試乗記
ホンダの新型「CR-V」(6代目)がデビュー! 雪上で味わう4WDセッティングの妙
2026年2月26日 11:00
新型CR-Vの主たる進化点
6代目「CR-V」の大本命がようやく日本に導入される。これまで海外では展開していたが、日本国内には燃料電池モデルのみという現実味のないラインアップ。実は2022年に先代モデルが販売終了となり、その直後に先代CR-Vと近しいサイズの「ZR-V」が登場したということもあり、そもそも日本にCR-Vを入れる予定はなかったのだとか。けれども「海外で売っているのに日本でCR-Vが買えないのはいかがなものか?」というファンからの要望もあり、考えを改めてハイブリッドユニットのe:HEVを搭載したモデルの導入に踏み切ったというのがこれまでの流れだ。今回はそんなCR-Vを北海道上川郡鷹栖町にあるホンダのテストコースで試す。
実車を目の当たりにするとZR-Vに比べてサイズはひとまわり大きく、ホイールベースが45mm延長されていることもあり後席の居住性やラゲッジが拡大されていることが理解できる。海外のように7人乗りがラインアップとならなかったのは残念にも思えるが、それは今後の要望次第といったところか? 堂々としたスタイル、そして燃料電池モデルのようにノーズを伸ばしていないこともあって、まとまりあるエクステリアになったのだと感じられる。
搭載するパワートレーンはスペックだけ見ると他の2.0リッター e:HEVとさほど変わらずといった印象なのだが、実は2モーター内蔵電気式CVTに、ロックアップLowを追加したところが新しい。e:HEVは基本的にモーター駆動であるが、高速巡航時の低負荷状態ではエンジンとタイヤを直結できるモードがあった。それを低速側にももう1つ加えたところが新しい。これはキャンピングトレーラーなどを引っ張るいわゆるトーイングを目的としたもの。低速域で低負荷の時に発動されるそのシステムは、トーイング時にモーターが高温になるのを防ぐと同時に、トーイングしていない時にも燃費に貢献するという。
駆動方式はFFとAWDの2種類で、今回はAWDモデルのみの試乗。搭載される四駆システムはプロペラシャフトを介してリアに駆動力を与える「リアルタイムAWD Intelligent Control System」。以前はアクセル開度、車輪速、そして前後Gセンサーを用いて駆動力を配分していたフィードフォワード制御だったが、新型はヨーレートセンサー、ステアリング操舵角センサーを加え、リアルタイムで理想状態にするフィードバック制御となっている。
シャシーもまたこだわりに溢れており、フロントのサブフレームはアルミダイキャストを採用することで5kgの軽量化を実現すると同時に、フロント接地点剛性を向上。リアのサブフレームは支持マウント剛性を15%アップしたほか、スティフナーを前後方向に入れてリニアな挙動を実現。さらにボディのリアまわりにもスティフナーやバルクヘッドを追加したほか、ボディ開口部やフロアの結合部に構造用接着剤を盛り込むなど、SUVであっても走りを決して諦めないという姿勢を貫き、究極のオールラウンダーを目指したという。
CR-V、ZR-V、ヴェゼルに共通するリアルタイムAWD
走れば車重1830kgの巨体がストレスなく動くから感心する。静粛性豊かに静かに走り出すのだが、40km/hくらいで巡航状態になると直結モードに移行したことがモニターで分かる。というか、正直に言えばモニターでしか分からない。あまりにすべての制御がスムーズに行なわれている。
それはコーナリングを行なってみても同様。フリクションなくスムーズに切れ込むステアリング、旋回に入るとリアの駆動をスッと抜いてもっと曲がり出す挙動、そして立ち上がり加速では強烈にリアに駆動力を与えてニュートラルに駆け抜ける。この際、フロントのグリップは決して外さずに動き続けるところがたまらなく気持ちよく、安心感が得られる。また、スタビリティコントロールの動きに抑え込まれるようなストレスは感じず、滑らかに全ての挙動が連続して行なわれていくところがうれしい。
今回の試乗では比較対象にZR-V、そしてヴェゼルも同じ環境にあった。ZR-Vに乗り換えると200kgほど軽いことやホイールベースが短いこともあり、CR-Vより運動性能的には優れていると思えるところがある。乗り心地もCR-Vは重厚でゆったり、ZR-Vは軽快でキビキビといった性格の違いが感じられた。
ヴェゼルに乗り換えるとその傾向はより一層高まる。シャシーはフィット系をベースとしており、これだけ今回の中では兄弟とはならないのだが、ZR-Vに比べれば200kg弱軽い車重もあってさらに軽やかに走っていく感覚に溢れている。軽さもあって多少行き過ぎたとしても止まってくれるブレーキングも安心だ。
すべてのクルマで共通している部分は、やはり「リアルタイムAWD Intelligent Control System」の仕上がりだろう。前述したCR-Vの動きがどのクルマでも展開されており、フロントタイヤは絶対にグリップを失わない制御の絶妙さがたしかに存在するのだ。「ホンダの四駆はコレだ!」といえるほどの味がサイズが違えど共通して感じられたことがおもしろかった。
逆に言えばCR-Vはあの巨体をよくぞここまで運動性能豊かに作ったものだと感心せずにはいられない。SUVであること、そして重量があることを言い訳にするなとばかりに挑んだ数々は、確実に実を結んでいるのだと思えるものだった。それくらい走破性は豊か。過信しないようにブレーキングは早めにということを忘れずに、そんなことを思わせる仕上がりだった。
















