エヴァンゲリオンレーシング、シリーズ10位に
SUPER GT第7戦オートポリス、最終戦もてぎ


 10月2日に2011 AUTOBACS SUPER GT 第7戦 SUPER GT in KYUSHU 250kmの決勝がオートポリス(大分県日田市)で、10月16日にはシリーズ最終戦となる2011 AUTOBACS SUPER GT 第8戦 MOTEGI GT 250km RACEの決勝がツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)で開催された。レース結果などはすでに別記事で紹介しているので、本記事ではCar Watchの読者に人気の高い、エヴァンゲリオンレーシングの各セッションの詳細をお届けする。

 第6戦を終えた段階でポイントラインキングでトップに立つ4号車 初音ミク グッドスマイル BMWと、2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電は44点差。残り2戦を連勝しても獲得できるのは40点なので、チャンピオン争いは終結となった。前半の不振の影響で、紫電はデビュー以来初めて最終戦のチャンピオン争いに残れないこととなったが、残り2戦は上位入賞、できれば優勝して、チャンピオン争いをする上位陣をかき回したいところだ。

SUPER GT 第7戦 SUPER GT in KYUSHU 250km
 第7戦の舞台はオートポリス。昨年はSUPER GTが開催されなかったため2年ぶりのレースとなる。紫電は2006年のデビューイヤーに、ここオートポリスで初優勝している。中高速コーナーが多く、コーナーリング性能に優れる紫電が得意とするサーキットだ。

公式練習(10月1日)
 初号機はいつもどおり加藤選手がコースイン。異なるタイヤをテストしつつ1分51秒877でクラストップタイムを叩き出し高橋選手に交代した。3年ぶりにオートポリスを走る高橋選手は1分55秒117とタイムが伸びない。特に第3セクターが大幅に遅く、この区間をまとめれば1分53秒台は狙えそうだ。加藤選手が出したタイムは最終的にクラス3位、相性のよいオートポリスで上位入賞の可能性は充分ありそうだ。


予選1回目を走る初号機

予選1回目(10月1日)
 オートポリスの予選方式はスーパーラップ方式。予選1回目の上位10台がスーパーラップに進出し、1台ずつタイムアタックを行いスターティンググリッドを決める方式だ。

 公式練習ではタイムが伸びなかった高橋選手だが、車載ビデオ、データーロガーにより短時間に徹底的に学習して予選1回目に臨んだ。コースインした高橋選手は計測2周目に1分53秒435を記録し、この時点で5番手につけた。交代した加藤選手はGT300クラス占有時間に1分51秒265のタップタイムを叩き出しクラス2位。スーパーラップに進出を決めた。

スーパーラップ(10月1日)
 予選1回目を2位で通過した初号機は、10台中9番目の出走となる。予選1回目で7位、4番目出走の62号車 R&D SPORT LEGACY B4が1分50秒447と、50秒台のタイムを出したため、予選1回目より路面コンディションがよくなっていると判断。初号機はウイングのセッティングを若干変更し、スーパーラップに臨んだ。

 加藤選手が走り出してみると路面コンディションに変化はなく、セッティング変更が裏目に。第1セクターで62号車 R&D SPORT LEGACY B4から0.5秒遅れ、第2セクターで0.7秒遅れ、ゴールラインでは1秒近い差が付き1分51秒418と予選1回目より遅いタイムで4位に後退してしまった。

 予選1位は50秒台と驚異的なタイムを出した62号車 R&D SPORT LEGACY B4。2位は86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3、3位は25号車 ZENT Porsche RSR。4位の初号機はトップとは1秒近い差となったが、2位とは0.9秒、3位とは0.015秒差。セッティング変更をしなければ2番グリッドを獲得できただけにやや残念な結果となった。

ピットウォーク・キッズウォーク
 SUPER GTシリーズでは土曜、日曜にピットウォーク、土曜のセッション終了後にキッズウォークが行われる。今回のエヴァンゲリオンレーシングは弐号機がエントリーしなかったため綾波レイ役の水谷望愛さんとカヲル役の采女華さんの2人のレースクイーンが参加した。エヴァンゲリオンレーシングのピットはいつもどおり多くのファンが集まった。

