レビュー

藤島知子のミズノ・ドライビングシューズ「ベアクラッチ」を使ってみた 専用シューズならではの魅力とは?

ベアクラッチ:1万4850円

ミズノのドライビングシューズ「ベアクラッチ」を使ってみました

女性や小柄な人向けの22.0cm~24.0cmが新たにラインアップ

 ミズノ(MIZUNO)のドライビングシューズ「BARECLUCH(ベアクラッチ)」に女性用サイズ(22cm~24.0cm)が追加された。ベアクラッチはドライブ時のダイレクトなペダルフィールと街歩きにおけるストレスフリーな履き心地を両立させるコンセプトで生まれたドライビングシューズ。筆者である私はモータージャーナリストという職業柄、運転することを前提にした靴選びにこだわりたい1人なので、ミズノが手がけたドライビングシューズがどんな機能性をもたらしてくれるのか気になっていた。

 そもそも“ミズノ”と聞くと、野球の道具を提供してきたスポーツブランドだと認識していた。ところが、ここ最近はそれ以外の分野の躍進ぶりで注目を集めているブランドで、スポーツウエア作りのノウハウを生かした制服、例えば企業の働きかたに合わせて快適に着用できて、作業しやすい専用ウエアの開発に力を入れていたりと、“働き手にとって最適な一着”をミズノ独自の使い手の環境を考慮したものづくりのアプローチで提案を行なっている。

街中で履いていてもまったく違和感のないフォルム
発売当初は24.5cm~28.0cmのラインアップのみだったが、今回22.0cm~24.0cmが追加され、より多くの人が履けるようになった

 女性に向けたプロダクトはスポーツウエアにとどまらず、ライフスタイルにマッチするシンプルで質のいいカジュアルウエアも取りそろえている。私自身もサーキットで自分のレースがあるときに着用しているチームウエアがミズノ製のパーカーで、これがまた実に着心地がよくて気に入っている。ストレッチ性が高いジャージ素材で肌へのフィット感が優しく、何より着用したときのフォルムが洗練されているからだ。そうした体験もあって、女性や小柄な人向け用サイズのベアクラッチがドライビングや街歩きのシーンでどんなメリットをたらしてくれるのか楽しみにしていた。

明るいホワイトのベアクラッチ。アウトソール(裏面)はグレーとなっている

 今回試着したベアクラッチは24.0cm。まっさらなホワイトとライトグレーのコンビネーションで、シンプルかつプレーンな印象を与えるものだ。スポーツブランドとしては珍しく、ミズノのロゴはあえて主張していない。サイド部は踵にかけて流れるように描かれたスリットが陰影をもたらし、写真で見ていたよりも表情があるなと感じた。白いシューズは膨張色であることで足下に適度なボリューム感が生まれて、きれいめなカラーの服に合わせてみても、程よくカジュアルダウンされて、全体が品よくまとまる感じが気に入った。

カラーは今回履いている「ホワイト」のほかに「ネイビー」と「ブラック」がありシーンに合わせた使い分けもOK
価格は各色1万4850円で、「ミズノ公式オンラインショップ」で購入可能

 気になる履き心地は、「MIZUNO COB(ミズノコブ)」と呼ばれる凹凸を施した独自のソール構造がしっかりと足裏を受けとめてくれる。ドライビングシューズにはペダルをタッチする感触をつかみやすいようにソールを薄く作っているものが多いが、ベアクラッチはつま先部分は薄めでありながら、踵にかけてのクッション性はしっかりと確保されていて、街歩きによる足裏の負担が少ない。

ミッドソールの上面に配されるのが「MIZUNO COB」で、COBは「CENTER OF BALANCE」の頭文字とのこと
ミッドソールのMIZUNO COBをアウトソール(裏面)の凹凸と位置を合わせることで足裏への情報伝達力を高めていると言う

 また、踵に向けてわずかに高さが与えられていることで、まるでヒールのパンプスを履いたときのように、背筋がスッと伸びて、キレイな姿勢で歩ける感じがする。シューズの外観はスッキリとして見えるが、靴の中身は足を無理なく支える機能的な構造。柔らかな人工皮革を用いたアッパー部分が足の甲に優しくフィットしてくれるので、窮屈な感じがしない。歩くときは踵まわりの収まりがよく、安定感が得られていて、足の動きについてきてくれる。また、踵の履き込みが立体的なわりに脱ぎ履きしやすい点もストレスを感じにくかった。

ドライブでのおでかけ先で歩きまわっても、ソールに厚みがしっかりあるので疲れにくいです

実際に1か月かけていろいろなクルマで試してみました

 肝心のドライビングで使ってどうなのかという部分。中でもペダル操作についてはどうだろう? そこで約1か月、私が日常の足として乗っているMT車をはじめ、日々の仕事で乗るいろいろな試乗車で試してみることにした。

マイカーを含めいろいろな試乗会などで、ベアクラッチの使い心地を1か月かけてチェックしてみました

 ペダル操作をする際は床に置いた右足の踵を支点にしてアクセルペダルとブレーキペダルを踏み変えるかたちで操作を繰り返すが、ベアクラッチを履いていると踵が安定するので、繊細な操作がしやすい印象。

 足先ではブレーキペダルのわずかな反力を捉えながら、ブレーキのリリースを繊細に操作できるから、クルマの状態を探りながら、息を合わせて走らせていける楽しみも深まる。ヒール&トーはつま先でブレーキペダルの踏力を一定に維持しながら、アクセルペダルを踵であおって、車速とエンジン回転をコントロールするものだが、ここでも踵のグリップが安定しているため、ドライビングがスマートに決まる。

つま先部分のアウトソール(裏面)は厚すぎず、薄すぎず、さらに内部の「MIZUNO COB」のおかげで情報伝達量が多い

 こうした感触は一般的なスニーカーではなかなか得られにくいもので、比べてみると明らかにドライビングを起点に設計されたシューズであることは明確だった。数mm単位でペダルを操作したい欲求に応えてくれるあたりは、機能性に特化して設計された専用シューズならではの魅力。

 女性用ドライビングシューズは、サイズ的に選択肢が少ない点がもっぱらの悩みだっただけに、サイズ展開をひろげてくれたのは歓迎すべきこと。もっと多くの人に知ってほしいアイテムの1つだ。また、ミズノの公式オンラインショップでは、注文したサイズが足に合わなかった場合のために「シューズ無料返送サービス」を実施しているのもありがたいポイント。

 欲張りに言ってしまえば、ファッションのテイストによって靴選びは変わるので、ミズノのさらなるチャレンジングな商品展開に期待したい。

運転しやすくて、普段履きとしても使えるので、1足あると便利ですよ
BARECLUTCH(ベアクラッチ) 開発者インタビュー/MIZUNO DRIVING(3分14秒)
藤島知子

幼いころからクルマが好きで、24才で免許を取得後にRX-7を5年ローンで購入。以後、2002年より市販車のレーシングカーやミドルフォーミュラなど、さまざまなカテゴリーのワンメイクレースにシリーズ参戦した経験を持つ。走り好きの目線に女性視点を織り込んだレポートをWebメディア、自動車専門誌、女性誌を通じて執筆活動を行なう傍ら、テレビ神奈川の新車情報番組「クルマでいこう!」は出演12年目を迎える。日本自動車ジャーナリスト協会理事、2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。