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写真で見る 日産新型「エクストレイル」(4代目)

4代目となる新型「エクストレイル」。撮影車両はG e-4ORCE、ボディカラーはサンライズオレンジ/スーパーブラックの2トーン

 日産自動車「エクストレイル」はミドルサイズの本格SUV。2000年にデビューした初代モデル(T30)は「テラノ」の後継車種として“タフギア”をコンセプトに誕生。2007年に2代目(T31)に、2013年の3代目(T33)では同社初となるエマージェンシーブレーキを採用するなど、タフギアに加えて“最先端”もアピールした。新型となる4代目(T34)では、その2つに“Refined(上質)”さをプラス。シティユースからオフロードまで、幅広いシチュエーションを余裕を持って楽しめるモデルに仕上げた。

 まず、もっとも基本となるプラットフォームを一新。4660×1840×1720mm(全長×全幅×全高)と3代目より少し短く(30mm減)、少しワイド(20mm増)で、少し低い(20mm減)ボディとしながら、軽量化とともに高剛性化を実現。その一方で、室内空間は薄型シートの採用やリアシートスライド量アップ(20mm増)などにより、ヘッドルームおよびヒザまわりのスペースを拡大している。加えて、吸音材や遮音ガラスによりロードノイズやエンジン音のキャビンへの侵入を徹底して排除、広さとともに高い静粛性を備えた快適な室内を作り上げている。

 パワートレーンは日産ならではの「e-POWER」に1本化。新型エクストレイルでは第2世代へと進化しており、インバーターとともにモーターを刷新。フロントに搭載される「BM46」型モーターは最高出力150kW、最大トルク330Nmと、「ノート e-POWER NISMO S」に搭載されるモーター(EM57型、100kW/320Nm)より高出力とすることで力強さとなめらかさ、静かさを向上している。

 組み合わされるエンジンは日産が世界で初めて量産化に成功したVC(Variable Compression)ターボエンジン「KR15DDT」型をe-POWERに最適化して採用。この1.5リッター直列3気筒ターボユニットは圧縮比を8.0:1~14.0:1まで自在に変更可能とすることで、高圧縮比が向く通常走行時と低圧縮比が向く高負荷走行時に対応。熱効率のいい部分を使うことでエンジン作動頻度の減少および回転数を抑制。前述した遮音性能の向上との相乗効果により50km/h走行時の室内音は3dB減少しているほか、全開加速時においても大きく静粛性が向上しているという。なお、WLTCモード燃費は19.7km/L(2WD最良値)となる。

日本初導入となるVCターボエンジンを発電用として搭載。最高出力106kW/4400-5000rpm、最大トルク250Nm/2400-4000rpm

 タフギアという点で注目したいのは、4WDモデルが採用する電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」だ。同技術は先に発売開始となったバッテリEV「アリア」にも搭載されているものの、納車開始は今冬以降となっているためユーザーの手に渡るのはこちらが先になる。4WDの場合は当然リアにもモーターが搭載され、こちらは「サクラ」や「ノート」(4WDのリア)にも採用されている「MM48」型を採用。スペックは搭載モデルによって違いがあるが、エクストレイルの場合は最高出力100kW、最大トルク195Nmとなっている。これら2基のモーターとブレーキで各車輪の駆動力をコントロールすることで、発進やコーナリングはもちろん、オフロードや雪道などの滑りやすい路面での操縦性、加減速時の挙動制御によるスムーズな乗り心地など、これまでの4WDとはひと味違う走りを実現している。

 先進安全装備では運転支援技術「プロパイロット」を搭載。新たにナビリンク機能を追加することで、地図データを元にした設定速度の切り替え機能やコーナ-に応じた減速支援などを実現しており、ドライバーの操作頻度軽減を果たしている。そのほか、新たに緊急通報を行なう「SOSコール」、ハイビームの照射範囲をコントロールする「アダプティブLEDヘッドライトシステム」なども採用している。

グレードは「S」「X」「G」の3タイプで、2WD(FF)と4WD(e-4ORCE)を設定。Xの4WD車のみ7人乗りの3列シート車を用意する。価格は順に319万8800円、349万9100円、429万8800円、4WD車は347万9300円、379万9400円、449万9000円、3列シート車は393万300円。

