ニュース
スバル、2027年3月期 第1四半期決算 売上高は3.0%増の1兆2509億円だが、営業利益44.3%減の426億円、当期利益10.3%減の492億円で増収減益
矢島工場のバッテリEVとICE車混流生産は今夏後半に開始予定
2026年8月5日 17:33
- 2026年8月5日 開催
スバルは8月5日、2027年3月期 第1四半期(2026年4月1日~6月30日)の決算を発表し、決算説明会を開催した。
第1四半期の売上高は前年同期(1兆2141億400万円)から3.0%増の1兆2508億5800万円、営業利益は前年同期(763億9900万円)から44.3%減の425億7100万円、税引前利益は前年同期(784億6400万円)から21.7%減の614億1900万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期(548億4900万円)から10.3%減の491億9400万円となった。
また、生産台数は前年同期(24万7000台)から3万4000台減の21万3000台で、完成車販売台数は前年同期(24万4000台)から2万3000台減の22万台にそれぞれ減少している。
通期見通しで計画する1500億円の実現に向け、営業利益も堅調に進捗
決算説明会の冒頭では、SUBARU 取締役常務執行役員 CFO 戸田真介氏が令和8年熊本地震で亡くなられた方に対してお悔やみの言葉を述べ、「被災地の皆さまに1日でも早く平穏な日常を取り戻せるよう心からお祈り申し上げる」とコメント。スバルとしても被害の全容の確認を進めており、取引先企業や関係各所と連携を図りながら状況把握に努め、被災した人たちの力になれるよう必要な支援を行なっていくとした。
決算内容は、426億円となった営業利益は、前年同期比で米国関税の影響が自動車分野で関税率が引き下げられたことで緩和されつつ329億円の減益要因、原材料や市況の悪化による業績押し下げで170億円の減益要因になっているなどの影響を受けつつ、通期見通しで計画している1500億円の実現に向けて堅調に進捗していると評価した。なお、通期業績見通しについては変更を行なわず、従来の発表内容を維持する。
完成車販売台数は米国で大きく減少しているが、これは前年同期に米国の関税政策が変更されたことに伴う駆け込み需要で一時的に大きく減少したディーラー在庫の補充が行なわれたほか、日本国内にある矢島工場でBEV(バッテリ電気自動車)とICE(内燃機関)車両の混流生産に向けた改修工事を行なわれることを見据え、生産影響が出る前に在庫車を積み増ししておく施策が米国で行なわれたことにより、米国市場で卸売り販売が増加していた反動が今期に影響を与えていると説明した。
米国市場では競争環境がさらに激化しているが、スバルでもインセンティブを増やすなど機動的な施策によって販売モメンタムの維持に努め、小売り販売では前年同期を上まわっているとアピールしている。
また、矢島工場は混流生産化を控えた改修工事で1ラインが1直操業となっており、フル操業状態よりも生産台数が減少して全体の販売にも影響を与えているという。なお、矢島工場における混流生産は今夏後半には開始される予定とのことだ。
営業利益の対前年比増減要因では、為替の影響と原材料費などを含む「事業環境変化」で35億円、製造固定費や研究開発費などを含む「モノづくり活動」で125億円、米国の関税影響や販売奨励金を含む「販売活動」で353億円の減益要因が発生。「SUBARU 2025方針」で推進しているコスト改革の成果やその他の増益要因で一部をオフセットしたものの、全体では338億円の減益となっている。
2030年をめどに北米市場で自動車販売金融事業に参入
このほか、決算発表に合わせて適時開示した新たな事業展開についても説明を実施。これまでスバルはJ.P.モルガン・チェースとのパートナーシップで北米市場における金融サービスを行なってきたが、2030年をめどにスバルとして独自に自動車販売金融事業に参入すると発表。新たなグループ金融会社を設立し、これまで築き上げてきた顧客とリテーラーのつながりをさらに強固なものとして、ユーザーニーズに合わせた金融商品の提示やアフターサービスとの連携、保証やコネクティッドサービスとの紐づけなども可能として収益の拡大を目指していく。
これは2025年11月に公表されたSUBARU 2025方針で掲げる「経営基盤の強靱化」の実現に向けた取り組みで、コスト改革や販売台数の増加と並ぶ「バリューチェーン収益拡大」を推進する大きな柱の1つだと戸田CFOは説明した。
質疑応答
後半に行なわれた質疑応答では、為替などの追い風もありつつ営業利益が減益となったことの受け止めなどについて問われ、戸田CFOは「確かに第1四半期は前年同期から為替の円安などの増益効果はありました。一方で卸売り台数の減少があり、説明しているとおり前年同期は関税の駆け込み需要後にリテーラーさんが在庫を積み増して、矢島工場で1ライン止まることの先取りなどで生産と卸売りで活況だった時期になっていました。これの反動で比較すると減少しているところもあります。ただ、台数については矢島工場のラインでこれから混流生産が始まり、フル生産体制に移行して下半期に向けて台数が増えていくと見込んでいます」。
「また、米国の販売では厳しい状況が続いてきたという認識です。そのなかで販売奨励金を増やしつつ、業界内ではまだ比較的低水準に抑えながら、販売奨励金や小売価格の見直しなどを機動的に手を打っております。これによって前年同期比で米国の小売り販売が1万台ほど増えています。足下では競争環境が少し落ち着いてくるような兆しも出てきていますが、楽観視せずに施策を講じて下期に向け販売を行なっていきます」。
「米国の競争環境激化にはいくつかの要因が複合的に働いていると感じていて、全体的な物価高で個人の消費マインドが、とくに高額商品ではあまりよくない。新車購入の志向でも価格面でアフォーダブルな方向に進んでいたり、他社さんでもかなりインセンティブを使っているなどの要因が挙げられます。状況を注視しながらいろいろな施策をきめ細かく打っているところです」とコメントしている。









