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日産、最新NISMOロードカー「リーフNISMO」初公開 フォーミュラEマシン東京大会スペシャルリバリーも初披露
2026年7月23日 13:44
- 2026年7月22日 実施
日産自動車とNMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)と日産フォーミュラEチームは7月22日、NISMOのモータースポーツ由来の知見を融合した最新NISMOロードカーとなる新型「リーフNISMO」と、7月24日~26日にかけて東京お台場・東京ビッグサイト周辺で開催される「2026 TDK Tokyo E-Prix(フォーミュラE東京大会)」参戦マシンの特別リバリー(ボディカラー)の発表会を実施した。
発表会場では2台のマシンのアンベールが実施され、新型リーフNISMOに関しては開発陣が「オレの一押しポイント」を、フォーミュラEチームスタッフは「東京E-Prixの注目ポイント」を、それぞれフリップボードに書き込み、それについての説明を行なった。
開発陣の「オレの一押しポイント」とは?
NMCのNISMO商品戦略・企画部 チーフプロダクトスペシャリストである饗庭貴博氏は、オレの一押しポイントとして書いた“駿足と滑空感”について、「駿足とは、まさにフォーミュラEを彷彿とさせる走りで、ワインディングでグイグイ走れる。NISMOの運動性能の高さを示しています。もう1つの滑空感は、高速道路を一定速で走っているようなシーンで、すーっと気持ちよく走ってくれるようなフラットな乗り心地であったり、すごく抵抗が少ない、とても静粛性があるといったのがポイントです。この相反する2つの特徴がうまい具合に融合できているのが、リーフNISMOの驚きのポイントだと考えています」と説明。
続けて1枚の写真を提示し、数年前にプライベートでグライダーの体験試乗をしてきたことを紹介。「まさにグライダーの中で感じたのと同じ感覚だったんです。何とかこの驚きをリーフNISMOのオーナーに届けたいと思い、帰ってからすぐにプロジェクトチームやデザイナー、プログラムダイレクターなど、開発チームに説明し、いろいろな議論を重ねてきました」と回顧した。
そこから商品コンセプトである「駿足のインテリジェントスポーツクロスオーバー、サイレントダイナミズムの驚き、都市を駆けるグライダーの疾走感」が誕生したという。ポイントは4つあり、1つはNISMOならではキビキビした走り。2つ目はリーフならではの余裕のある航続距離とGoogle搭載に代表される先進装備。3つ目は空力を突き詰めた美しいNISMOデザイン。4つ目は都市を滑空するグライダーのような爽快さだという。
ターゲットとするオーナー像については、「すでに先代リーフや先代リーフNISMOに載っているリーフのコアファンに、新たな選択肢としてぜひ乗っていただきたい。また、今スポーツカーに乗っていて、もう1台普段乗り用として家族と一緒にスポーティな特別なクルマとして楽しんでもらいたいです」と説明した。
続いて、デザインコンセプトについて聞かれたカスタマイズデザイン部の森田充儀部長は、「デザインを始めるにあたり2つキーワードを設定しました。 1つは“ソフィスティケイテッドフロー=洗練された流れ”、これは爽快な走りを直感させるシンプルでダイナミックな流れのあるフォルムです。もう1つはインテリジェントアキュラシー=知的で高精度、これは要求される性能を達成するための理論的なデザインアプローチによる究極の機能美で、これを形作っていきたいというのがそもそも始まりです」と開発初期を振り返った。
続けて、「NISMOロードカーではおなじみのレッドアクセントも、これまではレーシングカーのエアロになぞらえた作法で、車体の裾に赤い線を入れていたのですが、“EV NISMOのスマートさにふさわしいビッグアクセントを”と、少し考え方とコンセプトを変えまして、NISMO化したパーツの中間を貫く様に、長く細く強いレッドアクセントを設けています。これが電動NISMOの新しいレッドアクセントの見せ方で、われわれはこれを“アルテリアマグマ”と呼んでいます。アルテリアは内側や内面といった意味で、内に秘めてるパワーが隙間からのぞく電動NISMOのパフォーマンスのシンボルと考えています」と説明。
NISMOのデザインは、感覚で形を作るのではなく、常に意味のある性能を向上するための形作りをしているとのことで、デザインが性能に貢献できる領域はエアロダイナミクスが大きいので、速く走れば走るほどしっかり地面にクルマが吸い付き、ハンドリングがしっかりして操縦性が安定する性能を狙っているという。また、「相反する要素でとても難しいが、Cd(空気抵抗)値を悪化させずにダウンフォースを強化することに、いつも挑戦しています」と森田氏。
