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写真で見る スズキ新型「eビターラ」プロトタイプ

スズキ新型「eビターラ」

 スズキ初のBEV(バッテリ電気自動車)となるのが「e VITARA(eビターラ)」だ。同車はBEV世界戦略車第1弾で、「エスクード」の海外モデルとなる「ビターラ」の名が付くことからも分かるようにSUVタイプのモデルとなる。

 ちなみに、同社では日本万国博覧会(EXPO'70、いわゆる大阪万博)向けに「キャリイ バン(L40V型)」ベースのBEVを製造しており、今回のモデルは厳密にいえば市販初とか量産初ということになる。蛇足ついでに書いておくとこのキャリイ バンEVのバッテリは鉛蓄電池で、走行距離は満充電で約50km、最高速は45km/hだった。

スズキ初の量産バッテリ電気自動車となるe VITARA。撮影車両は4WD。ボディカラーはスプレンディッドシルバーパールメタリック ブラック2トーンルーフ

 このeビターラは2023年1月にインドで開催された「Auto Expo」、同年10月に日本で開催された「ジャパンモビリティショー」で公開されたコンセプトモデル「eVX」をベースとした量産モデル。2024年10月にはBEVプラットフォームをトヨタ、ダイハツと共同開発することが発表され、同年11月にイタリア・ミラノで実車を初公開。2025年1月にはインド・ニューデリーで開催された「Bharat Mobility Global Expo 2025」において一般公開されている。

 そして、今回、日本仕様の実車が公開されるとともに試乗会が行なわれた。試乗会の記事は別途参照していただくとして、ここでは少し細かく写真多めで紹介していきたい。

 なお、発表・発売は2025年度中とされており、今回紹介するモデルはプロトタイプのため装備やスペックなど市販時には異なる可能性があることに留意していただきたい。

新型EV「eビターラ」について紹介!

 デザインコンセプトは「Hi-Tech&Adventure」で、「EVの先進感とSUVの力強さを併せ持ち、冒険心を刺激する力強いたたずまい」を目指した。ボディサイズは4275×1800×1640mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2700mm。エスクード(販売終了)が4175×1775×1610mm(同)、ホイールベース2500mm。その後継モデルとなるフロンクスが3995×1765×1550mm(同)、ホイールベース2520mmなので、両車よりひとまわり大きいイメージになる。見た目にはホイールベースが長いこともあって数字以上に大きく立派なたたずまいで、「いかにもBEV」のような力みを感じさせないのが特徴的だ。

 プラットフォームは前記したようにEV専用の新型を採用し、フロア下にBYD製リン酸鉄リチウムイオンブレードバッテリを搭載する。バッテリは2タイプが用意されており、総電力量49kWhのモデルには96セル、総電力量61kWhのモデルには120セルが収められる。

 ラインアップは2WD(フロント駆動)が総電力量49kWhと61kWhの2タイプ、4WDは61kWhのみという構成。最高出力は49kWhモデルが106kW、2WDの61kWhモデルが128kW、4WDはリアが48kWで合計最大出力は135kWとなる。一充電での走行距離はそれぞれ400km以上、500km以上、450km以上(WLTCモード計画値)となる。充電時間は普通充電(200V 3kW)で10%から100%まで、49kWhモデルで約15時間、61kWhモデルで約22時間。急速充電は90kWまで対応しており、10%から80%までどちらも45分ほどになる。

 ボディカラーはルーフがブラックとなる2トーンが「Land Breeze Green Pearl Metallic」「Splendid Silver Pearl Metallic」「Arctic White Pearl」「Opulent Red Pearl Metallic」の4タイプ、モノトーンが「Bluish Black Pearl」の1タイプで計5色用意される。

ボディサイズは4275×1800×1640mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2700mm。最低地上高185mm。最小回転半径5.2m。車両重量は1700~1890kg
全幅が1800mmあるためボリューム感のあるスタイリング
先進安全装備の詳細は明かされていないが、システムは「スイフト」と同じモノだという
右サイド前方に普通充電コネクタ
左サイド前方に急速充電コネクタが備わる
ヘッドライトの点灯パターン
リアコンビランプの点灯パターン
最高出力は135kW(フロント128kW、リア48kW)、最大トルクは307Nm(フロント193Nm、リア114Nm)
タイヤサイズは225/55R18。撮影車両はグッドイヤー「EfficientGrip 2 SUV」を装着。回生協調ブレーキやキャリパー一体式電動パーキングブレーキなどはアドヴィックス製を採用する。ブレーキローターは前後ともベンチレーテッドタイプ
撮影車両のインテリアカラーはブラックとブラウンのコンビネーション
メーターパネルは最近のクルマに多いセンターディスプレイ一体型
ステアリングは新形状を採用。ステアリングヒーターも備わる。コラム上にはドライバーモニタリングシステムも用意
シフトまわり。4WD車は「ALLGRIP-e」により前後トルク配分を制御。オフロードなどタイヤが浮く状況でLSD的な働きを行なう「TRAIL」モードを用意
ペダルまわり
メーターパネルはフル液晶タイプ
センターディスプレイではさまざまな情報の表示や設定が可能。音声認識にも対応する
エアコンは一部機能向けに物理ボタンも用意
スマホのワイヤレス充電にも対応
ステアリングコラム右にはカメラボタン
シフト下はトレイ状の収納スペース。HDMIやUSB端子も用意
フロントシート。シートヒーターを装備
運転席ドアトリム。下部にはボトルホルダーを用意
アームレスト部にパワーウィンドウとドアミラーのスイッチ
リアシートは4:2:4の分割可倒式。リクライニングが可能なほか、6:4分割で160mmのスライドもできる
リアドアトリム
センターコンソール後端には後席で使えるUSB端子やAC100Vコンセントを装備
リアシートのアレンジ
ラゲッジフロア下部には充電ケーブルなどを収納できるスペースがある
撮影車両にはInfinityのサブウーファーが装着されていた
テールゲート下部にはバックカメラやLEDのナンバー灯、ロック解除ボタンなどが並ぶ
BEVであることをアピールするバックドアのバッジ

純正アクセサリー

 会場には純正アクセサリー装着車も展示されていたので紹介する。

オプション装着車。撮影車両のボディカラーはランドブリーズグリーンパールメタリック ブラック2トーンルーフ。バックドアに装着されているカータープは小川テントとのコラボモデル
シルバータイプのアルミホイールガーニッシュ
SUVらしさを強調するサイドシルスプラッシュガード
ナンバープレートリム(ブラック)
ナンバープレートリム(シルバー)
ベースキャリアとルーフラックアタッチメント
センターコンソールに収納できるETC車載器とドライブレコーダー。ドライブレコーダーは前方、後方の2カメラタイプ
フロアマット(ジュータン)
オフロード走行や冬季にうれしいフロアマット(トレー)
荷物の飛び出しを防ぐリアゲートネット
濡れたものや汚れたものを積む際に重宝するラゲッジマット(トレー)
約100年前に作られた鈴木式織機で織られた生地を使ったEV充電ケーブル収納袋。下に見える鈴木式織機 前掛けは同社のECサイト「S-MALL」で購入可能