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TDK、車載カメラの小型化に向けた電子部品、PoC用積層インダクタの新製品
2026年10月7日 11:34
- 2026年10月6日 発表
TDKは10月6日、車載PoC(Power over Coax)用途に向けた積層インダクタの新製品「MLJ1608WGC1R2MTD25」を開発し、同年10月より量産を開始したと発表した。使用例としては、カメラと制御ユニット(ECU)の間をPoCで結ぶ際、部品を少なくして小型化することが可能になる。
ADASなど車載カメラで広がるPoCとは
近年の自動車には、自動ブレーキやペダル踏み間違い防止、周囲360度のモニタリングなどを行なうADAS(先進運転支援システム)の進化に伴い、車両のフロント、リヤ、サイドなどに複数の車載カメラが搭載されている。
これらの車載カメラとECUを接続するためには、カメラの電力を供給する電力線と、撮影した映像信号を送る信号線の合計2組のケーブルが必要。これに対し「PoC」は、1本の同軸ケーブルに電力と信号を重ねて同時に伝送する技術。
PoCを採用することで、車内に張り巡らされるハーネス(配線)の本数を削減可能となる。これにより、配線スペースの省スペース化はもちろんのこと、車両の軽量化や燃費や電費向上を通じたCO2排出量の削減など、多くのメリットをもたらす可能性がある。
高周波帯でインピーダンス向上 信号と電力を高品質に分離
配線を少なくできるメリットがあるかわりに、信号と電源の統合を行なう電子回路と、反対に分離する回路が必要になる。特に分離については「電力」と「信号」を正確に分けるためにインダクタ(コイル)を組み合わせた広帯域のフィルタ回路が不可欠となる。
今回TDKが量産を開始した「MLJ1608WGC1R2MTD25」は、独自の材料設計および構造設計技術を駆使することにより、車載信頼性規格のAEC-Q200に適合しながら従来の0.56μH品から1.25μHへと大幅な高インダクタンス化を達成、特に車載通信で重要となる100MHz~700MHzの周波数帯域においては、従来品と比較して1.7~2倍という高いインピーダンスを実現した。
インピーダンスとは交流における抵抗で、インピーダンスの値が高いほど電源として分離する場合に高周波成分を通しにくくなる。これまで広い帯域で高いインピーダンスを実現するために帯域別にインタクタを複数搭載していたが、TDKでは、新しいインダクタを使うことで、ひとつの設計例として3個を2個に削減するなかで1608サイズより少し大きい2012サイズの部品を1つ減らすと18.2%のスペース削減ができ、カメラやECUの小型化に貢献するとしている。
薄く巻くことで1608サイズでの小型化を実現
技術面では、今回の新しいインダクタの特徴のひとつが、高いインダクタンス値(Hの値)を積層工法を採用した1608サイズとよばれる1.6×0.8×0.8mmという極小サイズで実現したこと。
インダクタとはコイルのことで、積層の場合は層を重ねて巻き線に相当するものを工法ではあるが、そのなかで、どれだけ巻き数を増やすか、どれだけ薄く巻くことができるか、ということが今回の新しいインダクタを実現した技術になるという。
今後は、現在の定格電流は350mA仕様だがそれをさらに大きくしていく。同時に、PoCで伝送する高周波の周波数が高くなる傾向もあるため、インダクタンス値が小さいが、より小さい1005サイズのシリーズ展開を進めていくという。
なお、今回の製品の生産体制については、国内工場である秋田県の大内工場で生産し、2026年10月の量産開始にあわせて当初は月産1000万個の生産する計画。サンプル価格は1個あたり税抜40円。






