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【インタビュー】ケンウッドの“ミスター彩速ナビ”渋谷英治氏に聞く新フラグシップモデル「彩速ナビ MDV-Z905」の魅力

プレミアムな位置付けとなる「TYPE Z」シリーズに込めた最新技術と想い

ケンウッド「彩速ナビ」の企画・開発を担当する株式会社JVCケンウッド 市販事業部 商品企画部 プロダクトエキスパート 渋谷英治氏

 2018年1月に開催された「東京オートサロン 2018」の開幕初日、ケンウッドブースで「彩速ナビ」の新しいフラグシップモデル「TYPE Z」シリーズの「MDV-Z905/Z905W」が発表された。2017年10月に新たにラインアップに加わった強力なミドルクラスの「TYPE M」シリーズの「MDV-M805L/M705W/M705」と発売時期をずらしての登場だ。

 彩速ナビのトップに位置するTYPE Zの前モデルは2016年10月に登場。今回はTYPE Mを挟んで1年3カ月ぶりのフラグシップのリプレイスとなる。今回のモデルはカタログ上で「プレミアムモデル」と位置付けられ、「彩速最高峰のフルスペック」と「彩速史上最高音質」がうたわれている。

 新しいTYPE Zのハイエンドモデルとしての資質、完成度はどのように進化したのか。今回も彩速ナビの初代モデルより企画を担当されている“ミスター彩速ナビ”ことJVCケンウッド 市販事業部 商品企画部 プロダクトエキスパート 渋谷英治氏にお話をお聞きした。

彩速ナビ「TYPE Z」シリーズの新商品「MDV-Z905」

 今、市販のAVナビに求められる機能は大きく変化しようとしている。今回、先にTYPE Mに搭載され、後を追う形で搭載された新機能の中には注目すべきものも多い。オーディオリスニングのワイヤレス化に対応した高音質Bluetoothコーデック「LDAC」の採用、そして社会問題となっている高速道路の逆走事故に対応する「高速道路逆走警告機能」、あるいは、あおり運転に起因する重大事故に対応するドライブレコーダー「前後同時ダブル録画」など、他に先駆けて搭載された機能についても詳しく聞いた。

プレミアムモデルとなる新「TYPE Z」の位置付け

 ケンウッドの彩速ナビシリーズは、大きく分けて上級価格帯のTYPE Zと、普及価格帯の「TYPE L」の2ラインアップ構成を取っていた。そこへ割って入る形で2017年10月に70周年アニバーサリーモデルとしてTYPE Mが登場。TYPE Mは主力訴求の“マスターモデル”と位置付けられ、上級機に匹敵する機能を搭載しながら価格を抑え、上級機を置き換えかねないほどの競争力を持つ商品となった。今回発表されたTYPE Zは機能的にはTYPE Mと重なる部分が多く、TYPE Z独自の存在価値に注目が集まる。

 ちなみに、ケンウッドは戦後間もない1946年に長野県駒ケ根市にラジオ製造メーカーとして誕生。そのラジオは電波が届きにくい南アルプスの山岳地帯でも感度に優れ、非常に音質がよいと評判になり、そこから世界的なオーディオと無線機の専門メーカーに発展を遂げ、2017年に創業70周年を迎えた。

――最初に、今回のTYPE Zの位置付けをお聞かせください。

渋谷氏:やはりTYPE Zはトップエンドのプレミアムな位置付けです。ナビの開発にはゴールはなく、毎年進化を続け製品に反映させています。しかし、もう1つの重要な領域がクルマの中で音楽を楽しむ「オーディオ」で、TYPE Zはプレミアムモデルとしてグレードの底上げを図りました。価格帯別にきっちりと商品をお届けしたい、というのが私たちのメッセージです。

――やはり注目すべき点はオーディオ性能ということですね。

渋谷氏:TYPE Zは単に音楽を楽しむだけでなく、1つ上のグレードに対する喜び、驚き、発見を感じていただけることを目指しています。トップエンドとしての完成度を高めています。