新型リーフNISMOは、リアにダックテールスポイラーをつけているが、スタンダードモデルから約40mm後方に伸ばしたことで、ルーフから流れてくる風をよりボディから遠い場所で車体から切り離すことに成功。車体の表面にできる渦(車体を後方へ引っ張る力になる)を遠くへ飛ばすことで、ドラッグを低減させてダウンフォースを強化できたという。森田氏は、「見た目のインパクトも大きいですが、ちゃんと機能しています」と自信をのぞかせた。
ボディカラーについて森田氏は、「現在NISMOロードカーで展開している“NISMOステルスグレー”は、レーシングテクノロジーが存分に生かされたNISMOロードカーを象徴する、この血統を示す色です。サーキットの風景に置いた時に最もなじみがよくて、かつ存在感が際立つ色で、“サーキットの路面よりも青く、空よりもグレー”という色となっています。パールやメタリックを抜いた完全なソリッドカラーで、今回はこの色がフォーミュラEマシンにも採用されたということで、ぜひご注目ください」と締めくくった。
オレの一押しポイントを「一体感の追求」と書いた、カスタマイズプロジェクト統括部 開発主担 成富健一郎氏は、「BEVは重たいバッテリを腹下に搭載して重心が低いのと、電動モーターはとても応答が早いパワートレーンで、実はスポーツドライビングにとってすごく優れた素質を持っています。この素質をうまく活用しつつバランスさせることで一体感を徹底的に出そう、しかも運転席だけでなく搭乗者全員が一体感を感じられるクルマにしようと開発してきました」と説明。
続けて、「電動化車両のNISMOは主にストリートでの使われ方を想定し、その中でより速く、気持ちよく、安心して、という乗り味を実現させることに注力しています。濡れた道、雪道、デコボコ道でも、常に4輪が接地して、きちんとトラクションがかかるといった、二駆でもBEVでも変わらずNISMOの哲学を導入しています」とNISMOのチューニングの方向性について言及した。
また、新世代EVプラットフォームを採用したことで、新型リーフはプラットフォームの剛性が高い。その素質のよさと体幹の強さを生かしつつ、そこにNISMOのモータースポーツで培ってきたノウハウや、匠と呼ばれるテストドライバーの感性を合わせ込んで作り上げたことで、“意のままで軽快”といったフィーリングを実現させている。
さらに、ドライバーが操縦するのは当然コックピットなので、デザイナーと膝を突き合わせて、運転に集中できる黒基調の内装をデザイン。RECAROシートは、座面角=座る角度をmm単位でチューニングして決めたという徹底したこだわりぶりで、背中とお尻に伝わる荷重の分散や、ペダルを踏む時の足の力の配分までバランスさせ、一体感を徹底的に追求している。
そのほかにも、回生ブレーキコントロールパドルや電動パワーステアリングの専用チューニングや、サスペンション、メンバーブッシュ、ハイグリップタイヤなども、高性能なものを採用したことで、より速く、気持ちよく、安心してという乗り味を実現したという。
フォーミュラE東京大会用スペシャルリバリーと観戦ポイント
日産は2018年のフォーミュラEシーズン5から「日産 e.dams」として、2022年のシーズン9からは「日産フォーミュラEチーム」として参戦。昨年シーズン11の第9戦 東京大会では、オリバー・ローランド選手が優勝、さらにドライバーズタイトルを初めて獲得して、ワールドチャンピオンとなっている。
発表会場には、トマソ・ヴォルペ監督、ノーマン・ナトー選手、チーフパワートレーンエンジニア岩瀬拓朗氏が登場。新型マシンの感想や、週末に開催されるレースの見どころについて語られた。
登壇したトマソ監督は、「ホームである東京でレースを行なうのは今年で3年目となります。日産はフォーミュラEに参戦する唯一の日本車ブランドですので、日本のファンの皆さんの応援に素晴らしい結果で応えられるよう頑張ります。これまでのところ、私たちはフォーミュラEで素晴らしい結果を残しており、日産にとってもこのプログラムはますます重要なものとなっています。だからこそ、今回お披露目するマシンには、NISMOから全面的にインスピレーションを得たカラーリング(リバリー)が施されています。私たちはNISMOから多くの研究開発技術を取り入れ、フォーミュラEでのパフォーマンス向上に生かしていきます」とあいさつ。
