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日刊自動車新聞用品大賞2021準グランプリ受賞のマルカサービス・MIDおすすめ、最新秋冬ホイール16選!(後編)
スポーツからSUV向けまで、冬季スタッドレス用ホイールにも
- 提供:
- マルカサービス株式会社
2021年11月16日 05:00
安心して使えるホイールをユーザーに届けるために表舞台へ進出
日本のアフターパーツ市場において1年間で販売されるホイールは約1100万本だという。ホイールはクルマ1台に対して4本必要なので、全車がセット購入したと仮定すると約27万5000台分になる。そして1日あたりに換算すると約750台分が売れているということなのだ。
このように「売れ筋商品」であるホイールの販売には専業メーカーはもちろんこと、用品メーカーやショップまでが独自ブランドを展開して市場に参入しているが、その中で約10%という販売シェアを持っている企業が「マルカサービス」という日本のホイールメーカーだ。
マルカサービスは昭和48年に設立した自動車部品専門の商社であり、早い段階からホイール製造と販売を手掛けていた。しかし、多くの商材を扱う商社という立場から自社製品にはマルカサービスの名称ではなくて、いくつかのブランド名を前面に出した販売を行なっていた。そのため年間100万本を超える販売実績がありながらマルカサービスの名前はあまりなじみのないものだった。
ちなみにそのブランド名とは「ファイナルスピード」「シュナイダー」「マナレイスポーツ」といったところ。カー用品店のホイール売り場に行くと必ずと言っていいほど見かける名前だけに、カスタマイズに興味がある人なら「あぁ、あれがそうなのか」と思うのではないだろうか。
このように現状のままの販売方針であっても業績的になにも問題がないマルカサービスのホイール事業なのだが、今から約7~8年前にその姿勢を変える出来事が起きたのだ。
先ほど年間1100万本のホイールが売れていると書いたが、日本市場に出まわるホイールはマルカサービス製を含めての9割の銘柄が海外生産品である。でも今どきは多くの製品が海外工場で生産されるので、この現状は驚くことではないし、日本の規格に合致したものであれば問題はない……はずだったが、あるとき「安全基準を満たす」と表記された海外生産のホイールを日本にある自社の品質試験機に掛けたところ、試験基準に満たない低い負荷でホイールが割れるということがあったという。
ホイールはタイヤに並んで「安全性と安心感」を持っていなければいけないパーツだけに、この事態は他社製品と言えども見逃せないことだった。そこであらためて調査をしたところ、海外工場での試験に問題があったり(すべての工場ではない)、日本国内での再検査がほぼ行なわれていなかったりしたことがこうした事態を引き起こしていると結論付けた。その結果、マルカサービスは自社製品(海外生産)のホイールについて安心や安全をなによりも重視すると決定。そのために立ち上げたのが「Maruka Intelligent Design」(通称MID)というホイールブランドだ。
日刊自動車新聞用品大賞準グランプリ受賞のマルカサービス・MIDおすすめ、最新ホイール16選!(前編)
https://car.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1347313.html
日本での設計とデザイン、そして日本式の品質管理を海外で展開
MIDのホイールは品質をなによりも重視するが、海外生産自体を否定するものではない。販売価格のことを考えると海外工場で作る意味は大きいのだ。そこでMIDではホイール作りにおいて重要な「設計」そして安全性との関わりも深い「デザイン」を日本のオフィスで優秀なエンジニアが担当することにした。同時に海外工場の仕組みを日本式の品質管理を徹底させたものとした。さらに製品試験に関しては日本のホイールに設定されている技術基準「JWL(JAPAN LIGHT ALLOY WHEEL)」に沿った内容の試験を義務付けた。
こうした新しい体制で作られたMIDのホイールは狙い通りの高品質さを持つものになったのだが、最後の仕上げとして日本に到着した製品を抜き出し、日本にあるマルカサービスの試験施設で最終試験を行なうというダブルチェック体制を敷いたのだ。なお、この試験ではJWLの試験より厳しい条件に設定したマルカサービス独自の技術基準「MIDスペック」をクリアすることを条件としているので、海外生産品であっても安全性に関してはまったく不安のないものになっている。こうした体制を敷いたことで海外生産のメリット(手頃な価格で販売ができる)を活かしたまま製品の品質、安心感を飛躍的に高めているのがMIDのホイールなのだ。
MIDの新作ホイールを紹介!