――しかし、一方でTYPE Mが高機能、高性能化を果たし、ポジションの切り分けが難しくなったということはないでしょうか。

渋谷氏:実はTYPE ZとTYPE Mは別々に切り分けるのではなく、1つのグループとして考えています。今回のTYPE Zの進化でこのグループの幅が広がった、と考えています。たいていのお客さまにとってはTYPE Mで十分、という機能と性能を持たせています。しかし「○×機能表」の比較論の裏側にある、秘めた部分というものがある。何がプレミアムか、というとそれはサウンドです。構成としてはTYPE Mと同じでも、もう少し高いレベルを目指しています。

――なるほど、上位グループの選択の幅を広げたということですね。

渋谷氏:今までは上位モデルといえばTYPE Zしかなかった。TYPE Zは彩速ナビの“顔”になってしまい、どうしても「こうあらねばならない」という形に陥りがちでした。お客さま側から見てもいいものが欲しい、ということで無理に使うということもあったかもしれない。しかし、最終的にはお客さまがどういう機能・性能を望まれてどうお使いになるか、ということが一番大事です。TYPE Mが出たことでTYPE Zの位置付けが明確になり、プレミアム感が整理できたと思います。その意味でも今回のTYPE Zはチャレンジングでした。

――TYPE Zにはグレードの高いAKM製「AK4490」D/Aコンバータが搭載され、カーオーディオとしては唯一、DSDファイルの再生から最高スペックの11.2MHzフォーマットにまで対応しています。

渋谷氏:D/Aコンバータの音に対する貢献度は大きいです。TYPE M(1クラス下のAKM製「AK4452」を搭載)と構成は同じでもより高いレベルの音が実現できます。オーディオはどこまでいってもある程度の物量は必要で、決して値段が高ければよいという話ではありませんが、コアになる部分によいものを使えばそれは返ってくる、ということだと思います。

カーAVとして初めて高音質Bluetoothコーデック「LDAC」を採用

 2016年に登場したiPhone 7では長年使われてきたイヤフォンジャックが廃止され、これを機にイヤフォンやヘッドフォンのワイヤレス化が大いに進展し、そのキーとなるBluetoothに対する関心も高まってきた。彩速ナビは早くから他社に先駆けBluetooth音楽再生のコーデックにAACやAPT-Xを採用して高音質化に取り組んできたが、今回は新たにソニーの開発によるLDACコーデックを搭載。LDACは2015年のCESで発表された新しい技術で、従来のBluetoothの3倍の情報転送量を持ち、ハイレゾにも対応する最新のコーデックだ。現時点ではソニーの「Xperia」や「ウォークマン」など採用モデルが限られているが、Androidの次期新バージョンに採用が決まり、今後の動向が注目されている。

・ソニー、ハイレゾ対応4Kテレビや新音声圧縮技術「LDAC」、4KアクションカムなどをCESに(AV Watch)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/682526.html

・次期Android「Android O」は高音質Bluetooth「LDAC」対応(AV Watch)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1050648.html

――LDACを搭載した背景についてお聞かせください。

渋谷氏:ハイレゾに対応するようになって考え方が上のステップに上がりました。ハイレゾを推進している責任も感じます。ハイレゾの楽曲は非常に高価です。一方で、手軽にウォークマンで楽しみたいというニーズも高い。そのような中でAVナビとの接続でBluetoothがボトルネックになってしまう状況は避けたい。新しい技術があれば積極的に搭載していきたいと考えました。LDACの搭載は「Bluetoothでもここまで聞ける」という提案です。

――実際にLDACで音楽を聴くと通常の音源でもとても情報量豊かな高音質で楽しめます。この音を聞いた人は皆Bluetoothでつながっているとは信じられない、という感想を持ちます。

渋谷氏:今までの方式だとどうしても伝送に無理がある。その点、LDACは大変優れた方式です。ソニーさんは共にハイレゾに取り組んでいて、オーディオ市場で競合する部分もありますが、それは関係ありません。お客さまが使いたい、というものを使っていけるようにしたいと考えています。

