トピック

ホンダアクセス、「ホンダ Modulo 雪上体感試乗会」開催。雪の上でModulo Xの走りを堪能!

裏磐梯の一般道と特設コースを走行

裏磐梯レイクリゾート周辺の一般道と特設コースでModulo Xの雪上性能を体感

 ホンダ車用の純正アクセサリーを開発、販売しているホンダアクセスには「動的性能の匠」と呼ばれる操縦安定性セッティングに長けた熟練のエンジニア集団がいる。

 そしてこのチームが主体になって開発しているのが「Modulo(モデューロ)」というサスペンションやエアロなどクルマの走りに関わるパーツだが、それに加えて「Modulo X(モデューロ エックス)」と名の付くホンダ車をベースにしたコンプリートカーの開発も行なっている。

 このModulo Xシリーズは、これまでに「N-BOX Modulo X」「N-ONE Modulo X」「ステップワゴン Modulo X」「フリード Modulo X」「S660 Modulo X」という5車種(現在販売しているのは3車種)で展開されてきたが、東京オートサロン 2019では「ヴェゼル ツーリング Modulo X Concept 2019」という新しいコンセプトモデルも発表するなど、ホンダファンのみならずクルマ好きな人からも注目されるブランドになっている。

熟練エンジニアによって開発されるModuloパーツ、およびModulo Xは初心者からクルマに詳しいベテランまで、乗る人を選ばず走りの楽しさを味わわせてくれる

 そんなModulo Xシリーズに共通するのはしなやかで上質な乗り味を持つこと。このことはCar Watchや他のメディアでも紹介されているし、SNS上にも実際に試乗したり購入したりしたユーザーからコメントも多く掲載されているので、Modulo Xの走りがどんなものかご存じの方は大勢いるだろう。でも、走りのよさを謳うクルマならばやはり試乗してみたいと思うところである。

 そこでホンダアクセスが毎年開催しているイベントが「Modulo X体感試乗会」だ。この試乗会ではModulo XとModulo Xのベースになった標準車の両方を用意。それらを一般道と試乗会用に用意したクローズドコースでドライブして走りの違いを体感してもらおうというもの。Modulo Xの走りを知るにはこれ以上のものはないという内容だ。

 さて、今回紹介する「ホンダ Modulo 雪上体感試乗会」だが、これはタイトルのとおり雪道での走行体験ができるもので、Modulo体感試乗会では初めての試みとなる。

 開催日は2月16日、開催場所は福島県北部の磐梯高原にある裏磐梯レイクリゾートを起点とする周辺道路と数km離れたところに用意した特設コース。

 試乗車は2018年12月にマイナーチェンジして発売されたばかりのステップワゴンModulo Xと、ステップワゴン。どちらもフロント2輪駆動のハイブリッドモデルだ。加えて、今回は純正アクセサリーのModuloパーツを装着したヴェゼル Modulo仕様車と標準車も用意され、こちらもステップワゴンと同じコースで試乗できることになっていた。

 さらに、ホンダアクセス Modulo開発統括の福田正剛氏とModulo開発アドバイザー 土屋圭市氏による「Modulo開発トークショー」も開催されるという豪華な内容となっていた。

裏磐梯レイクリゾートで開催された「ホンダ Modulo 雪上体感試乗会」。抽選により16組の方が参加。午前と午後に分けてそれぞれ8組ずつ体験することになった
国道は除雪されているのでウエット路面の走行が体験できた
こちらは圧雪路でのコーナリングが体感できる特設コース
今回の試乗車はヴェゼル ハイブリッドのModulo仕様(左)と、ステップワゴン ハイブリッド Modulo X(右)

 ホンダ Modulo 雪上体感試乗会の当日は朝から雪が舞う絶好の雪上走行体験コンディション。メイン会場となった裏磐梯レイクリゾートには午前の部に参加する組が集合。スケジュールの説明が行なわれたあと、ホンダアクセス Modulo開発統括の福田氏がスライドとビデオを使ってModuloの歴史や取り組み、開発の方法などを解説した。

