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【Honda F1復活祭】鈴鹿サーキット女子部が企画した「アイシングクッキー選手権」
元F1ドライバーが審査する豪華企画
(2015/3/12 08:50)
- 2015年3月7日~8日開催
- Webからのプリントアウトで無料など
鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)は、3月7日~8日の2日間に渡り「モータースポーツファン感謝デー 2015」を開催した。この中で鈴鹿サーキットは、鈴鹿サーキットの女性社員の集まりである「鈴鹿サーキット女子部」が企画した「アイシングクッキー選手権」を開催した。アイシングクッキーとは、プレーンのクッキーにオリジナルのデコレーションをして作るクッキーのことで、各回定員50名で、各日2回ずつ開催された。
「モータースポーツファン感謝デー 2015」はWebから入場券をプリントアウトすることなどで無料になることもあり、通常のレースウィークエンドに比べて女性、子供の姿が目立っており、このアイシングクッキーイベントは、そうした来場者をターゲットにしたもの。日曜日に開催された各2回は、いずれも定員に達するなど大盛況だった。参加者が作ったアイシングクッキーは、午前中の部はライダーの中野真矢氏、午後の部はドライバーの中野信治氏が審査員として参加し、優勝者には鈴鹿サーキットホテルのレーシングルームプレミアム宿泊券、2位には鈴鹿サーキットで開催されるレースチケット(2&4レースないしは鈴鹿1000kmから選択)が送られるなど豪華賞品が授与された。
鈴鹿サーキット女子部が企画した、女性による女性のためのイベント
今回開催されたアイシングクッキー選手権は、鈴鹿サーキット女子部が企画し、実際の運営にも当たっている。実際、イベント中に紹介された女性社員の1人は、普段はVIPスイート(グランドスタンドの上部にある特別な顧客のための特別席)の担当をしているそうだが、今回はこのアイシングクッキー選手権を開催するにあたり、有志でイベントの企画を行い、実行も担当した。
こうしたイベントが行われた背景にあるのは、サーキットやレースという場所柄、イベント柄、どうしてもレースや自動車中心、もっと言ってしまえば男性目線で作られるイベントばかりになってしまうことにある。家族連れで来る場合、パパがレース好きで、ママや子供がつきあわされるというのはよくあるパターン。子供向けのイベントとは結構多いのだが、ママや彼女といった女性をターゲットにしたイベントというのは少ない。このため、せっかく女性が来場した場合でも、男性がレースを楽しんでいる間、女性が手持ちぶさたというのはよく聞く話だ。そこで、鈴鹿サーキットの女性社員が、女性の目線で、そうした女性をターゲットに何かできないかということを検討し、このイベントを開催したのだという。
鈴鹿サーキットの関係者によれば、午前中に開かれた回(筆者が取材したのは午後の回)では、このアイシングクッキーイベントと、スーパーフォーミュラの模擬レース(オープニングラップ)が重なっていたそうだが、ママや子供がアイシングクッキー作りに没頭している中、パパと見える男性は、会場となったホスピタリティラウンジのコース側に張り付いてレースを観戦するといった姿が見られたそうだ。鈴鹿サーキット側の狙いとしてはかなりドンピシャのイベントになったということができるだろう。
甘い物があまり得意ではないという中野信治氏が一生懸命審査
クッキーのデコレーションにかけられる時間は1時間半程度で、親子連れや女性同士のグループなどが参加していた。デコレーション後、それぞれの作品はタイトルをつけて提出され、審査員が審査する。
審査員として登場したのは元F1ドライバーの中野信治氏。現在も現役ドライバーであり、2014年もル・マン24時間レースに参加した中野氏は、日本人として初めて世界三大レース(モナコGP、ル・マン24時間レース、インディ500)に参加したレーシングドライバーになる。F1ではプロストGPとミナルディ(現在のトロロッソの前身)でF1ドライバーとして走っていた。
中野氏は「普段甘い物はそんなに食べないが、先月のバレンタインのときには姪っ子にアイシングクッキーをもらったので不思議な縁を感じている。今日はそんな自分でも頑張って評価したい」と述べ、正直無茶振りともいえる審査員役に戸惑いつつも、真摯に審査する姿勢に好感をもった。
なお、司会の女性とのトークショーでは、これからカートを始めようという女性、子供に対してのアドバイスがあった。カートは後輪の片側にしかブレーキがないので、踏みすぎるとすぐ回ってしまう点が難しいとし「できるだけ繊細に踏むこと、まずは回数を乗って慣れるしかない」と述べるなど、やたらと実践的なアドバイスが送られた。
また、審査には、鈴鹿サーキットクィーンの板垣里奈さん、野中一希さんが参加し、イベントに華を添えた。実は、板垣里奈さん、野中一希さんの2人は、第35期(2013年、2014年担当、鈴鹿サーキットのサーキットクィーンの任期は基本2年)のサーキットクィーンで、このイベントの直前には交代式が行われたばかり。この日を最後にサーキットクィーンは卒業となる。2人とも「卒業式を終えたのにこうした仕事で不思議な感じです」と述べたが、賞品を審査員に渡す役などを果たしていた。
中野氏による厳正な審査後に審査結果が発表され、優勝、2位はいずれも小さな女の子で、3位は優勝した女の子のママという結果になった。それぞれ賞品が渡され、優勝者には鈴鹿サーキットの敷地内にあるサーキットホテル レーシングルームプレミアム宿泊券、2位には鈴鹿サーキットでのレース(2&4レースか鈴鹿1000kmレースのいずれか1つ)のペア観戦券が送られた。いずれも中々豪華な景品で、もらった女の子のお母さん達が喜んでいるのが印象的だった。
このように、今回行われたアイシングクッキー選手権、同じく甘い物があまり得意ではない男性としては審査員役を務めた中野信治氏には若干の同情を禁じ得ないが、参加した参加者は皆楽しそうで、サーキットに来た女性や子供を楽しませたいというコンセプトは大成功だったということができるだろう。他のサーキットでも同様のイベント、検討してみてもいいのではないだろうか。