写真はBluetooth標準の「SBC」で接続されているが、左下の時計表示の右に接続中のコーデックが表示されてLDAC接続が確認できる。このような細かな配慮は秀逸だ

社会的要請が高く期待の大きい新機軸「逆走警告」

 高齢者に限らず高速道路の逆走による事故が社会問題化している。ナビに対する逆走警告機能は社会からの強い要請だ。しかし、現時点では一部の純正ナビやドライブレコーダーに搭載されているだけで、本格的な搭載や普及はこれからだ。そのような中で彩速ナビにはいち早く本格的な逆走警告機能を搭載した。今後進化が期待されるカーナビの新機軸だ。

 今回彩速ナビに搭載された機能は、高速道路のIC(インターチェンジ)、JCT(ジャンクション)、PA(パーキングエリア)に対応し、方向を誤った進入路に入ったことをリアルタイムで検知して、画面と音声で警告する仕組みだ。

――逆走を検知して警告する本格的な機能は社会からの期待も大きいです。

渋谷氏:商品として出す以上は「なんちゃって」では済みません。実際の逆走では高速のICで進路を間違える、PAで間違えて入り口から出てしまうというケースが多い。特に夜間や交通量が少ない時が危険です。このようなポイントで逆向きにクルマを侵入させると警告を発する仕組みになっています。

――期待が大きく、すぐにでも実現できそうな機能でありながら、なかなか製品が出て来なかった理由があるのでしようか。

渋谷氏:実は逆走警告は間違えを起こすことが一番危ない。正しく走っているのに「逆走だ」と言われると大変なことになってしまう。今の形が完成形とは思っていないが、ここをステップとして、例えば一般道の対応などに広げていきたいですね。しかし、ここは大変なノウハウが必要です(笑)。実際に逆走してテストするわけにはいかないですしね(笑)。開発にはシミュレーターなどを使うわけですが、ナビの位置精度も大きな問題となってきます。

高速のICやPAの本線流入路で逆走を検知すると画面と音声で警告を発する

――確かに位置精度が重要です。正確に逆走認識ポイントをクリアしないと誤動作になります。進入路によっては道路1車線分、クルマの幅1台分の精度が確保されていないと危ないですね。

渋谷氏:今回採用した「6軸センサー」が精度向上に効いています。上下・左右の他にねじれも検知します。ちょっとした角度のずれでも累積すると大きな誤差になります。現在のAVナビは自律航法がメインなのでジャイロの精度が高いほどずれが少なく、そのために補正も少くて済み自車位置も早く復帰できるようになります。

――6軸センサーはカメラの手振れ補正やドローンなどでよく知られるようになり、他社のナビでも採用例があります。

渋谷氏:もちろんセンサー自体も重要ですが、出てきたデータをどう使うかが重要です。データを実際にどう自車位置に反映させるか。高性能なセンサーを積むだけでは精度はよくなりません。例えば6軸になってデータが増えるとその分デメリットもある。膨大な情報の中の間違ったデータをどのように排除してアジャストするか。これは大変なノウハウが必要です。

――なるほど、位置精度には自信あり、ということですね。

渋谷氏:位置精度の追求には終わりがないですし、よくなっても「絶対」ということもありません。引き続き開発を続けていいますが、現時点では性能としては格段に、1段上がったところに来ていると思います。

前後ダブル録画ドライブレコーダー

 今、ドライブレコーダーは空前のブームとなっている。重大事故の映像がテレビで数多く放送されている影響もあるが、最近は後方からのあおり運転による重大事故の影響で360度全方位録画タイプや、リア用ドライブレコーダーのニーズも急速に高まっている。

ドライブレコーダーの2つのタイプ

 ドライブレコーダーには一般的な「単体型」と「カーナビ連動型」の2つのタイプがある。カーナビ連動型はGPS(位置情報と時刻情報を取得)や液晶画面をカーナビと共用するため、ムダが少なくカメラ部が小さくなり、各種設定の操作性や信頼性も大幅に向上するが、ナビとドライブレコーダーは専用品の組み合わせで購入する必要があり選択の幅が狭い。