綾波レイ役の水谷望愛さんカヲル役の采女華さんオートポリスは2人が参加
ピットウォーク、グリッドウォークには多くのファンが集まった

フリー走行(10月2日)
 SUPER GTではレース中にピット作業エリアに出られる人数は7名。タイヤ交換スタッフは2名のため、左右または前後の2本を1名で作業することとなる。加えて給油中はタイヤ交換を行うことはできないルールだ。オートポリスは他のサーキットとピットが逆向きとなるため、ピット作業のメカニックの配置もオートポリス仕様となる。

曇り空の下、フリー走行を走る初号機

 ここはタイヤの摩耗が激しくタイヤ無交換作戦は難しい。タイヤ交換を行うと、冷えたタイヤでコースインするためアウトラップのタイムが落ち込む。アウトラップのタイムは順位に大きく影響するため、タイヤ交換を行う上で重要なポイントとなる。

 朝のフリー走行ではオートポリス仕様のピット作業と、高橋選手が冷えたタイヤでアウトラップを走行するピットワークシミュレーションが行われた。加藤選手がコースインし7周を走行。ベストラップは1分54秒350。ピットインし高橋選手に交代。冷えたタイヤに交換してコースイン。ラップタイムを1分58秒台、56秒台、55秒台と縮め1分54秒732と前日の予選タイムには及ばないものの、決勝用のセッティングでは充分なタイムで走行を終えた。

決勝を前に最後のミーティングが行われたマシンに乗り込んだ加藤選手ウォームアップ走行でピットに戻ってきた初号機

決勝レース(10月2日)
 決勝の天気は曇り。スタートドライバーはいつもどおり加藤選手。決勝は54周で行われるが、GT300クラスは50周くらいでゴールとなる。スタートは62号車 R&D SPORT LEGACY B4がトップをキープ。2位は86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3、3位は25号車 ZENT Porsche RSRも順位は変わらず、初号機も予選順位の4位をキープした。5位には予選7位の4号車 初音ミク グッドスマイル BMWがジャンプアップした。

GT300のスタートシーン(Photo:Burner Images)1周目の1コーナーは62号車、86号車、25号車に続く4位で通過初号機の後ろは4号車

 2周目の1コーナーで25号車 ZENT Porsche RSRが2位にポジションアップ。その間にトップの62号車 R&D SPORT LEGACY B4が逃げ、後続との差を4周目には5.7秒、8周目には7.8秒、12周目には9.3秒と開き独走態勢。

 5位を走行するシリーズポイントトップの4号車 初音ミク グッドスマイル BMWは徐々にタイムを落とし、5周目には2.3秒、10周目には4.1秒、15周目には9.3秒、20周目には13.5秒と差が開き、25号車 ZENT Porsche RSR、86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3、初号機による2位集団が形成された。

62号車が逃げ、25号車が2位に浮上序盤は25号車、86号車と2位集団を形成5位の4号車は徐々に後退していった

 ペース的には初号機は前の2台より速いが、抜くまでには至らない。24周目に62号車 R&D SPORT LEGACY B4がピットインを行い、見かけ上の1位争いとなった。27周目、後半の登りセクションで86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3がミス。インが開いたところを逃さず初号機が2位に浮上。直後の28周目に86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3が第2ヘアピンの立ち上がりでスピン、コース復帰に40秒ほど要し上位争いから脱落しトップ争いは2台となった。

86号車を攻め立てる初号機86号車を抜き25号車の背後に付ける

 32周目に25号車 ZENT Porsche RSRがピットインし初号機がトップに。35周目までその順位をキープしピットへ戻ってきた。オートポリス仕様のピット作業は完璧。23秒で作業を終え高橋選手をコースに送り出した。

 コースに復帰すると62号車 R&D SPORT LEGACY B4に続く2位にポジションアップ。燃費がわるく給油時間の長い25号車 ZENT Porsche RSRはピット作業で5位に後退した。初号機の4秒後方には14号車 SG CHANGI IS350、その3秒後方には11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458。

