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ホンダ、株主優待の「マリン体験会」 東京湾クルージングでV8フラグシップ船外機の魅力をアピール
パーソナルモビリティ「UNI-ONE」試乗会も実施
2026年11月4日 10:34
- 2026年11月3日 開催
本田技研工業は11月3日、東京都江東区にある東京夢の島マリーナで自社の株主を対象とした体験イベント「マリン体験会」を開催した。
このマリン体験会では、1964年に最初の製品を市場投入してから世界の海で活躍しているホンダの船外機が持つ魅力を株主に体感してもらえるよう、ホンダ船外機を搭載したクルーザーを使って東京湾のプレミアムクルージングを実施。保有継続年数3年以上の株主を対象として行なわれる株主優待で、募集人数の20人に対して8204人から参加希望が寄せられ、当選倍率は約410倍という注目度の高いイベントとなった。なお、株主本人に加えて2人まで同行者が参加可能で、安全上の理由から小学生以上が対象となっている。
当日は受付後に、本田技研工業 二輪・パワープロダクツ事業本部 マリン事業部 事業部長の吉田淳二郎氏がホンダのマリン製品の歴史やクルージングで体験できる船外機の特徴、クルージング中の注目点や安全確保のために気をつけてほしいポイントなどを解説する15分ほどのオリエンテーションが実施され、そこから係留バースに移動して本番の東京湾クルージングが行なわれた。
東京の名所を水上から巡りつつ、ホンダ船外機の魅力を体感
東京夢の島マリーナからスタートして1時間ほど水上の移動を楽しんだクルージングでは隅田川などをさかのぼって川の中央から東京スカイツリーを眺めたり、レインボーブリッジなどさまざまな橋の下を通過して日ごろは見ることのできない下からの景色を楽しみつつ、搭載されているホンダのフラグシップ船外機「BF350」の静粛性や力強さなどを体感。ホンダ製V型8気筒エンジンということでエンジンサウンドも気になるところだが、水上では加速時も水しぶきを上げたり風を切る音などと混ざって低音成分が耳に入ってくる程度だった。
レインボーブリッジ近くの開けたエリアでは、定格出力350PSを発生するBF350を2基掛けすることで可能になる最高速の80km/h近くまで加速するフルスロットル状態も披露。ほかの船が残した航跡波を乗り越えるタイミングでは体が瞬間的に宙に浮くようなシーンもあり、フラグシップモデルが持つパワーを見せつけた。
BF350は定格出力257.4kW(350PS)/5500rpmを発生
今回のマリン体験会で使用されたBF350は、2024年2月にホンダの船外機として初めてV型8気筒エンジンを採用したフラグシップモデル。米国などで販売されているピックアップトラック「リッジライン」に搭載されている「J35A型」のV型6気筒エンジンをベースとしながら2気筒を追加。ホンダ車でもおなじみの可変バルブタイミング&リフト機構「VTEC」を備えるほか、船外機は高回転域が多用されることも多いことを受け、クランクシャフトにはNSXと同じ高強度材料を採用。さらにホンダ独自のクランクピン配置によって一次慣性偶力、二次慣性偶力を排除して、バランサーシャフトなどを装備することなくエンジンの振動を抑制している。
エンジン排気量は5.0リッターで定格出力257.4kW(350PS)/5500rpmを発生。出力軸が直立する「立軸形」となっており、エンジンの潤滑方式はトロコイドポンプによる強制圧送式となる。このほか、空燃比連動点火時期制御によって立ち上がり加速の向上させる「BLAST」、O2センサーを利用する超希薄燃焼で低燃費化を図る「ECOmo」といった制御技術が採用されている。
パーソナルモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」試乗会も実施
クルージング体験が終わったあとにはホンダのパーソナルモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」の試乗会も実施。これは今回の株主優待イベントで、ホンダが2輪や4輪以外の事業も積極的に取り組んでいることを知ってもらうために行なわれたという。
