試乗記

メルセデス・ベンツ GLEに新たに追加された「GLE 450 d 4MATIC Sports Core」、バランスの良い6気筒エンジンは大いに魅力

「GLE 450 d 4MATIC Sports Core」に試乗

より素敵なインテリアのSports Core

 近年のSUVブームでは、これまでSUVを作っていなかったメーカーがどんどん新たなモデルを生み出しているようにも見える。しかし、メルセデス・ベンツは新たなコンパクトSUVモデルなどを作ってはいるものの、ラージサイズのSUVに関しては、意外とその歴史は長い。

 たとえば今回取り上げるGLEは、元は1998年に誕生したMクラスの後継モデルであり、現在は「E」を冠するモデル名から分かるとおり、「SUVのEクラス」を謳うプレミアムSUVだ。最初に登場したMクラスは、当時のメルセデス・ベンツのモデルと比べれば、上質感や信頼性の面で劣っている部分もあったようだが、2015年に名称がGLEに変更され、さらに2019年にフルモデルチェンジした際には、メルセデスのSUV専用プラットフォームであるMHAを採用することで、性能や効率もさらに高められている。

 そんなGLEの中で今回試乗したのは「GLE 450 d 4MATIC Sports Core」。改めてGLEを目の当たりにすると、日本で見るSUVの中ではかなり大型に感じられる。ボディサイズは4925×2020×1780mm(全長×全幅×全高)で、全幅はなんと2m超え、全高も1550mmをゆうに超えているので、ハイルーフ車対応の機械式駐車場でも駐車するのは難しいかもしれない。

今回試乗したのは2025年6月に新規ラインアップとして追加された「GLE 450 d 4MATIC Sports Core」(1379万円)。GLEの主力モデルである「GLE 450 d 4MATIC Sports(ISG)」の持つ高い走行パフォーマンスやAIRMATICサスペンションの乗り心地、3列シート(7名乗車)の利便性といったGLEのコアバリューを残しつつ、一部の装備内容を見直したことで戦略的な価格を実現したGLEの新たなラインアップとなる。ボディサイズは4925×2020×1780mm(全長×全幅×全高)

 また「Core」は2025年6月にGLEに追加されたグレードで、GLE 450 d 4MATIC Sportsの性能や利便性を受け継ぎつつ、装備を一部見直すことで求めやすい価格となっている。元々装備されていたAMGラインのインテリア(本革巻スポーツステアリング、本革シート、ドアクロージングサポーター)を外し、本革巻ステアリング、合成皮革のARTICOシートを採用している。

 デザインとして大きく違いが分かるのはダッシュボードやドアトリム、センターコンソールの木製パネルがブラックからブラウンへと変更された点だ。ブラックで統一されたインテリアと比べると、少し柔らかい雰囲気になったように感じる。さらに内装色はブラック、バヒアブラウン、マキアートベージュと組み合わせることができ(クーペはブラックのみ)、Sportsグレードと比べるとより華やかで上質な雰囲気のインテリアとなっている。合成皮革のARTICOも本革と質感は大きく変わらず肌触りも良い。女性の自分からすると、SportsよりもSports Coreの方がより素敵なインテリアに感じられるし、より親しみを持ってクルマと接することができるような気がした。

「GLE 450 d 4MATIC Sports Core」のインテリア。ベースモデルの「GLE 450 d 4MATIC Sports(ISG)」から外装色を7色から2色に厳選し、「AMGラインインテリア」「ドアクロージングサポーター」を廃止。また、「本革巻スポーツステアリング(ナッパレザー)」を「本革巻ステアリング(ナッパレザー)」に、「本革シート(本革/ナッパレザー)」を「レザーARTICO」シートに、「アンスラサイトオークウッドインテリアトリム」を「ブラウンウォールナットウッドインテリアトリム」にそれぞれ変更しているのが特徴

遠出のドライブは快適で心地いいものになりそう

乗り込むとメルセデスらしい上質な空気に包まれる!