見かけ上のトップを走る初号機ピットアウトすると2位。後方は14号車、11号車、25号車

 3位を走る14号車 SG CHANGI IS350は14番グリッドからスタート。16周目に10位まで順位を上げ、17周目にピットイン。19位まで順位を落とすがタイヤ交換により1分56秒台だったラップタイムを1分54秒台に上げ、パッシングと他車のピットインにより徐々にポジションアップし3位まで浮上した。

 11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458も19周目にピットインし後方から追い上げる作戦を採った。21台中20位まで後退するが、タイヤ交換後はラップタイムを上げ4位までポジションアップした。

 トップの62号車 R&D SPORT LEGACY B4は初号機に15秒の大差を付け独走態勢。タイヤに熱も入りペースを上げようとする高橋選手だったが、第2セクターまで周回遅れに阻まれ37周目は1分58秒台と遅れ、3位の14号車 SG CHANGI IS350に1.7秒差に詰められる。

終盤は初号機、14号車、11号車のバトルとなった

 表彰台を目指す高橋選手は38周目には1分55秒台にラップタイムを上げ2位をキープ。残り10周、4位の11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458も加わり表彰台を賭けた2位争いが始まった。

 残り4周となった1コーナーで14号車 SG CHANGI IS350が初号機のインに強引に飛び込んだ。ブレーキングが遅れ、止まりきれずコースアウトしそうな勢いで飛び込んだ14号車 SG CHANGI IS350は、姿勢を乱し直線的にアウトに膨らむ。通常のラインでコーナーへ切り込んだ初号機に接触。初号機のアウト側のタイヤをコース外へ押し出し、2台の争いでガラ空きになったイン側を11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458がすり抜け、漁夫の利で2位に浮上した。

 コースアウトしそうなところを接触によりコースに留まった14号車 SG CHANGI IS350は3位で走行を続け、アウト側のタイヤをグラベルに落とした初号機は、ややスロー走行で4位へ後退した。14号車 SG CHANGI IS350に対しドライブスルー、あるいはレース後のタイム加算のペナルティが出るかと思われたがおとがめなし。もしこの2台がトップ争いをしていればコース外に押し出しての優勝は認められなかったと思える強引なパッシングだった。


11号車に2位に浮上し、14号車が3位、はるか後方に初号機

 レースはこのままの順位でゴールを迎え、初号機は惜しくも表彰台を逃した。もし14号車 SG CHANGI IS350にペナルティが出ていれば3位表彰台、もし高橋選手が早めのブレーキングでクロスラインを取っていれば14号車 SG CHANGI IS350は単独でコースアウトし2位表彰台、もっとさかのぼればスーパーラップでセッティングを変更せず2番グリッドからスタートしていれば、大きなマージンを持って2位表彰台を獲得できたかもしれないレースだった。

 2戦連続の表彰台を逃し悔しさは残るものの、シーズン前半の不振を思えば上位でレースをできる実力を取り戻した初号機は、4位入賞でシリーズポイントも9位までランクアップし最終戦を迎えることとなった。



最終戦に臨む初号機

SUPER GT 第8戦 MOTEGI GT 250km RACE
 わずか2週間のインターバルで迎えた最終戦の舞台はツインリンクもてぎ。STOP & GOのサーキットでエンジンパワーが要求され、2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電にはやや厳しいコースとなる。2008年、2010年には2位を獲得しているが、FIA-GT勢が台頭する今シーズンは表彰台に登ることは容易ではない。

公式練習(10月15日)
 予選が行われた土曜日の天候は雨。震災の影響でコースのおよそ60%の舗装が新しくなったこともあり、8月末にテストが行われたが、ドライコンディションでのテストだったため、この日の走行はタイヤ選択が難しくなった。雨は終日続き、日曜の朝のフリー走行まで降り続いた。

 加藤選手がミディアムのレインタイヤを装着しコースイン。2分8秒台のタイムで2番手に付けるが、ハンコックタイヤを履く33号車 HANKOOK PORSCHEが2分6秒台と断トツの速さを見せた。その後路面の雨量が減ったこともあり各車のラップタイムが向上、チャンピオン争いをする4号車 初音ミク グッドスマイル BMWがトップに立った。