2台のドライブレコーダーによる前後同時録画

 前後別に2台の単体型ドライブレコーダーを独立して設置すればシンプルで選択の幅も広いが、特定の瞬間の映像を前後同期させて確認するにはタイムスタンプやファイルの管理が煩雑になりがちになる。カーナビ連動型にはカーナビ本体にストレージを持ちナビに録画する方式と、前後それぞれのカメラにSDカードを持たせて個別に録画して、専用接続線を通じてナビ本体で表示とコントロールだけを行なう方式がある。彩速ナビは後者を採用する。

彩速ナビの前後録画

 今回のTYPE ZとTYPE Mで前後ダブル録画を行なうためには専用のドライブレコーダー「DRV-N530」と「DRV-R530」の組み合わせが必須。DRV-N530とDRV-R530はレコーダー部分は同等だが、ガラスの角度に合わせてブラケット部の形状と固定方法が異なる。

――販売の現場ではドライブレコーダーの注目度が非常に高いです。前後同時録画はTYPE Mで注目を集めましたが、TYPE Zとは機能的な差はないですか。

渋谷氏:もともとこれはTYPE Z用に開発したものです!(笑)。機能としてはTYPE Mとまったく同等です。

――発売タイミングの問題でしたね。それではダブル録画開発の背景を教えて下さい。

渋谷氏:2016年に発売した連動型ドライブレコーダー「DRV-N520」は高画質と操作性のよさで連動型のフラグシップとして非常に高い評価を得ました。このパフォーマンスを落とさずに、駐車中録画を含めて前後同時に記録しようとするとき、前後でレコーダーを分離・独立で動作させ、それをナビでコントロールする、というこの形が現時点で一番パフォーマンスが出るという判断です。

――この辺の仕組みを正しくユーザーに伝えていくことも大切ですね。

渋谷氏:前後両方ともフルHDで記録する、ということが絶対条件でした。あとあとフルHD以上の画質がないと画像を判断するのが難しいということになります。せっかく撮った画像もそのままではもったいないので、キレイな動画として記録するという使い方もできます。

――何もなければ消えてしまうドライブレコーダー映像をキレイに残すということには新しい価値があります。

渋谷氏:動画で記録するのも楽しいですが、さすがに2泊3日の旅行だと大容量SDカードでも全部は残せない。そのような時は静止画の記録を活用していただきたいです。インターバル撮影に対応しているので、決定的チャンスを記録することができる。静止画を記録する操作は全てナビ画面で行なうことができて非常に便利です。対応するドライブレコーダーは専用タイプに限定されますが、最初にフロントをつけて、あとからリアを追加ということもできます。

専用のドライブレコーダー「DRV-N530」(写真左、フロント用)と、「DRV-R530」(写真右、リア用)で前後同時録画が可能に。両モデルはレコーダー部は同一でブラケットの形状が異なる

新機軸となるディスプレイオーディオ「DPV-7000」の持つ意味

 カーオーディオ製品には「ディスプレイオーディオ」というジャンルがあり、実は市販カーオーディオ市場の中ではよく売れる人気カテゴリとなっている。ディスプレイオーディオはAVナビと同じ2DINサイズのボディにナビ同様の7インチの液晶モニターを搭載しながら、ナビ機能を持たせず純粋にオーディオとして機能する商品。したがって、ナビカタログではなくオーディオカタログに掲載されているのが普通だ。

「カーナビはいらないけれどDVDは見たい」というニーズ応えるもので、TVチューナーも搭載せずに価格を抑えた製品が多い。最近は「Apple CarPlay」や「Android Auto」に対応した商品も発売され注目を集めているが、今回ケンウッドは彩速ナビのTYPE Zの発売に合わせ、TYPE ZのAVのプレミアム機能を全て残した上でカーナビ部だけを取り除いた「DPV-7000」を発表した。