 GLE 450 d 4MATIC Sports Coreに乗り込むと、まずはそのメルセデスらしい上質な空気に包まれる。インテリアはCoreの装備ならではのブラウン基調の木目に、シックなバヒアブラウンを組み合わせていた。インストルメントパネルは、新型Eクラスなどに採用されているMBUXスーパースクリーンなどが装備できる前の世代ということもあって、少しひと昔前の雰囲気ではある。ただ、「パネルが大きく配置されているような近代的な内装になじめない」という人にとっては、逆に落ち着く空間とも言えるかもしれない。

 搭載されているエンジンは、直列6気筒3.0リッターディーゼルターボ(367PS/750Nm)で、スターターとオルタネーターを兼ね備えたモーター付きのISGを搭載したマイルドハイブリッドとなっている。

パワートレーンは最高出力270kW(367PS)、最大トルク750Nmを発生する直列6気筒3.0リッターディーゼルターボエンジン「OM656M」を搭載。ISG(Integrated Starter Generator)が組み合わされ、最大で15kWの追加出力と200Nm以上の追加トルクでディーゼルエンジンをサポートする

 実際に走り出してみると、ISGのアシストとディーゼルの大トルクを持ってしても、初速から2480kgの巨体を動かすのは苦労するのか、スタートしてから速度が上がるまで少しだけモタつくシーンがあった。しかしいったん速度に乗ってしまえば、そこからは一定速に保ったり、加減速するのもスムーズにコントロールすることができた。

 そして車内の静粛性がとにかく高い。バランスの良い6気筒エンジンということもあり、エンジン音もフィーリングもとても滑らかで、ディーゼルと聞いてイメージするようなエンジン音はほとんど車内に入ってこない。背の高く大きいSUVということもあって、ハンドリングや操縦性はさすがにセダンには及ばないものの、ラージサイズのSUVの中でもかなり取りまわしが良い方だと感じた。

バランスの良い6気筒エンジンにより、エンジン音もフィーリングもとても滑らか

 GLE 450 d 4MATIC Sports Coreは、エアサスペンションが装備されていることもあって、ゆったりストロークするような心地良い乗り心地だ。タイヤはピレリのP ZERO(フロント:275/45R21、リア:315/40R21)を履いており、サスペンション自体は柔らかく凹凸を吸収してくれているものの、タイヤ自体が少し硬くコツコツする印象だ。タイヤが21インチということもあるが、欧州の速度無制限区間に対応するためにタイヤの速度記号はY(300km/h超のスピードレンジに対応できる)になっており、剛性が高く構造が強靭になっていることも関係していると思う。

 一般道の路面の小さな凹凸のコツコツ感は感じるものの、路面が整っている高速道路などを直進している時にはボディが揺さぶられず、フラット感を強く感じることができ、どこまでも走っていける感覚になる。滑らかにまわって豊かなトルクを与えてくれるディーゼルエンジンと、巨大な体躯に反して扱いやすい取りまわしの良さ、ゆったりとした乗り心地。遠出のドライブはさらに快適で心地いいものになりそうだ。

 Sportsに装備されているAMGラインインテリアもスポーティでかっこいいが、Sports Coreは、GLEの快適なクルーザーのような上質感を引き立てる装備が付いているうえに、7人乗り3列シートなどの利便性の高さも変わらない。GLE 450 d 4MATIC Sports Coreの車両本体価格は1379万円で、Sportsよりも約150万円価格が抑えられているところも魅力的だ。個人的にはブラウンの木目+柔らかい色合いの内装を選べるという点だけでも、Sports Coreをおすすめしたい。

Sportsよりも約150万円価格が抑えられているSports Coreは一見の価値あり
伊藤梓

クルマ好きが高じて、2014年にグラフィックデザイナーから自動車雑誌カーグラフィックの編集者へと転身。より幅広くクルマの魅力を伝えるため、2018年に独立してフリーランスに。現在は、自動車ライターのほか、イラストレーターとしても活動中。ラジオパーソナリティを務めた経験を活かし、自動車関連の動画やイベントなどにも出演している。若い世代やクルマに興味がない方にも魅力を伝えられるような発信を心がけている。

Photo:中島仁菜