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トヨタの水素燃焼エンジン、ル・マン24時間の新しい水素レースプロトタイプカー「H24EVO」に供給へ 3.5リッターV型6気筒で最高出力650kW

「TR LH2 Racing Prototype」の進化型

ル・マン24時間の開催されたフランス サルトサーキットでデモランを行なう液体水素レーシングプロトタイプカー「TR LH2 Racing Prototype」。ドライバーはトヨタレーシング 中嶋一貴チームディレクター

トヨタの水素燃焼エンジンを、ル・マン24時間の次世代水素レースプロトタイプカーに供給

 世界三大レースの1つであるル・マン24時間レースを運営するACO(Automobile Club de l'Ouest、フランス西部自動車クラブ)とトヨタ自動車は9月26日、FIA WEC(世界耐久選手権)を開催中の富士スピードウェイで共同会見を行なった。

 共同会見は、今後ル・マン24時間レースに導入が予定されている水素を燃料とするレーシングプロトタイプカークラスに関してで、ACOではこの脱炭素自動車による水素レーシングの取り組みを「MissionH24(@MissionH24)」として活動を行なっており、プロトタイプカーのレギュレーションやデモ走行をル・マン24時間レースの中で実施している。

富士スピードウェイで行なわれた共同会見

 この共同会見には、ACO ピエール・フィヨン会長、MissionH24 バッセル・アスランテクニカルディクレクター、トヨタレーシング 中嶋一貴 チームディレクター、トヨタ自動車 パワートレーンカンパニー 上原隆史プレジデントが出席。トヨタ製の進化した水素燃焼エンジンを次世代のMissionH24の開発車両「H24EVO」にトヨタレーシングが最高出力650kW(約884馬力)の3.5リッターV型6気筒 水素燃焼エンジンを供給することが発表された。

 トヨタは2026年のル・マン24時間で、3.5リッターV型6気筒 水素燃焼エンジンを搭載した液体水素プロトタイプレーシングカーでのデモ走行を行なっており、ドライバーは会見にも出席している中嶋一貴チームディレクターが担当。改めて説明するまでもないが、中嶋一貴氏は元F1ドライバーでもあり、ル・マン24時間レースを3連覇している日本を代表するレーシングドライバーでもある。

 その中嶋氏が液体水素プロトタイプレーシングカーでル・マン24時間をデモランするイベントの注目度は現地フランスでも高く、ル・マンが開催されるサルトサーキットに水素エンジンの音を響かせていた。

 この水素レーシングカーは、2023年のル・マン24時間プレスカンファレンスでトヨタ自動車代表取締役会長 豊田章男氏が世界初公開したものの発展形になる。豊田章男氏は、同年のル・マン24時間でサルトサーキットを水素カローラでデモラン。こちらは高圧水素タイプの水素燃焼エンジンとなり、トヨタの水素技術をリアルなサーキットで紹介していた。

ACO ピエール・フィヨン会長(右)は、自身がトヨタ MIRAIを所有するなど水素の理解が深い。これはトヨタがMIRAIスポーツコンセプトをル・マンで披露したときに訪れたときのもの。「これはいつ出るのか?」と気にしていた
100周年を迎えた2023年のル・マン24時間プレスカンファレンスで、世界初の水素レーシングカーをお披露目したトヨタ自動車代表取締役会長 豊田章男氏
豊田章男氏はモリゾウとして、水素カローラを2023年のル・マン24時間でデモラン

トヨタの水素燃焼エンジンがMissionH24のプロトタイプカーに採用される意味

 ル・マン24時間レースは、1923年に5月に始まり今年で104年を数える世界で有数の歴史を誇るレースとなる。そのル・マン24時間レースに加わる脱炭素のカテゴリである水素レース(MissionH24)の3代目となるプロトタイプカーにトヨタの水素エンジンが採用されることになる。

 特に欧州においてのインパクトは大きなものとなり、MissionH24の発展次第、水素エネルギーの発展次第では、水素燃焼エンジンの広がりも大きなものになっていくだろう。

 トヨタは、2026年9月にドイツ ハノーファーで行なわれた世界最大級の商用車ショー「IAA TRANSPORTATION 2026 in Hannover」において、欧州の脱炭素推進へ第3世代燃料電池を供給すると発表しており、水素を燃料とする燃料電池においても部品供給の姿勢を強めている。

 トヨタは自社のユニコーン技術と言ってもよい水素技術を、HICE(Hydrogen Internal Combustion Engine)ともH2ICEとも表記される水素燃焼エンジン、FC(Fuel Cell)ユニットの両面において、トヨタ単独という枠を超えて脱炭素社会に向け提供していく一歩を踏み出した。

IAA TRANSPORTATION 2026において燃料電池やFCのセルそのものをほかのメーカーに供給することを発表したトヨタ自動車株式会社 代表取締役副社長兼CTO 中嶋裕樹氏