会場は裏磐梯レイクリゾート。普段はラウンジとして使われているスペースを借り切って参加者の待合室とした
裏磐梯レイクリゾートの周辺道路と特設コースを使った試乗コース図

 この解説では、Moduloの走りの故郷とも言えるホンダの鷹栖テストコースについても紹介された。福田氏は「鷹栖のコースは感性のテストコースと呼ばれていています。テストコースと言われて想像するのオーバルコースだと思いますが、ホンダはNSXの開発に合わせてオーバルではなく、操縦性の向上を目的としたワインディングコースを作りました。これはホンダらしいところだと思っています。Modulo Xもこのコースを使って開発をしています。また、一般道でもテストをしています。これは皆さんが乗ったときに感じるであろう部分を徹底して調べるためです。このように“人の感覚を重視した開発”を行なっているのがModulo Xです」と語った。

ホンダアクセス Modulo開発統括 福田正剛氏
福田氏からModuloについての説明を受ける

 福田氏の解説が終わるといよいよ試乗開始となる。試乗の方法はステップワゴン、ヴェゼルともにまず標準車に乗り、そのあとにModulo X、Modulo仕様に乗るという手順。なお、試乗車は全車、同銘柄/同グレードのスタッドレスタイヤを履き、空気圧も車両ごとの標準値に合わせた状態としている。

今回は雪上での比較試乗なのでタイヤに違いがあっては正しい評価ができない。そこで試乗車全車に同じスタッドレスタイヤを装着。空気圧もクルマごとの規定値で合わせておいた

ステップワゴン ハイブリッド Modulo X編

54年間にわたってホンダ車を選んできたベテランドライバー
ひと組目は現在ヴェゼルに乗っている山寺さん。奥さまと一緒に参加

 試乗会では午前、午後ともに8組の方々が試乗されるのだが、Car Watchでは午前、午後とも2組に試乗の感想をうかがったので、ここからはその内容を紹介していこう。

 まず、午前の組からは福島県にお住まいの山寺さん。ホンダのクルマが好きということで、2輪を含めると54年間ホンダ車に乗っていて、最初に乗った4輪車は「ライフ」だったそうだ。

 現在は約1年半前に購入したヴェゼルを所有しているとのことだが、1日の平均走行距離はなんと50~60km! 山寺さんにとってクルマの運転は生活の一部と言ってもいいレベルだ。なお、ヴェゼルのほかにもトヨタ自動車「クラウン」、フォルクスワーゲン「ゴルフ」も所有。さらに、これまで乗ったクルマは50台以上という相当なクルマ通の方でもあった。

 最初に試乗したのはステップワゴン。乗車ポジションは山寺さんが運転席、奥さまは2列目シートに座り、標準車、Modulo Xの順で走行してもらった。

 試乗が終わり控え室に戻ってきた山寺さんに感想を聞いてみたところ、ちょっと困った顔をして「一般道も特設コースも速度があまり出せなかったので、正直、明確な違いは分からなかった」との答え。

 地元にお住まいの山寺さんは普段から雪道を走り慣れているので、この試乗会では雪上走行時の足まわりの動きに注目していたようだったが、標準車のステップワゴンは車体の歪みや微振動を減衰させるパフォーマンスダンパーが着いた「スパーダ」なのでそもそも走りはいい。それだけに、今回の路面コンディションでは山寺さんが掴みたかった部分の違いが出にくかったのかもしれない。ただ、歴代のホンダ車を乗り継いで来た方だけに「今のホンダ車は以前と比較するとボディの剛性感は大幅に上がっていますね」と語ってくれた。

最初は標準車のステップワゴンの試乗。グレードは「スパーダ ハイブリッド」
今回は雪道の走りを重点的にみるのが目的だったが、例年に比べて雪が少なかったので評価の基準が取りにくかったようだ

 次に2列目シートで試乗をした奥さまの感想を聞いてみた。奥さまからは「標準車では雪が固まっているようなところではコトコトした乗り心地に感じましたが、Modulo Xはそれがなくて乗り心地はよかったかなと感じました」とのことだ。この点は別記事で紹介するModulo開発統括の福田氏とModulo開発アドバイザーの土屋氏のトークショーでも語られていたことで、ステップワゴン Modulo Xの開発時では2列目、3列目の乗り心地を優先的に仕上げているので、奥さまが感じたことはまさにここにつながること。

