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グッドイヤーがWEC LMGT3クラスの単独タイヤサプライヤーとして参戦する理由とは?
2026年9月27日 08:00
- 2026年9月25日~27日 開催
WEC(FIA世界耐久選手権)のLMGT3クラスに独占でタイヤ供給を行なっているグッドイヤー。9月25日~27日に開催されている第6戦 富士6時間耐久レースの会場となる富士スピードウェイで、グッドイヤーがモータースポーツにタイヤを供給する理由、モータースポーツがタイヤ開発に与える影響など、さまざまな話を聞くことができた。
まず、なぜグッドイヤーがレース活動を支援するのか。これは、モータースポーツに参戦している多くのメーカーがそうであるように「製品の革新と技術の進化」を目標とし、「モータースポーツで得た知見を市販製品にフィードバックする」というターゲットがある。そのため、グッドイヤーはWECだけでなく、NHRA(北米を中心に開催されるドラッグレース)などにもタイヤ提供を行ない、さまざまなデータを収集するとともに、レースを通じてブランド認知度を高めるという活動を行なっている。
その中でも、耐久レースとなるWECは極めて過酷な環境下で行なわれるだけでなく、LMGT3クラスからは9ブランド18台のマシンが参戦していることから、多種多様なマシンからのフィードバックを得ることができる。そのため、WEC参戦マシンにタイヤを供給することで、開発のスピードも加速させることができるのだそうだ。
WECのLMGT3クラス向けのタイヤ開発では、レギュレーションでタイヤウォーマーの使用が禁止されていることから、コースインしてすぐに競争力が得られるように迅速なウォームアップができることと、タイヤ交換数を極力減らせるように耐久性を高めることを重要視しているという。その結果、今ではル・マン24時間レースで600kmを走破できるという、レース用タイヤとしては驚くべき耐久性を備えているとのこと。
さらにサステナビリティ部門とも連携し、大豆油を使用するなどして、サステナビリティ素材を33%使用したレース用タイヤを各チームに提供している。今後、2027年にはこのサステナビリティ素材の割合は2倍の66%まで増える予定となっており、すでに今回の富士にもそのタイヤを持ち込んでいるのだと明かした。
また、WECでは耐久性に加え、高い競争力も兼ね備えたタイヤが要求されることから、グッドイヤーはチームと密接に連携して開発を行なえるよう、各チームに専属のエンジニアを派遣。彼らはシーズンを通じてチームに帯同し、タイヤ交換のたびにタイヤの状態を確認し、チームに情報をフィードバックする役目を担っているのだという。また、ドライバーはレースごとにグッドイヤーのタイヤスペシャリストやエンジニアにタイヤの感触を伝え、エンジニアはその情報をタイヤ開発プログラムに反映させることで、より要望に合ったタイヤを「すべてに公平になる」よう開発に取り組んでいるとのことだった。
レースの現場は常に競合他社と対戦するか、ラップタイムを更新しようとするかのどちらかであり、そのような環境下では研究開発が惜しみなく投入され、「イノベーションを急速に加速させる場である」とグッドイヤーは考えているという。実際に、レースの現場では製品の革新が急速に進み、投入されたいくつかの技術は市販製品に引き継がれているのだそうだ。例えば、大豆油を初めて使用したのはレースの場であり、今では一部の市販製品にも採用されている。さらに、ウェットタイヤのトレッドデザインについても、レースで効果的だったデザインを市販製品に応用することもあるといい、高い技術が素早く市販品に展開され、一般の消費者にメリットをもたらすことがあるとした。
グッドイヤーはレースでも、一般の消費者にも、一貫して「安心感」を与えることを目指し、信頼性とともにパフォーマンスがしっかりと機能するタイヤを設計しているという。そして、モータースポーツでは「情熱」という点を通じて、より深く一般の消費者とつながることができると考えているといい、モータースポーツの現場の情熱は、市販されているタイヤにも技術の応用という形で込められているとのことだった。
文字通り「足下を支える」製品となるタイヤではあるが、その性能やどんな開発が行なわれているかは、なかなか伝わりづらいものがあるのではないだろうか。それでも、タイヤを購入する際には、モータースポーツの現場で愛と情熱を持って、マシンのパフォーマンスを引き出すために奮闘しているグッドイヤーのことを選択肢の1つとして思い浮かべてもらえたらと思う。