(DPV-7000 Webページより)

――DPV-7000は注目のディスプレイオーディオです。どのような使われ方を想定しているのでしょうか。

渋谷氏:実は3年越しの企画で、ずっと考えてやっと今年実現させることができました。カーオーディオのフラグシップといっても今はナビの方がはるかにオーディオ性能は優れていて、「クルマの中でいい音を」と思ったらナビゲーションを買わざるを得ない。一方で「ナビはそれほど必要ないよ」という声、あるいは「肌身離さず常に持っているスマートフォンを活用したい」という声があります。例えばスマートフォンのナビは性能はAVナビに比べて1段落ちるけれど「めったに使わないからそれでいい」とか、「ある程度案内してくれればいいよ」という割り切りがあれば、地図更新がいらないというメリットもある。価格的にもその分抑えられる。

「DPV-7000」。一見するとAVナビそのものだが、ナビゲーション機能は搭載していない。高性能なオーディオと調整機能を持つ新機軸。地デジTV内蔵、専用ドライブレコーダーの前後同時録画にも対応(DPV-7000 Webページより)

――なるほど、ナビやオーディオ側からでなくスマホ側から見ると、違う入り口があるわけですね。

渋谷氏:今回のDPV-7000はカーオーディオ市場が低迷している中での新しいアプローチと考えています。今までは「オーディオを買いたい」「オーディオのフラグシップが欲しい」という要望に応えることが非常に難しかった。しかし、前モデルでApple CarPlayやAndroid Autoに対応して、ようやく思い切って出すタイミングが来たと考えました。お客さまからの声が少しでもあるならば、これは世の中に出してみよう、というトライアルです。この商品の価値はお客さまが判断されることですが、オートサロンの会場でも多くの反響をいただきました。ナビの観点から見ると、実際には「ナビ入り」と同じように扱えるわけなので、通信という部分を踏まえてお客さまのニーズに応える商品として出すことができたと思います。

――彩速ナビをはじめ、現在のAVカーナビのオーディオ性能は驚異的に優れています。しかもDSPによる高度な調整を行なうには大型液晶画面も必須です。高性能オーディオを持つ今回のDPV-7000はマーケットに一石を投じたと思います。

渋谷氏:先日、Apple CarPlayとAndroid AutoやLDAC、ハイレゾ対応を外した弟分のDPV-5000も発表しましたが、販売はDPV-7000がメインになると思います。ナビを省くことで価格を抑える、と言いましたが、当社ではこれより安いナビを出しているので社内でも「なぜこの値段なのか」という議論はありましたが(笑)、やはり割り切りではなく、割りきらない面白さ、といったものはあると思います。その思いを伝えたいと思っています。DPV-7000はGPSレシーバーも搭載しているので、TYPE Zと同様に前後ダブル録画まで含めて連携型ドライブレコーダーにも対応することができます。

インタビューを通じて

 純正ナビの機能、性能が不満のないレベルに向上し、スマートフォンナビが当たり前のように使われるようになった現在、市販AVナビに対する注目度は以前より下がったことは間違いないが、それでも高性能、高音質なAVナビに対するマーケットのニーズは大きい。クルマの中でいい音を聞きたい、という欲求は尽きることがないのだろう。インタビューを通じてオーディオ性能に圧倒的な注力をしながら、逆走検知、ドライブレコーダー前後録画など時代の求める機能を取り込んでいく新しいAVナビの流れを強く感じた。さらに、ハイエンドなオーディオ側、スマートフォン側から新しい道を開く新感覚のディスプレイオーディオのDPV-7000。このモデルが市場からどう受け止められるのか非常に関心がある。TYPE Zの市場での評価と合わせて今後の市販ナビの動向を占うことになるだろう。渋谷氏はお会いするたびに「まだまだやりたいことがいっぱいあるんですよ」とおっしゃる。今後のAVナビのいっそうの進化を期待したい。