続いて、アンベールされたフォーミュラEマシンを見たトマソ監督は、「美しいですね。実は毎回東京に来るたびに特別なカラーリングにしているんです。一番重要なレースですからね。今年はまさにこの取り組みのピークに達したと思います。そもそもフォーミュラEに参戦している最も重要な理由は、電動パワートレーンの専門技術をNISMOや日産自動車にフィードバックし、発展させることです。今回はビジュアルでもこの接点を示したいということで“ステルスグレー”というNISMOを象徴するカラー、また赤のアクセントも入っています。赤もまさに日産のレースのヘリテージを象徴しています。さらにこれまでテーマとして入れていた“サクラ”のデザインも継承しています」と感想を述べた。
今シーズンのチームの状況と東京大会のポイントについては、「昨年と比べると今シーズンは思ったよりも苦戦しています。それでもまだローランド選手はドライバーズタイトルに届く位置にいます。東京大会は昨年も勝ちましたし、いつもいい成績を残しています。それはマシンが東京のコースに適していることもありますが、それ以上にホームで好成績を残したいというチームの強いモチベーションによるものだと思います」。
「普段のレースで100%の力を出しているとしたら、東京ではチームもドライバーも120%の力を発揮しているのだと思います。特に今シーズンは選手権の天王山(最後から2番目)のラウンドとなりますので、日本のファンの皆さんの前で再びこの強さを示し、シーズン最終戦に向けてより強く弾みをつけ、チャンピオンシップを獲得する道筋にしたいと願っています」と決意を語ってくれた。
また、東京大会の見どころについては“チームプリンシパルカメラ”といい、その理由については、「フォーミュラEでは、監督の表情やリアクションを伝えるため、カメラが常に私の表情を追跡してるので、ぜひ私の表情にご注目ください。さらに、できればいい顔をしている時に映りたいので、応援をお願いいたします」と会場の笑いを誘った。
東京大会について聞かれたナトー選手は、「東京大会はとても人気ですよね。また、今年は初めての夜間レースですし、マシンのセットアップも順調で、とても速いマシンを用意してもらったので楽しみにしています。東京の市街地コースは、アップダウンのあるコーナーとかもあり、ドライバーとしては大好きなコースです。天気もよさそうなので、ぜひポディウム(表彰台)を獲得したいですね」と抱負を語った。
また、NISMOのステルスグレーをまとったフォーミュラEマシンや、リーフ NISMOについては、「初めてリアルで見たんですけれど、すごくいいですね。それぞれ違いがありますが、どちらも日産のアイデンティティを象徴してると思います。どっちも大好きだし、早く乗りたいです。さらに、このような市販車両をできるだけ速くするために開発していますし、レースの技術をロードカーの開発に生かしているんです」とコメント。
東京大会の見どころについては“クオリファイイングスピード”を挙げ、その理由については、「いいレースにするためには、やはり先頭を走らなければなりません。特に東京大会はオーバーテイクが難しいコースですね。また、セクター1も難しいので予選の順位が重要になります。とにかくうまくスピードを乗せ、1周をうまくまとめて、好タイムを出す。予選はパワーも使えるので迫力もありますよ」と教えてくれた。
2025年4月に日産フォーミュラEチームに配属され、約1年4か月ぶりに帰国したチーフパワートレーンエンジニア岩瀬拓朗氏は、パワートレーンの開発のこだわりについて、「大きく2つあり、1つ目は“効率”です。レースでは限られたエネルギーしか使えないので、効率が非常に重要なファクターになります。量産で培ってきた技術や設計手法を生かしつつ開発しています。もう1つはレースに関わる中で学んだことで“ドライバビリティ”です。ドライバーがいかにブレーキやアクセルを安心して踏めるか、これがとっても重要だと学びました。でもこれは、日産車の強みとまるっきり一緒なんです。なので改めて“日産の強みであるドライバビリティって何だろう?”というのを勉強し直して、今はそのこだわりをレースという世界で生かそうと考えながら日々開発しています」と説明。
東京大会の見どころについては“オーバーテイク”とし、理由は「フォーミュラEの特徴としてオーバーテイクが多いというのもありますが、ローランド選手は、もう細~い隙間をヒュッと抜ける、あのマジックのような抜き方をしていくのが特徴なので、コーナーの出口や入口でローランド選手が抜いていくところを、ぜひ楽しみに見てください。ナトー選手は高速が得意なので、高速のホームストレートなんかでオーバーテイクするシーンが見れたらいいなと思っています」と、観戦ポイントを教えてくれた。


















