MIDには「RMP」「RMPレーシング」「ナイトロパワー」「ガルシア」「ベクターワン」という5つのブランドのほか「シュナイダー」「ユーロスピード」「ファイナルスピード」「レフィナーダ」「ブロッケン」「ラピッドパフォーマンス」「オフパフォーマー」「ロードマックス」など、価格設定をさらに手頃に設定したサブブランド群があるのでユーザーの選択肢は非常に広い。それだけにお目当てのホイールを見つけるのも大変なので、ここからは新作ホイールを中心に要注目の製品を紹介していこう。
RMPレーシング R25
まずはGRヤリスやGR86など話題のスポーツモデルとのマッチングがいい「RMPレーシング」からスポーツカーに装着することを想定した「RMPレーシング R25」だ。
サイズは15インチ~18インチまで揃えていて、製法は鋳造1ピースとなっている。ただし、17インチ以上というハイパワーで車重もあるクルマに合わせるサイズでは軽量化と剛性アップを目的にキャストフローフォーミング製法を採用することで装着車に合わせた性能の底上げを行なっている。
デザインは応力分散に優れた形状と言われる10本スポークを採用。ナットホール周辺やスポーク側面や裏面は軽量化のための肉抜きが施されるが、これらの加工は設計時に3Dデータを用いた強度解析シミュレーションを行なっているため、ホイールの強さを損なうことなく的確にムダ肉の部分を削ることができているというハイテクに裏付けられたデザインなのだ。
R25自体は以前にデビューして以来、継続的な人気を保っているホイールだが、2021年モデルではホイールカラーに「クラシカルブロンズ」という新色を採用。ブロンズカラーはスポーティなホイールでは人気の色ではあるがクルマに合わせると単品での印象より派手に見えることもある。そこでR25ではブロンズであっても黒を強めにした渋めの色調とすることで目立ち具合を抑え、多くのクルマとマッチングを取りやすいものとしている。
RMPレーシング R60
最近は純正装着タイヤを流用してホイールだけアフターマーケットのものに交換するというカスタマイズも増えているが、そうしたニーズにも対応するのがRMPレーシング R60だ。
デザインはスポーティホイールでは定番であり機能的でもある6本スポークデザインだが、スポークのセンター部に削り込みを加えることで従来の6本スポークデザインにはない見た目の軽さとスポーティさを醸し出している。
また、スポークの付け根に「シェイプアップホール」と呼ぶ肉抜きの穴を設けたのも特徴だ。このうちスポークの付け根付近の肉抜きは技術的にとても難しいことだが、こうした造型もシミュレーション技術を用いた強度解析の結果、実現したものだ。
R60にはクリスタルブラックをメインとしたバージョンと、R25でも採用したクラシカルブロンズがあるが、クリスタルブラックはリム外周部分を切削加工することでシルバーの帯を追加。さらに切削によるシルバーの帯の外側にレッドの帯を入れるなど、色使いに凝った仕様なのが特徴。対してクラシックブロンズは、落ち着いた色合いながら光の当たり具合で色の陰影がハッキリ出るので、造型だけでなく色を意識したいユーザーの嗜好に合うものになっている。
RMPレーシング GR12
スポーティなクルマに向けたホイールでは、サーキットを走るレーシングカーをイメージしたデザインのほかに、ラリーなどダート系モータースポーツをイメージしたデザインのものがあって、最近はWRCにおけるトヨタの活躍があるのでラリーイメージのカスタマイズを選ぶユーザーも増えている。
ここで紹介するRMPレーシングのGR12はまさにその層に届けるもの。ラリークロスマシン用のホイールをイメージしたモデルでデザインは12本スポークだが、ドレスアップ系ホイールのように「細く長く」ではなくていかにも強度がありそうな骨太の造型となっている。またリムへの接合部は劇場のようなな建築物に見られる、柱の土台に似た形状を取り入れている。加えてリム部にはグルッと1周にわたり24個のディンプルを設けることで「リブ入り」のようなより強いイメージを出している反面、削り込みによる軽量化のイメージも感じられるものになっている。
