写真で見るフォード「クーガ」 |
フォード「クーガ」は、同社の「フォーカス」とプラットフォームを同じくするコンパクトSUVだ。
フォーカスは初代が日本にも導入されていたCセグメントカー(フォルクスワーゲン ゴルフなどと同じセグメント)だが、2代目からは日本では販売されていない。そんな経緯もあって「久々の欧州フォード車」と言われることが多いクーガだが、フォードはクーガを米国フォードの「エクスプローラー」「スポーツトラック」「エスケープ」ら“フォードSUVラインアップ”の一員と位置づけている。
製造・開発がどこであろうと“フォードのクルマ”は“フォードのクルマ”、世界中の資産を持ち寄ってそれぞれの地域に合わせたラインアップを作り上げる。これが、最近の同社が掲げる「One Ford」コンセプトであり、クーガの日本導入もそれに沿ったものというわけだ。
欧州ではディーゼルエンジン+MT搭載車が販売のほとんどを占めるクーガだが、日本では直列5気筒DOHC 2.5リッターガソリンターボ「デュラテックターボ」と5速AT「デュラシフト」の組み合わせのみ。フォーカスのハイパフォーマンスモデル「ST」にも積まれているエンジンだが、SUV向けに最高出力147kW(200PS)/6000rpm、最大トルク320Nm(32.6kgm)/1600-4000rpmにデチューンされている。
駆動形式は4WDで、ハルデックス製の「インテリジェントAWD」を採用している。これは通常は前輪駆動だが、エンジン回転、スロットル角度、ステアリング角度、ヨーレート、タイヤ回転速度などをモニターし、状況に応じて後輪にトルクを自動配分する。発進時にも後輪に最大10%のトルクが配分される。
また横滑り防止装置「ESP」やトラクションコントロールなどのアクティブセーフティデバイスは当然のように標準装備。コーナーリング時に内側前輪の制動圧を上げてオーバーステアを防ぐ「コーナーブレーキコントロール」、タイヤの空転時にいずれかのタイヤにブレーキをかけてトルクを効率よく配分する「ブレーキ・ロック・ディファレンシャル」なども搭載する。
クーガには、標準モデルの「トレンド」(335万円)と、装備充実の「タイタニアム」(378万円)の2モデルが用意される。
撮影したのはタイタニアム。パノラミックルーフのほか、バイキセノンHIDヘッドライト、オートライトシステム、雨滴感知式フロントワイパー、自動防眩ルームミラー、オートスピードコントロール、左右独立温度調整機能付きオートエアコン、シートヒーターを内蔵したフロント6ウェイ本革パワーシート、シートバックテーブルなどを備える。
ボディーカラーはパンサーブラック。インテリアはブラックのみとなっている。
フォード言うところの「キネティック・デザイン」を纏うクーガ。弧を描くルーフラインと水滴形状のウインドー、ライト類のグラフィック、ホイールアーチが張り出したフェンダー、そしてお猪口を伏せたような台形の上下フロングリル、フロントフェンダーからリアまで通るキャラクターラインなどがそのキモ |
キネティック・デザインの一方で、アンダーガード風に処理された前後バンパー下部、ボンネットに入った2本の太いリブ、フロントフェンダー後端のエアアウトレット風装飾、ルーフレールなどのディテールで、SUVらしい力強さを表現している |
前席左右サンバイザーには照明付きバニティーミラーを装備 | 標準装備のCDプレーヤー付FM/AMチューナーはソニー製でAUX端子がセンターコンソールボックス内にある。タイタニアムは、左右独立温度調整機能付きオートエアコン、トレンドはマニュアルエアコンになる |
ラゲッジスペースは通常で360L、6:4の分割可倒式シートを格納すると最大1335Lとなる |
トノカバーはトレンドでも標準装備 | 後席は座面を引き上げてシートバックを格納するタイプ |
ラゲッジスペース床下のテンパータイヤ | ラゲッジスペース右には電源ソケットがある | ラゲッジスペース左のランプ |
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(編集部:田中真一郎/Photo:安田 剛)
2010年 11月 11日