 ただ、コメントを聞いたのは午前中。トークショーは昼食時に開催されていたので、奥さまが2列目シートに関する情報を事前に知っていたわけではない。にも関わらず、短時間の試乗でそこを感じとるとはスルドイ感性を持っていらっしゃる方だ。

写真に写ることは避けていた奥さま。試乗時は2列目シートに座って乗り味を体感していた。標準車では乗り心地にコトコトしたものを感じたが、Modulo Xはそれがなかったとのこと
旧型ステップワゴンオーナーが感じたModulo Xの走りとは
ご家族で参加の川村さん。現在は1つ前の型のステップワゴンに乗っているとのこと。平日は奥様が主に乗り、休日ドライブではご主人がステアリングを握る

 午前組からはもうひと家族に話を聞いた。ご主人、奥さま、そして2人のお子さんという4人家族で参加の川村さんだ。こちらのご家庭では1つ前のモデルのステップワゴン スパーダに乗っていて、そろそろ乗り替えを検討していることから試乗会に応募したという。また、2018年まで降雪の多い地域で暮らしていたので、Modulo Xの雪上の走りにはとても興味を持っているということだった。

 ご家族でクルマに乗るのが基本の川村さん。順番になると標準車、Modulo Xともにチャイルドシート2脚を2列目シートに装着。そしてご主人がステアリングを握り、奥さまは3列目に座った。この乗車スタイルはミニバンを使用する多くの家族として定番と言えるものだろう。

 戻ってきた川村さんにまず標準車のことを聞いてみたところ「自分が乗っているステップワゴンとの比較をしてみましたが、乗り心地はずいぶんよくなっていますね。また、ハンドルを切ったときの動きもスーッと曲がっていく感じの滑らかな印象を受けました」とのこと。

小さいお子さんが2人いるので2列目シートにチャイルドシートを装着。奥さまは3列目に座る

 Modulo Xについては「こちらのクルマも曲がりやすいと感じましたが、それよりも直進安定性がいいという印象です。休日に高速道路で移動することが多いのですが、Modulo Xは“高速道路が絶対に楽だよな~”と思わせる感じです。でも、標準車のステップワゴンも乗り心地はよかったので、街中でしか乗らない場合は標準車でもよいのでは?と思ったりもしました」とのこと。

 さらに「Modulo Xに乗って感じたのがステアリングから伝わる路面の状況でした。圧雪、凍結、濡れた路面といろんな場面がありましたが、その状況は標準車よりModulo Xのほうがステアリングを通して感じやすかったと思います。雪の多いところに住んでいて毎日通勤で走っていたためか、そんな感覚があったりします」と、かなり細かいところまで感じ取っていたようだ。

 そして、3列目に乗っていた奥さまの感想はというと、今乗っているステップワゴンは道の荒れたところでは「ドスン、ドスン」とした乗り心地になることが多いというが、試乗した2台はそんなこともなかったようで、どちらも乗り心地がかなりよくなっているとのことだった。

カーブの印象もよかったということだが、それ以上に直進性がよく感じられたとのこと。高速道路を使うドライブが多いそうなので「楽そうだ」と言っていた
荒れたところを走っても突き上げる感じはない。これは3列目に座った奥さまも同意見だった
雪が多少小降りになった条件で午後の部がスタート!
トヨタ「ノア ハイブリッド」に乗る小林さん。次のクルマはミニバンではなくてもいいかと考えているそうで、ヴェゼルにも興味を持っていた

 ここからは午後の組。8組が参加していたうち、Car Watchでは小林さんと蓮池さんに話を伺った。まずは小林さんのコメントから紹介しよう。普段はトヨタ「ノア ハイブリッド」に乗っていて、通勤や買い物、旅行などいろいろな用途で使用。現在のクルマにとくに不満はないとのことだが、強いて挙げるとリアの足まわりが硬く感じるので、運転するときは2列目、3列目の人のことを考えて乗り心地の硬さが出にくいようにしているとのこと。