バンパーのシルバー&クロームパーツがGグレードの特長
フロントガラス上部には単眼カメラを装備。プロパイロットはSグレードを除き標準
ルーフ上のアンテナはシャークフィンタイプ
ルーフレールはXグレード以上にメーカーオプション
バックドア下部にe-4ORCEのバッヂが付く
LEDヘッドライトが標準。上部はポジションランプとターンランプ。アダプティブLEDヘッドライトシステムはメーカーオプション
LEDリアコンビランプは全車共通
Gグレードのみ19インチ仕様。撮影車両のタイヤはハンコック「VENTUS S1 EVO3 SUV」でサイズは235/55R19
給油口はキャップレスタイプ。燃料は無鉛レギュラーガソリン仕様でタンク容量は55L
横基調のスッキリとしたインパネ。ソフトパッドやステッチなどを採用し上質な雰囲気を演出
本革巻ステアリングは全車標準
スポーク部には数多くのスイッチが並ぶ。右端がプロパイロットのスイッチ
Xグレード以上には12.3インチのフル液晶メーターを採用。表示はクラシックモードとエンハンスモードが選択可
シフトは電制タイプ。Gグレードは木目調のフィニッシャーを装着
ドライブモードセレクターを搭載
走行モードについては4WD車は画面の4モード(とSPORT)、2WD車はSTANDARD、SPORT、ECOの3モードになる
シフト前にはEVモードやeペダルのスイッチ
ペダルまわり
Gグレードはインテリジェントルームミラーが標準
Gグレードには12.3インチディスプレイを持つNissanConnectナビゲーションシステムが標準
フルオートエアコンが全車標準。Gグレードは運転席、助手席、後部座席の3ゾーン対応
Gグレードはワイヤレス充電も標準
ステアリングコラム右側のスイッチ群。GグレードはETC2.0車載器も標準装備になる
オーバーヘッドコンソール
ルーフ中央部のルームランプ
センターコンソールは両開きタイプ
シフト部は最近多いフローティングタイプ
Gグレードのシート表皮はソフトレザー風の触感を持つ人工皮革「テイラーフィット」を採用。同グレードは運転席だけでなく助手席もパワーシートになる
運転席ドアトリム
アームレスト部にはパワーウィンドウなどのスイッチが並ぶ
リアシートは4:2:4分割可倒式。リクライニングだけでなく260mmもの前後スライドが可能
センターコンソール後端にエアコンの操作パネル。シートヒーターは「ホットプラスパッケージ」のセットオプション
リアドアトリム
パワーウインドウスイッチ
Gグレードにはロールサンシェードも装備
リアシートのアレンジで収納スペースが自在に。フル乗車時でも9.5インチのゴルフバッグが4つ積める広さを持つ
1500W対応のAC電源を装備。Gグレード以外はオプション
フロア下の収納スペース
さらに下には12Vバッテリなど
Gグレードにはリモコンオートバックドアが標準。ハンズフリー機能も付く

AUTECH

 標準車に特別感を加えたAUTECHモデルも用意。エクストレイルでは専用のフロントグリルを採用するほか、メタル調フィニッシュパーツを各所に装着するなどで差別化。さらにラインアップ中、唯一となる20インチアルミホイールを装着している。

 ボディカラーは専用となる「カスピアンブルー(M)」と「ダイヤモンドブラック」の2トーンなど計7色を設定。標準車のXグレードがベースとなっており、価格は2WD車が420万5300円、4WD車は446万7100円、3列シート車は459万8000円。Gグレードをベースに装備を充実した「Advanced Package」も設定する。価格は2WD車が484万6600円、4WD車は504万6800円。

撮影車両はAUTECH e-4ORCE。ボディカラーはカスピアンブルー/スーパーブラックの2トーン
専用グリルやメタルフィニッシャーに加えブルーのシグネーチャーLEDも装着
AUTECHのバッヂも付く
20インチアルミが標準。タイヤはミシュラン「プライマシー4」でサイズは255/45R20
内装もブラックの内装色とブルーステッチなど特別感が漂う
ステアリングはブラックカラーとブルーステッチのコンビネーション
シフト横にもバッヂが付く
キルティング風の専用ブラックレザーシートを装着
シートバックにはAUTECHの刺繍
リアシートもキルティング風のデザイン