さらにこのディンプルには対角となる5つのディンプル群に赤い差し色を入れることで、静止した状態でもホイールに動きのイメージを与えている。
オフロードテイストを極めたナイトロパワーシリーズ
SUVやオフローダー、ハイエースなどに向けたシリーズがナイトロパワーだ。このジャンルでは力強さを表現するデザインが人気で、ともすれば無骨な仕上げになりがちだが、今どきのSUVやハイエースカスタムではエクステリアにメッキ加飾パーツを取り入れる傾向が強い。そこに無骨なだけのホイールでは車体とのマッチングがいまひとつとなってしまう。そこでMIDではナイトロパワーシリーズに関して、力強さの中に華やかさを取り入れたデザインを採用している。
MID ナイトロパワー M28バレット
最初に紹介するモデルは「MIDナイトロパワー M28バレット」。写真はハイエース用の6穴タイプだ。まず目に入るのは個性的なスポーク面とリムの形状。スポークは太く力強く、そしてリムへの接合部はまるでリムに別パーツのスポークが覆い被さるような大胆な造型となっている。
こうした立体感のあるデザインはオフロードテイストをもたらすだけでなく、SUVやオフローダーが装着するブロックタイヤと合わせたときでもホイールの迫力がタイヤに負けないものとなる。これはナイトロパワーシリーズすべてに共通する表現法でもある。だからM28バレットをはじめとするナイトロパワーシリーズのホイールは、ゴツいタイヤと合わせやすいのである。
MID ナイトロパワー M10パーシング
ナイトロパワー M10パーシングは、アメリカンスタイルを追求した10本スポークモデルで、ポイントはリムに施されたドリルド加工。ピアスボルトのように見える円の削り込みを入れ、そこをポリッシュ仕上げとすることでオフロード用ホイールらしいイメージを演出。スポークが10本なのに対して円は15個なのでスポークと円の配置は不規則なものになるが、これは見え方に動きを感じるようにするための工夫だ。
このM10パーシングは、前出のM28バレットと比較するとシンプルなデザインではあるが、要所にピリッと効く小技を盛り込んでいるため、派手すぎず地味すぎずのちょうどいいところに位置する存在のホイールとなっている。あまり派手にしたくないと考えるユーザーの好みにも合うものだ。カラーもブラック+マシニングやダイヤモンドコーティング(DC)という装着するクルマを選ばない仕上げというのもこのホイールの優れたところだ。
MID ナイトロパワー M27グレネード
オフロード用ホイールらしい頑丈さを感じさせる骨太のメッシュデザインを採用するM27グレネード。スポークやリムに大胆な凹凸を付けることで力強さをハッキリと表現しているのが特徴。オフロードテイストを強めに出したいと考えるユーザーには希望通りのホイールと言えるだろう。
そんなハードなイメージながらオプションとして用意されているセンターキャップはアルマイト風のレッド、ブルー、オレンジ、そしてシルバーとカラフルなラインアップ。定番はシルバーだがあえてカラフルなものをチョイスしてオフロードテイストながらこれまでにはないワンポイントの色の表現をするというのもしゃれている。オプションセンターキャップは各色とも4500円(税別)となっている。
ドレスアップ派のための2シリーズを紹介
ガルシアシスコ ムーン
現在のカスタマイズシーンではSUVのほか、軽ワゴン、ミニバンの人気が高くなっているが、そうしたクルマにマッチするのがこれから紹介する2種類のホイールだ。
まずは軽ワゴンやジムニー、ハイエースなどに向けたネオレトロスタイルの「ガルシアシスコ ムーン」から紹介しよう。
このホイールはセンターディスクの付け替えで表情を変化させることができるところが特徴で、標準付属品はムーンパッケージと呼ぶミラータイプの皿状のセンターカバー。これを装着するとオールドアメリカンカスタムテイストのルックスとなる。
