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国交省、軽自動車62万台不正行為で三菱自動車の立ち入り検査実施

4月27日までに詳細を改めて報告するよう指示

2016年4月20日 発表

写真は2013年に三菱自動車の水島製作所で行われた「デイズ」「eKワゴン」のラインオフ式

 国土交通省は4月20日、三菱自動車工業の軽自動車計62万5000台について、燃費試験における不正行為があったという同社の報告を受けて記者会見を実施。愛知県岡崎市にある三菱自動車の技術センターに同日、立ち入り検査を実施したことを明かした。

 今回、不正行為が判明した対象車両は、三菱自動車で生産する「eKワゴン」「eKスペース」と、日産自動車向け「デイズ」「デイズルークス」の4車種。これまでに三菱自動車は計15万7000台を販売、日産自動車向けに計46万8000台を生産している(2016年3月末現在)。

 今回、三菱自動車の報告によると、型式認証取得時の燃費試験において必要な走行抵抗値(車両走行時の転がり抵抗と空気抵抗)に関して、本来はデータの中央値を取るところを下限値のデータを使って示すなど、実際より燃費に有利なデータを提出したとされる。

 同省担当者は「燃費試験を行なうためのデータを恣意的に改ざんしていると理解している。こういった行為は自動車の検査の信頼性を損なうもの」と遺憾の意を示した。

 また、「三菱自動車工業としても全体を把握していない中での説明で、納得を得られる説明を受けられていない」として、不正の内容について詳細に調査して、1週間の期限を決めて4月27日までに改めて報告するよう三菱自動車に求めた。さらに、同日午後より三菱自動車の技術センターで立ち入り検査を開始したことを明らかにし、引き続き調査を続けていくとした。

 今後の対応については同社の報告を踏まえて事実関係の把握に努めるとともに、他の自動車メーカーに対しても同様の不正がないか調査するよう別途指示をして報告を求めているとのこと。

 今回の不正行為について同省は、走行抵抗値のデータ提出に関してはメーカーの性善説に基づいているものとし、不正の全容を把握したうえで制度改正など対策を検討していくとしている。

三菱自動車「eKスペース」
三菱自動車「eKワゴン」
日産自動車「デイズルークス」
日産自動車「デイズ」

(編集部:椿山和雄)