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ブリヂストン、今年のSUPER GT優勝に向けた決意表明

2013年度のモータースポーツサポート計画を発表

2013年3月21日開催

コーポレートコミュニケーション・モータースポーツ担当 常務執行役員 武濤雄一郎氏

 ブリヂストンは3月21日、2013年度のモータースポーツサポート計画を発表、都内で記者会見を行った。

 記者会見には、コーポレートコミュニケーション・モータースポーツ担当 常務執行役員 武濤雄一郎氏、モータースポーツ推進部長 二見恭太氏、モータースポーツ第2課長 山田宏氏のほか、4輪ドライバーを代表して脇坂寿一選手、2輪ドライバーを代表して秋吉耕祐選手が出席し、今年度のモータースポーツ活動への意気込みなどを語った。

 冒頭に挨拶を行った武濤氏は、「私は昨年の9月からモータースポーツの担当となったが、色々な方に『最近ブリヂストンはモータースポーツで元気がないじゃないか』との激励をいただくことがあった。去年も一生懸命やっていましたが、今年はさらに社としてモータースポーツに力を入れていくことを宣言するために、このような場を設けさせていただいた」と、記者会見を開いた背景を語る。

 特にSUPER GTでは一昨年、昨年とブリヂストンタイヤ装着車は優勝を逃していることから、今年は王座奪還に向けてGT500クラスでは新たにレクサス・チーム・サードをサポートチームに加え、出場車両の15台中9台にタイヤを供給。またGT300クラスでは、ガライヤからCR-Zに車輌を変更したオートバックス・レーシング・チーム・アグリを含む2チームにタイヤを供給することが決定している。

 そのSUPER GTについて、武濤氏は「一昨年、昨年の成績は我々にとって非常に不本意な成績に終わったが、今年は挽回しようということで本社を含め、小平の技術センターの体制を強化していこうと思っている。再来週(4月6日、7日)に岡山国際サーキットで最初のレースがあるが、そこで幸先のよいスタートを切りたいと思っている」と、SUPER GT初戦への意気込みを語るとともに、FIM ロードレース世界選手権シリーズ MotoGPについては「シングルサプライヤーとして今年で5年目になるが、さらに選手の皆様、チームの皆様にもっと安全でエキサイティングなレースができるタイヤを供給していけるように、今年も頑張っていきたい」と述べた。

 このほか、4輪カテゴリーでは全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズに参戦する全車両にレーシングタイヤを供給する。

脇坂寿一選手
モータースポーツ推進部長 二見恭太氏
秋吉耕祐選手
モータースポーツ第2課長 山田宏氏
互いの健闘を誓った脇坂選手と秋吉選手
記者会見およびトークショーの司会・進行を務めたピストン西沢氏

GT500クラスサポートチーム

サポートチームサポートドライバー
LEXUS TEAM LeMans ENEOS大嶋和也/国本雄資
LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S中嶋一貴/ジェームス・ロシター
LEXUS TEAM KeePer TOM'S伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ
TEAM CERUMO立川祐路/平手晃平
LEXUS TEAM SARD脇阪寿一/石浦宏明
TEAM IMPUL松田次生/J・P・デ・オリベイラ
AUTOBACS RACING TEAM AGURIラルフ・ファーマン/松浦孝亮
KEIHIN REAL RACING塚越広大/金石年弘
Team Kunimitsu伊沢拓也/小暮卓史

GT300クラスサポートチーム

サポートチームサポートドライバー
TEAM MUGEN武藤英紀/中山友貴
AUTOBACS RACING TEAM AGURI高木真一/小林崇志

今年はブリヂストンスタッフの目の色が違う

ドライバー、開発陣を含めてトークショーを開催

 また、武濤氏の挨拶のあとに脇坂選手、秋吉選手、二見氏、山田氏によるトークショーも開催。

 司会を務めるピストン西沢氏から、「昨年ミシュランタイヤで(SUPER GTの)シーズンを戦いましたけど、それぞれ(タイヤの)いいところ、わるいところの整理はついている?」と聞かれた脇坂選手は、「まあ言いにくいですけどそうですね(笑)。1年を通してブリヂストン以外のタイヤでレースしたのは去年がはじめてでした。今年ブリヂストンに戻らせていただいたのですが、現場にいる方の目の色が違いますよね。僕はものすごいラッキーなタイミングで戻らせていただいたのではないでしょうか」と、SUPER GTで優勝するという目標を掲げるブリヂストンの本気度を語る。

 また、「SUPER GTは世界で唯一と言っていいほどタイヤ戦争が繰り広げられているクラスでして、そこでブリヂストンのタイヤでタイトルを獲るというのは世界に対するアピールだと思います。何回も言いますが(優勝に向けて今年のブリヂストンは)本気なんですよ(笑)」「SUPER GTはホントにお客さんがたくさん来ていただいて、目を輝かせた子供たちが『脇坂寿一だ!』って指を指してくれるんですけど、彼らがブリヂストンタイヤの活躍を見て将来自分たちが乗るクルマにブリヂストンタイヤをつけたいんだと思ってくれるようなレースを展開したい」「サードチームがはじめてミシュランタイヤを履いたとき多少のとまどいがあったようですが、今年ブリヂストンタイヤを装着させていただいて、すぐ順応できた。それは使いやすいタイヤということでもありますし、タイムもでていますので試合が楽しみ。ブリヂストンさんが本気になっているタイミングで、“脇坂寿一ここにあり”というレースをやりたい」と、今年のブリヂストンの意気込みや自身の抱負などを語った。

 一方、SUPER GTやスーパーフォーミュラに参加する意義を聞かれた二見氏は、「とくにSUPER GTはタイヤメーカーがコンペしているレースカテゴリーで、まさに我々の技術を計算する場、また技術力を発信していく場として考えている」と述べたほか、「今年は本気でモータースポーツに取り組んでいる。開発陣はクリスマス、正月返上で土日もなく、この一時もタイヤを進化させるために努力している。(今年はきっと)ブリヂストンは優秀なドライバーの栄光を支援することになると思う。その栄光が脇坂選手に光ってくれるとまた嬉しい」と、今年の優勝への想いを語った。

(編集部:小林 隆)