センターカバーを外したディッシュデザインでは、クラシックなアメリカンカントリーに雰囲気に変化するので、1本のホイールで2通りのデザインが楽しめるものになっている。また、オプションとしてダクトパッケージというクラシカルなデザインのセンターキャップもあるので、こちらも購入すると3通りのデザインを楽しめる。
オフ会などぼ参加型イベントに参加することが多い方であれば、ホイールの履き替えという大仕事をせず、毎回イメージを変えられることのメリットは特に大きいだろう。
ヴァーテックワン EXE10
ヴァーテックワン EXE10は、コンパクトカーからセダン、ミニバンと幅広い車種に対応する落ち着いたメッシュデザイン。第一印象では2×10のメッシュに見えるが実はそうではなく、デザインのベースとして2×5のメッシュがまずあって、そのサポート的にもうひとパターンの2×5メッシュを配置した複合デザインとしているのだ。
そのほかメッシュの表現にも工夫がある。EXE10ではメッシュ面を広く見せるためにセンターホール部はできるだけ小さくし、スポークはセンターホール付近でグッと持ち上げたあと、ショートリップスタイルのリムに向かって緩い弧を描く形状としている。
スポークとリムとの接合部は角度を付けてリムの内側寄りに落とすことでシャープさと優雅さを実現。メッシュ部に存在感があるので軽ワゴンやミニバンなどボディ側面のボリュームが多いクルマに合わせてもバランスのいいホイールとなっている。
冬用タイヤでもスタイルにこだわりたいオーナー向けのホイール
先に公開した第1弾の記事を含めてこれまで紹介したMIDホイールはクルマ趣味を持つ人が履くようなカスタマイズ用ホイールである。それに対してここから紹介するのはタイヤを買い替える際に、どちらかと言うと値段を重視するユーザー向けに用意されている安価なシリーズである。
ただ、安価な設定と言ってもMIDの製品であるから安全性に対しての妥協は一切ないので安心して使用できるものである。また、もの作りの行程がしっかりしているだけに、安価な設定であってもホイールのデザインは優れているし、リムやスポーク部をマジマジ眺めてもディテールはキレイ。一見しただけでは安価設定のホイールとは思えないレベルである。
そんなホイール群が持っていた「潜在的なカッコよさ」を引き出して「安価だけど品質が高くてカッコいい」ものとしたのが以下で紹介するホイールだ。具体的には従来からあるモデルで、形状などは手を付けずに切削加工や塗装のグレードを高めたというブラッシュアップ版となるが、元のデザインやディテールがいいだけに「化粧さえ決まれば」グンと映えるものになっているのが特徴。
このシリーズは冬用タイヤを履かせるためのホイールとして流通するのだろうが、正直言って期間限定の起用ではもったいないほどの仕上がりである。それだけに通年使用のホイールとして使うのもいいし、期間限定の冬用タイヤ用と言えども「カッコいいホイールでなければイヤだ」と考えるこだわり派に使ってほしいホイールだ。
シュナイダー
シュナイダー RX810。工法は鋳造1ピース。スポークとリムの天面をブラックポリッシュ仕上げとし、リムの奥にはアンダーカットレッド(ブルーもあり)を入れる。従来品の色替えだが元のデザインの優秀さもあってハイグレードなカスタム用ホイールと言っても十分通用するものになっている。サイズは12×4.00B 43~18×7J 48。価格は2万円~3万9500円(税別)。
シュナイダー RX27。工法は鋳造1ピース。こちらも素材のいいホイールをベースにカラーで見せる作り。写真はブラックメタリックポリッシュ+アンダーカットレッドクリア。ほかにブラックメタリックポリッシュ+アンダーカットブルークリアー、ブラック/リム&アンダーカットポリッシュ+レッドクリアーがある。サイズは12×4.00B 42~18×7J 50。価格は2万円~3万9500円(税別)。