 試乗の印象は「最初に乗った標準車はスポーティグレードという認識でしたが、そのわりには乗り味が柔らかくクルマがよく動いてくれる感じがしました。もちろんしっかりした感じはありましたが、かといってゴツゴツせずとてもよかったです。実はノアを買うときに先代のステップワゴンも試乗していたのですが、それと比べても走りに安定感があったり、走行時に聞こえるノイズも減っていた気がします」とのこと。

 また「アクセルを踏んだ瞬間のモーターアシストの感じなどは、トヨタ車から乗り換えても違和感がないものでした」と付け加えた。

小林さんは標準車についても高い評価だった。スポーティながら乗り心地はよく、ハイブリッドの制御も自然に感じたとのこと

 次にModulo Xについて。この試乗では標準車に乗ったあとすぐにModulo Xに乗り換えるので、乗り始めで最も違いが分かりやすく、小林さんも「ホテルから一般道へ出るときにステアリングを多めに切るのですが、そこでの動きが標準車とは違いました。ステアリングを切ったぶんだけスッと動く感じです。カーブでもロールはほぼ感じず、ステアリングを切ったほうへ自然に走っていくようでした」と感じたという。

 一般道から特設コースに入るときのギャップに関しても「標準車は車体の揺れを感じていましたが、Modulo Xはそれがなかったような気がします」とのこと。そして「特設コース内の走行でも標準車よりクルマの揺れ自体が少なく、揺れても1回で止まる感じです」と語ってくれた。

Modulo Xはステアリングを切ったぶんだけスムーズに回頭するとのこと
ギャップに乗った際の揺れ方も小さく、なおかつ揺れがすぐに収まるので快適という
ポルシェ、フェラーリに乗るクルマ通がModulo Xを試す
数多くのスポーツモデルを乗り継いできた蓮池さん。独自の視点でModulo Xをチェックしてくれた

 午後組の2人目は蓮池さん。こちらの方も相当なクルマ好きで、免許取得以来、国産、輸入車問わず走り系のクルマを乗り継ぎ、現在所有しているクルマにはポルシェやフェラーリもあったりする。その一方で、「ビート」や「アクティ・トラック」などを乗っていたこともあったり、幅広くクルマ趣味を楽しんでいる方だった。

 そんな方がステップワゴン Modulo Xのどこに興味があるのかちょっと不思議な感じもするが、スポーツ系のクルマはあくまでも個人の趣味であり、家族で乗るクルマとして興味があるとのこと。また、クルマ選びの基準に「ボディ剛性が高いクルマ」と「走りがいいこと」があるようで、そういったところから興味を持たれたとのこと。

 Modulo Xの印象だが「標準車と比べても足が硬いというわけではないですよね。突き上げるような感じもないし。でも、乗り比べるとなんかいいんですよね」とのこと。そして少し考えたあと「どの条件でいいとかではなく全体的に質感が上がっていますよね」と語った。ちなみに標準車についても「標準車は標準車でいいですよね。後輩が国産の同クラスのミニバンに乗っていますが、それよりもいいと感じました」ということ。

 よい評価をもらったModulo Xだが、唯一気になったのが標準車よりModulo Xのほうがタイヤからの音が聞こえる感じだったことという。これは同乗しているスタッフに同じタイヤか?と聞いたくらいだという。でも、そういったあとに「あ、でも、Modulo Xに乗っていたときのほうが速度のアベレージは高かったかもしれない」と自分の意見も分析し直すところなどは、マニアックなクルマに乗られる方らしい面だと感じた。

標準車に対してもよい評価だった。これでも十分という声も出たが、やはりModulo Xに乗ると違う意見も出た
しっかりと分析をしていただいた試乗だったが、よく分かっている方だからこそ「安全が大事なのは重々理解しているが、もう少し気分を出して乗れる区間を設けていただくと、もっといろんなことが感じられたかもね」という思いもあったという