ピットアウトする初号機公式練習を走る初号機

 加藤選手はソフトのレインタイヤに履き替え2分6秒620を出すが依然2番手。トップとの差は1秒近い。前後のタイヤにソフト、ミディアムのレインタイヤを組み合わせたところタイムは2分05秒506まで縮まり、予選に向けてのタイヤ選択が決まったので高橋選手に交代した。

 ウェットコンディションのため多くのマシンがコースアウトする中、高橋選手もコースイン3周目の5コーナーでコースアウト。マシンのダメージはなかったが砂利を除去するために緊急ピットイン。貴重な走行時間をピットで費やすこととなってしまった。

 再びコースインした高橋選手だがタイムは2分10秒台、8秒台とバラツキが目立つ。最後に7秒台まで短縮したがやや不安を残した公式練習となった。

予選1回目Q1(10月15日)
 今回の予選はノックアウト方式。Q1の上位16台がQ2に進出、Q2の上位10台がQ3進出となる。Q2、Q3は同じドライバーが走ることができない。Q1からQ2に進むにはもう1つ条件がある。チームのドライバー2人ともが基準タイム(クラストップ3の平均タイムの105%以内)をクリアしなければならない。

 雨の場合、路面コンディションでラップタイムに大きな差が付くことがある。セッション後半に雨が強くなると、後半にタイムアタックしたドライバーが基準タイムをクリアできない。逆に後半に路面が回復すると、基準タイムが最後に大きく上がり、大丈夫と思った前半のドライバーのタイムが基準以下になることもある。そのためセッション開始から早めにタイムを出し、状況によっては再びドライバー交代をしてアタックする必要がある。

予選1回目の走行

 そのために早めにコースインをしたかったが、ヨコハマタイヤのサービスが雨で大忙しとなり希望したウェットタイヤが組み上がらない。混走30分、GT300クラス占有走行10分の合計40分のセッションで、10分もタイヤを待って加藤選手がコースイン。

 加藤選手は計測ラップ1周目に2分6秒649を出し9番手。次の周に2分6秒177まで縮めるが順位は変わらず。路面が急速に変化する心配もなく、このタイムであればQ2進出はできると判断し早めに高橋選手に交代した。

 高橋選手は計測3周目に2分7秒984をマーク。そのままGT300クラス占有走行も走り2分7秒504まで縮め、最終的に11番手でQ2進出となった。

予選Q2/Q3(10月15日)
 予選Q2、Q3は同じドライバーが走ることができない。高橋選手のタイムでは10位以内に入りQ3進出は難しいので、Q2を加藤選手が担当し、Q3を高橋選手が担当するのが初号機の作戦だ。加藤選手がQ2で10位以内を確保し、Q3でタイムを出せないマシンやコースアウトするマシンがあれば予選順位を上げることもできる。

Q2を走る加藤選手

 予選Q2開始。雨は弱くなり、浅溝のレインタイヤを選択して加藤選手がコースイン。徐々にタイヤを暖め4周目に2分5秒124で5位、さらに2分5秒089に縮めるが他車もタイムを縮めたため6番手でQ3進出を決めた。

 予選Q3は高橋選手が担当。Q3を走る谷口信輝、平中克幸、松浦孝亮、山野哲也、星野一樹といったトップドライバーに太刀打ちできる訳もなく、2分8秒679で10番グリッドからのスタートとなった。


ピットウォーク・キッズウォーク
 SUPER GTでは土曜、日曜にピットウォーク、土曜のセッション終了後にキッズウォークが行われる。最終戦もエヴァンゲリオンレーシングは弐号機がエントリーしなかったため2人のレースクイーンが参加。今回は綾波レイ役の水谷望愛さんとシンジ役は清水恵理さん。エヴァンゲリオンレーシングのピットはいつも通り多くのファンが集まっていた。また、日曜日のピットウォークの時間に加藤選手はGT参戦100戦のグレーテッドドライバーの表彰を受けた。

