル2、レベル2プラスがさらなる普及をし、これらをベースとして、その先となるレベル3、レベル4へと進んでいくと考えている。

2035年の自動運転市場の予測

SCALA 3 Evo LiDAR

 自動運転時代に必要とされるADASシステムの普及に貢献するための技術として紹介されたのが「SCALA 3 Evo LiDAR(スカラ・スリー・エボ・ライダー)」だ。最大の特徴はガラスによる光学の課題をガラスメーカーとの協業で解決し、フロントガラス越しの検知を可能とする技術が使われているところ。

 フロントガラス越しの検知が可能になることで、装置自体を車室内に装着することができる。すると、外観デザインや空力デザインの自由度が高まるものとなる。また、フロントガラスの内側に入ることで、悪天候時のLiDARの視界確保は通常のワイパーが補えるので、特別な装置をつける必要もなくなるという。さらに本体自体は自社製品と比較して50%サイズ縮小を実現している。

SCALA 3 Evo LiDARの解説
実機の展示もされていた

NAVIGATE 4U(ナビゲート・フォー・ユー)

 ヴァレオのドメインコントロールユニット(DCU)に超音波センサーやサテライトカメラ、レーダー、ライダーなどを組み合わせ、パートナーによる自動運転用エンドツーエンドAIソフトウェアスタックを統合することで構築するシステム。これにより、ナビゲーションを使ったオートパイロットが可能となる。具体的にはナビで設定した出発点から目的地まで、一般道、高速道路問わず、すべての速度域で、AIによる高度な自動運転支援を行なうことができるシステムである。

NAVIGATE 4Uの解説資料
視線検知と複数のディスプレイを融合させたドライバーモニタリングシステムのデモも行なわれた。わき見運転の防止のほか、視線の状況に応じたワーニング機能を搭載している
車体側に装着した調光センサーとリンクするスマートアイウェア。GPSデータも活用することで光の変化を先読みして、レンズの色を変えていく
トンネルの入り口と出口での反応遅延を解消している。この視点での安全運転への貢献は非常に面白いし、いち早く実現してほしいものと感じる

電動化に関する技術

 パワー部門では「未来のクルマは電動化される」というテーマで新しい技術を紹介した。電動化は単にエンジンからモーターへの変化だけでなく、移動手段について、環境やグローバルサプライチェーンへの影響などを含めて改善、確保していくことが必要と考えているそうだ。そこで今回は未来を現実のものとする革新的な技術を展示している。

 まずは小型モビリティ向けのインバーター一体型モーター&第3世代eアクセス(iSMMG & eAccess Gen3)。これは都市交通に効率的な手ごろな価格の電動化を提供できるものと位置付けられている。

 次が第5世代DCDC一体型車載充電器ライト(OBC/DCDC GEN lite)。これは車載充電器とDCDCコンバーターを統合した超小型のシステム。そのサイズは、多彩な搭載レイアウトに対して容易に統合できるものとなっているほか、高性能な双方向充電を標準でサポートしているところも特徴となっている。

 そして3つ目として、高度な熱管理システムによりバッテリの航続距離を維持しつつ、キャビン内を快適に保つための2層流HVACシステムが紹介された。

小型モビリティ向けのインバーターなどの紹介

ワールドプレミアの重希土類フリー永久磁石同期モーター

 世界初公開となる重希土類フリー永久磁石同期モーター。モーターを使用するモビリティ業界は、環境負荷と地政学リスクという課題に直面している。そこで重希土類を一切使用せずに、従来の重希土類含有モーターと同等の出力と効率を維持するものを開発した。

 この技術でポイントとなるのが、ローター内部にオイルを直接循環させて、稼働温度を効率的に抑制する「インスタック・オイル冷却技術」だ。これにより最適な磁力を維持できるものとなっている。このソリューションは2027年に量産を開始する予定とのことだった。

重希土類フリー永久磁石同期モーターの解説
実際の試作品も展示されており、オイル循環の通路なども確認できる
EV向けヒートポンプシステムの要となる「コンパクト5方向冷媒バルブ」。3つのソレノイドバルブと1つのチェックバルブの機能をコンパクトに集約している

ライトに関する技術

 ライト部門からは、走行環境の明るさに応じて、ヘッドライトの明るさを自動的に調整し、そして消費電力を最適化するシステムの「ジャストインライト」を展示している。

「必要なところに必要な光を」という意味を込めて開発されているこのシステムだが、明るさの調整に関しての基本的な考え方は、スマートフォンなどの画面の明るさの調光と同じものだという。

 システムとしては、カメラやセンサーを用いて前方の道路環境を検出。その情報をソフトウェアで解析することで、ヘッドライトの明るさを自動で調整するが、ここでもAIが活用されている。

ジャストインライトの解説
機能を模型で紹介していた。明るい市街地での走行では少し減光することでバッテリの消費を抑制する
渋滞中も減光。また、信号待ちでも同様に減光する。現在のクルマにも搭載されているオートライトをもっと細かく制御しているものという印象。これは実装されるとかなり便利なのではないだろうか

 明るさに関する技術のほかに、リサイクルについての展示もあった。クルマの製造に関しては、将来的に、リサイクル材をどれだけ使っているかの規制が厳しくなるため、従来の考え方だけでなく、違った場所にもリサイクルの考え方を進めていかなければならなくなる。そこで、車両に使われる樹脂製パーツの中でも大きいヘッドライトユニットをリサイクルするための技術の展示がされていた。

 難易度が高いのはレンズ部分。ここに不純物が入ると光の広がり方などに影響が出てしまう。また、アルミを真空蒸着させるリフレクター部分も高い表面平滑性が求められるため、従来の粉砕処理から溶かして使うリサイクル法ではなく、バイオマス由来原料の使用やケミカルリサイクルなど新しい技術を使うことで、これまで困難だったヘッドライトユニット用のリサイクル樹脂素材を作り出すことが可能となった。

ヘッドライトユニット用リサイクル素材についての展示。展示されているユニットはリサイクル素材で作ったもの
ライト部門ではほかにもさまざまなの技術展示を行なっていた