ヴェゼル Modulo仕様編

人気のヴェゼルの走り、用品カスタムでどれだけ変わる?
人気のヴェゼルだが、街乗りでは多少乗り味が硬いという声もある。そこでModuloは乗り心地を向上させつつ、走りの性能も高めるサスキットを開発。試乗車にそれが組まれている

 今、ホンダで注目度が高いクルマと言えばSUVカテゴリーに属するヴェゼル。1.5リッターターボを搭載した「ツーリング・Honda SENSING」も発売されて販売も好調とのことだ。

 ホンダアクセスも東京オートサロン、大阪オートメッセに「ヴェゼル ツーリング・Honda SENSING」をベースにした「ヴェゼル ツーリング Modulo X Concept 2019」を出展していたが、こちらも大いに注目されていた。

 さて、そんな盛り上がりを見せるヴェゼルには純正アクセサリー品としてModuloパーツが用意されている。そこで、ホンダ Modulo 雪上体感試乗会では「ヴェゼルハイブリッド Z」にModuloエクステリアパーツ、Moduloサスペンション、Modulo MS-032ホイールなどを装着したヴェゼル Modulo仕様を試乗車として用意。ステップワゴン同様、同時に用意した標準車と乗り比べを行なった。

 こちらのクルマの試乗もステップワゴン同様、山寺さんと川村さんに感想を聞いてみたので、最初は山寺さんのコメントから紹介しよう。

ヴェゼルオーナーの本音とModuloへの評価
ヴェゼルを所有する山寺さん。普段から乗っているクルマだけに違いにはすぐ気がついたようだ

 現在ヴェゼルを所有している山寺さんからは「Modulo仕様は乗り心地もよく、ステアリング操作に対するクルマの動きもシャープに感じました」という。そして「メーカーの方も言ってましたが、開発に十分の時間をかけているということだから、その分よくなるのは理解できますよね。自分のクルマでは道路の細かい凹凸を拾ってコツコツするような乗り心地なのですが、それがなく乗り心地がよくなっていました。でも、この乗り心地が作れるのならなぜ最初からそうしてくれなかったのかという気持ちもあります。最初からこの乗り心地なら“ホンダのクルマはいいな”と思う人は増えますよ。今のユーザーは高度なものを求めていますからね」とベテランドライバーらしい厳しいコメントもあった。とはいえこれは批判ではない。話をしているときに山寺さんの顔はとても真剣で、そこから感じたのはホンダ車が好きで50年以上乗り続けてきたユーザーからホンダへのエールである。そんな山寺さんにはヴェゼル Modulo Xが発売されたらぜひ乗っていただきたいと思った。

Modulo仕様車はステアリング操作に対する反応がよいとのこと
試乗時の路面は凍結したところがあってもほぼフラット。地元の山寺さんいわく「いつもは凍った上をチェーンを巻いたバスやトラックが通るので、もっと凸凹した路面です。そこで乗ればもっと違いが分かりやすかったでしょう」と試乗時の路面状況がよかったことを教えてくれた
Modulo仕様車とModulo Xを違いを分析
ステップワゴンの進化に驚いていた川村さん。今度はヴェゼルの試乗。雪道のコーナリングではModulo仕様車に安定感を感じたという

 今度は川村さんの番。標準車、Modulo仕様車ともに約20~30分ほど乗って控え室に戻ってきたところでさっそくインタビューした。「2台のヴェゼルを乗り比べてみましたが、一般道ではちょっと違いが分からなかったです。でも、特設コースに設けてあった大きく旋回するところでは、Modulo仕様車に安定感を感じました」とのことだった。

 とはいえ、ステップワゴンの試乗のときにかなり細かい部分まで感じ取っていただけに、なんとヴェゼルに乗りながらステップワゴンModulo Xとの比較もしていたという。これは非常に面白いのでその点についても聞いてみた。

 川村さんいわく「実はヴェゼル Modulo仕様車とステップワゴン Modulo Xも比べてみましたが、ステップワゴン Modulo Xのほうがサスペンションの動く範囲が広い感じで、その分乗り心地もよかったですね。あと、ヴェゼル Modulo仕様車とステップワゴン Modulo Xの違いが顕著に出たのが一般道から特設コースへ入るところです。ここに大きな段差ができていたのですが、ヴェゼルは乗り越えるときにショックを感じました。ところがステップワゴン Modulo Xはなんの衝撃もなく乗り越えました」とのこと。