ホンダのファンになってもらって株式を長期保有してもらえるようにしたい
マリン体験会の終了後には、報道関係者向けに本田技研工業 コーポレート管理本部 経理財務統括部 財務部 部長 伊藤功志氏が近年新たな取り組みを進めているホンダの株主還元、株主優待の取り組み内容と効果などについて解説を行なった。
ホンダは2028年に創業80周年を迎える長い歴史のなかで2輪、4輪をはじめとしてモビリティに関連する多彩な製品を世に送り出しており、グローバル販売でナンバー1を維持し続けている2輪事業を中軸としつつ、4輪事業、パワープロダクツ事業でバランスの取れた事業ポートフォリオを有していることが大きな強みであるとアピール。
近年ではグローバルでの競争激化や事業環境の急激な変化を受けてBEV(バッテリ電気自動車)関連の大きな損失を計上することになったが、4輪事業の方向性を再構築する「ビジネスアップデート」を5月に発表。「コスト体質の改善」「開発効率の向上」「重点地域に対する経営資源の集中」といった3点を軸に競争力向上を図り、3年間で4輪事業の体質を再構築。安定的に収益を稼げる事業に改革して、2029年3月期には営業利益を過去最高水準となる1兆4000億円以上に引き上げる計画だと語った。
株価では、3月12日にBEV関連損失を発表してから大きく下落したが、5月のビジネスアップデート発表以降は上昇に転じており、円高が進行したことで自動車セクター全体で株価が下落する局面もあったものの、好調な販売状況を背景に上昇を続け、10月には年初来高値を更新して日経平均を上まわる株価になっていると述べた。
この背景として、ホンダでは株主還元を経営における最重要課題と位置付けており、継続的、安定的な配当に務めていると説明。今後も継続的に株主還元を成長させていくことを目的に、2026年3月期以降は配当方針を「DOE(調整後親会社所有者帰属持分配当率)」に変更している。
また、株主層を拡大させるための取り組みとして、2023年3月に1回目となる株主優待の刷新を行ない、2023年9月には株式分割を行なって投資単価の引き下げによって投資しやすい環境を確保。2025年3月に2回目の株主優待刷新、2026年3月には立て続けに3回目の株主優待刷新を行なっている。これらの施策により、総株主数は2023年3月の約21万5000人から2026年6月には約73万人まで約3.4倍増を果たしている。
この日の本題となった株主優待では、1984年から継続している「工場見学会」に加え、2023年には「Honda Jet体験会」を初開催。2025年からはこの日に2回目が行なわれたマリン体験会のほか、「モビリティリゾートもてぎ体験会」「セーフティスクール体験会」「ラグビー観戦」「カーシェア割引クーポン」の計5種類をスタートさせている。
ホンダではこのような株主優待を通じ、ホンダが手がけている事業や製品、施設、理念などを身近に感じてもらい、ホンダのファンになってもらって株式を長期保有してもらえるようにしたいとの考えを示した。
ホンダの長い歴史では記念品のプレゼントなどさまざまな株主優待を行なってきたが、体験型の株主優待を利用した人は株式の長期保有のほか、議決権の賛成行使、ホンダ製品の購入などにつながりやすいことが見えてきており、これが工場見学会を長年に渡って続けている一因にもなっているという。
体験型の株主優待ではHonda Jet体験会がとくに応募倍率が高い人気の企画となっており、募集人数が少なかった初回時には倍率が800倍を超える結果となり、飛行回数を増やして募集人数を拡大した現在でも約490倍という状況になっている。
Honda Jet体験会が誕生したきっかけも説明され、ホンダは日本国内にHonda Jetを1機保有しているものの、あまり利用されていなかったことに株主優待の企画担当者が目を付け、企画を組んで三部敏宏社長に提案したところ「面白いじゃないか」とすぐに実施する運びになった。現時点では新しい体験型の株主優待を増やす予定はないが、ホンダらしい夢のある企画を生み出して株主に楽しんでもらえる体験を提供したいと意気込みが語られた。

















































