綾波レイ役の水谷望愛さんシンジ役は清水恵理さん今回は2人が参加
ピットウォーク、グリッドウォークには多くのファンが集まった
3人のドライバーがGT100戦を達成し表彰されたファンに挨拶する加藤選手

決勝レース(10月16日)
 朝のフリー走行まで降り続いた雨があがり、決勝がスタートする頃は空は快晴、路面はドライとなっていた。スタート1時間前に行われるウォームアップ走行で予選7位の33号車 HANKOOK PORSCHEにドライブシャフトのトラブルが発生。グリッドに並ぶことができずピットスタートとなり初号機は9位からのスタートとなった。

GT300クラスのスタートシーン(Photo:Burner Images)初号機は9位で1コーナーへ。33号車はピットスタート
3コーナーの進入も初号機は9位74号車に迫る初号機

 スタートで順位の入れ替えはなく初号機は1周目を9位で通過、4周目の1コーナーで74号車 COROLLA Axio apr GTを抜き8位にポジションアップ。7位の27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリにしばらく蓋をされたが、8周目の1コーナーでようやく抜くことができ7位に浮上した。


サイド・バイ・サイドで並びかけるが抜けず
ようやく8位に浮上次のターゲットは7位の27号車
抜きに掛かるがコース外に押し出され抜けず

 9周目、トップ争いをしていた62号車 R&D SPORT LEGACY B4がホイールナットが緩むトラブルで緊急ピットインし6位となるが、ピットスタートで最後尾から追い上げる33号車 HANKOOK PORSCHEが他車を圧倒する速さで猛進、10周目の5コーナーで抜かれ6位の座を明け渡した。

やっと7位浮上背後に33号車が迫ってきた
33号車に攻められる初号機33号車に抜かれた初号機

 レース周回の1/3を過ぎた18周目から上位陣のピットインが始まった。18周目に11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458、19周目に4号車 初音ミク グッドスマイル BMW、20周目に66号車 triple a Vantage GT、22周目に88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3、25周目に33号車 HANKOOK PORSCHEと43号車 ARTA Garaiyaがピットに入り、前を走る6台がいなくなったため、初号機は見かけ上のトップに立った。


66号車を攻め立てる初号機
66号車がピットインし次のターゲットは43号車43号車に迫るが、43号車はこのままピットへ

 初号機は加藤選手がタイヤを温存しながらギリギリまで走り、タイヤ無交換で高橋選手が後半のスティントを走りきる作戦。トップに立った加藤選手のラップタイムも速く、予定通りタイヤ無交換で上位を狙うこととなった。

4位でコース復帰するが、43号車が背後に迫ってきた

 34周目、トップをキープしピットイン。4位でコースに復帰するがすぐ後方に迫った43号車 ARTA Garaiyaに37周目に抜かれ5位に後退。高橋選手のラップタイムは2分02秒台からなかなか上がらない。ほとんど走っていないドライコンディションに加えタイヤ無交換は厳しかった。

 38周目に66号車 triple a Vantage GT、39周目に88号車 JLOC ランボルギーニ RG-3と62号車 R&D SPORT LEGACY B4、43周目に86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3に抜かれスタートと同じ9位まで後退してしまった。

 レース終盤で86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3がマシントラブルで後退し8位のポジションアップ、そのまま49周を走りきり8位でフィニッシュとなった。結果としてはタイヤ無交換作戦がやや裏目に出た感じはするが、元々相性のよくないツインリンクもてぎのレースとしてはまずまずの結果とも思われる。

最終ラップは8位で走行。後方の26号車には大差を付けた

 最終戦の8位3ポイントを追加してドライバーズポイントは32ポイントとなり10位。シリーズ前半の4戦で5ポイントしか獲得できなかったことが悔やまれるシーズンだった。

 シリーズ戦は終了したが、11月11~13日に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2011」が開催される。エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電の今シーズン最後の勇姿を見るチャンスなので、是非サーキットへ足を運んでいただきたい。


(奥川浩彦/Photo:奥川浩彦/報道専用レースフォトデータベース Burner Images)
2011年 11月 1日