こちらは標準車。乗り心地はスポーティなので街乗りでは硬く感じるユーザーもいる
乗り心地向上と走りのよさを両立させたのがモデューロのサスペンションキット。大きな円旋回のときにそれを感じたという
用品装着だけでも違いをはっきりと確認
ノア ハイブリッドに乗る小林さんもヴェゼルへ試乗。予想していたより違いがあったという

 午後組の小林さんもヴェゼルに試乗。印象を聞いてみたところ「ヴェゼルはステップワゴンと違って後からパーツを変えただけと聞いていたので、違いが分かるかなと思っていましたが分かるものですね。標準車はゴツゴツした乗り心地を感じましたがModulo仕様車はそのゴツゴツした感覚がなく、サスペンションが衝撃を吸収しているのが分かる感じです。そこはよかったですね」と語った。

 そして、外に止まっているヴェゼルを眺めて「車高は変わっていないですよね。でも、ステアリングを切ったときは標準車とは動きがちょっと違うなとも感じます」と付け足した。

 この点について小林さんは同乗するスタッフにも質問していたようで、そこでHonda SENSINGの関係で車高を変えにくくなっていること、そんななかでスポーティさを出すために乗り味を変えているということを聞いたが、Modulo仕様車を乗りながら「あぁ、これがそれなのか」と感じられたという。

標準車はスポーティな乗り味で、ギャップではコツコツした感じもあったという
それに対してModulo仕様車は乗り心地が改善されていた。また、クルマの動きもシャープだったという
大きな差は感じなかったが、走りのよさはModulo仕様車
最後は蓮池さん。一緒に来るはずの友人が来られず、乗ってくるクルマがなくなったので、東京から約4時間かけて新幹線と在来線を乗り継ぎで現地入り

 最後は蓮池さんのヴェゼルに対するコメントを紹介しよう。「今回設定されたコースと制限速度の中では何かを掴むのは難しい面もありますが、その条件で乗った感じでは標準車もわるくなかったです。確かに部分的には雪が踏み固められてギャップのようになっているところもありましたが、そこに乗っても僕は普段から足の硬いクルマに乗っているせいかあまり気にならなかった感じです。ただ、乗っていて感じたのは、Modulo仕様車のほうがサスペンションのストロークがしっかりあるということですね。それにステアリングの座りはいいように感じました。イメージとしては標準車よりキャスターを寝かしたようなしっとりした感覚です。あくまでイメージですけどね」とこれまた独自の言葉で鋭いチェックであった。

 そしてステップワゴン Modulo Xとヴェゼル Modulo仕様車を比べて「どちらもいいのですが、乗って遊べるのはステップワゴン Modulo Xでしょうね」と結んだ。

「もうちょっと元気よく走らせたかった」という蓮池さん。スポーツカー乗りだけに、初めて乗るクルマもスムーズに走らせていた
Modulo仕様車では直進時のステアリングフィールに安定感があることを挙げていた

 カスタマイズモデルとそのベース車を乗り比べるという試乗方法は準備も時間もかかるので、メディア向けの試乗会でもそうあるものではない。しかし、あえてそれをやるというホンダアクセスの姿勢から見えるのは「Modulo XとModuloパーツへの自信」だ。

 今回応募したが残念ながら抽選に漏れた方、そして記事を読んで自分が乗ったらどう感じるかということに興味が湧いた方は、ホンダカーズに準備されているModulo Xの試乗をお勧めする。Modulo Xシリーズがどこのホンダカーズに配置されているかは、ホンダのWebサイトから検索が可能だ。そして実際に乗ってみることでホンダアクセスが造り上げたModuloのよさを体感していただきたい。

例年より雪の量はかなり少ないようだったが、おかげで圧雪と舗装が混じった路面を走ることができた。路面状況が変化する不安定なシーンこそModulo Xの安心感が発揮されたはずだ

道路使用許可:猪苗代警察署 第40033号