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写真で見る トヨタ「ハリアー」
(2013/11/13 13:30)
1997年に登場し、日本のSUVシーンに新しいカテゴリーを作り出したのがトヨタ自動車の「ハリアー」だ。スポーティなエクステリアとラグジュアリーなインテリア、そして大排気量エンジンという組み合わせは、その後リリースされる多くのSUVの指標となった。2003年に2代目が登場、2005年にはハイブリッドモデルが追加されるものの、その後はモデルチェンジされることなく2012年に生産終了を迎えた。このまま絶版車の仲間入りかと思われたものの、2013年7月に後継モデルの存在を発表。この11月に3代目として待望の復活を遂げることになった。
新型の開発キーワードは「高級・進化・新規」。従来モデルが持つ先進的なイメージはそのままに、フォーマルなイメージを併せ持った高級感、ダウンサイジングによる低燃費と使い勝手の向上、そして新しい装備や操作性の獲得を目指したという。
ボディーサイズ(2WD車)は4720×1835×1690mm(全長×全幅×全高)と、2代目より全長と全幅がそれぞれ15mm、10mmダウンしたほか、全高はアンテナ部で10mmアップしているもののルーフ面では20mmダウンと、全体的にひとまわりコンパクトになった。同時にホイールベースは2715mmから2660mmへと55mm短縮するとともに、フロントオーバーハングを60mm延長、リアオーバーハングを20mm短縮しており、リアに重心のあるスポーティなフォルムとしているのが特長だ。
ボディーサイズは小さくなったものの、室内空間は前後席間距離を12mm、リアシートの膝前空間を47mm拡大するなど居住性アップが図られている。同時にラゲッジスペースも456Lと17Lアップ。リアシートを前倒しすることで992Lの荷室空間を確保することが可能だ。
パワーユニットは従来型と同じくガソリンとハイブリッドの2本立てになる。ハイブリッドシステムは「THS II」と電気式4WDシステム「E-Four」で構成される従来同様の組み合わせ。ただし、エンジンはV型6気筒 3.3リッターの「2GR-FXE」から直列4気筒DOHC 2.5リッターの「2AR-FXE」に、フロントモーターが「1JM」から「2JM」に変更。リアモーターは従来と同じE-Four用の「2FM」を採用する。そのほかにバッテリーは6.5Ahの容量を持つニッケル水素電池を採用するなど、E-Four以外のパワートレーンはカムリハイブリッドと多くの部分が共通化されている。スペック面ではエンジン排気量のダウンサイジングに伴ってシステム合計出力が145kW(197PS)とダウンしているものの、低燃費&低排出ガス化を達成するとともに静粛性を向上。JC08モード燃費は21.8km/L(GRAND)または21.4km/L(GRAND以外)と、従来モデルより大幅に向上している。
ガソリンエンジンはV型6気筒 3.5リッターと直列4気筒DOHC 2.4リッターの2種類から直列4気筒DOHC 2.0リッターに一本化された。このユニットはノア、ヴォクシー、ウイッシュなどにも採用されている「3ZR-FAE」で、吸・排気バルブリフトタイミング制御を行う「VVT-i」、吸気バルブリフト量を連続的に変化させる「バルブマチック」などを搭載する。最高出力111kW(151PS)/6100rpm、最大トルク193Nm(19.7kgm)/3800rpmを発生させる。ミッションは新開発の「Super CVT-i」が組み合わされるほか、アイドリングストップ機能やトヨタ車では初となる蓄冷タイプのエバポレーターを採用。JC08モード燃費は16.0km/L(2WD車)となる。駆動方式は2WD(FF)のほか4WDも設定。2代目のフルタイム4WDから電子制御カップリング式の「ダイナミックトルクコントロール4WD」に変更するとともに、ステアリング、駆動力、ブレーキの協調制御を行う「S-VSC+ダイナミックトルクコントロール4WD協調制御」も搭載。路面状況に関わらず安定した走行を可能としている。
新しい装備となるのがトヨタ車では初となるステアリング制御付の「レーンディパーチャーアラート」。これは道路上の白線などをカメラで認識、ウインカー操作を行わずに車線を外れるような状況になると、画面表示と音で注意を喚起する。加えて電動パワーステアリングの制御を行うことで、車線内にとどまるようにステアリング操作をサポートしてくれる。このほか、障害物との接近を感知してエンジン出力を制御する「インテリジェントクリアランスソナー」、アクセルを踏み込んだまま通常と異なるシフト操作をするとエンジン出力を抑え、急発進や急加速を制限する「ドライブスタートコントロール」なども備えている。
グレードはハイブリッド車、ガソリン車とも「GRAND」「ELEGANCE」「PREMIUM」「PREMIUM“Advanced Package”」の4タイプ。ガソリン車には2WDと4WDが用意される。インテリアはGRANDがブラックのファブリックシートに、内装色はブラックとディープボルドーの2タイプ。それ以外は上級ファブリック+合成皮革シートが標準となりオプションで本革が選択可能。内装色はブラックとディープボルドーのほか、上級ファブリック+合成皮革シートのみアイボリーも選択できる。ボディーカラーはメーカーオプションとなる特別色の「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」など全7色。車両価格はハイブリッド車が361万円~447万円、ガソリン車は272万円~378万9000円となる。