レビュー
【タイヤレビュー】マッド&スノーに対応する横浜ゴム「ジオランダー X-CV」でスノー路面を走ってみた
パイロンスラロームや急制動でスノー性能を体感
2019年2月27日 00:00
SUV向けのタイヤに「M+S」という記号が刻まれているのをご覧になったことはあるだろうか? これはマッド&スノーに対応する証で、これまで実際にそれを試す機会がなかったが、今回初めてスノー路面を試す機会に恵まれた。タイヤは最近発売されたばかりの横浜ゴム「ジオランダー X-CV」だ。
ドライ路面のインプレッションは以前の記事をご覧いただきたいが、このタイヤは17サイズがラインアップされ、18インチ~22インチまで大径なものばかりを揃えている。モノコックボディを採用するハイパワーモデルをターゲットにしたタイヤだ。コンセプトはスポーツ性よりも快適性を確保しようというもので、さらにM+Sの要素も取り込んでいるところがポイント。細かな溝が刻まれ、ブロックもそれほど大きくなく、けれども左右非対称パターンを採用することで走りを確保している。
そんなX-CVで短距離ではあるがスノー路面を走ってみた。スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤを味わった後にM+Sを試すという流れだったため、やや心配だったのだが、路面をきちんと掴んで発進してみせたところ、正直に言って驚いた。これはなかなか走れそうだ。
パイロンが並べられたところをスラローム的に走ってみるが、操舵初期の応答もわるくなく、きちんと旋回。その後、フル制動を行なってみたが、スタッドレスタイヤほどではないものの、シッカリと制動して見せた。縦方向、横方向のバランスがあり、クセなく走れるところが好感触。感覚としてはスタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤの中間あたりに位置しているように思えたのだ。
もちろんこれは走行した路面に氷が見えるようなところがなく、全面に雪が敷き詰められていたからこそ。氷が見えるような状況では、こうはいかなかっただろう。あくまで限定的なシーンではあるが、雪だけならM+Sでも十分にこなすことが可能だということが理解できた。クルマが4駆であること、そして氷は除くというのが前提ではあるが、M+Sの記号はダテじゃない。いざという時には役立ってくれそうだ。