トピック

スバル「フォレスター」で行く“帰省旅” いつもとちょっと違うルートが楽しいドライブになる

スバル「フォレスター SPORT EX Black Selection」でいつもとは違う帰省をした

せっかくなら寄り道をして帰ろう

 私自身、地元の山形に帰省するときは、クルマで帰ることが多い。片道400km以上はあるので、「大変じゃない?」と聞かれることもあるが、車窓から見える景色を楽しんだり、ときには気ままに寄り道したりすることも、クルマで帰省する醍醐味だと思う。

 少し肌寒くなって秋の気配を感じるようになってきたこのごろ。いつもとは違う気分で帰省を楽しみたくなり、フォレスターを旅の相棒に選んだ。目指すは地元の山形県なのだが、「せっかく新しいフォレスターに乗るのだから」と、道中に景色の良い場所や立ち寄りスポットを巡り、帰省を“旅”に変えてしまおうという算段だ。

フォレスターで地元・山形に向かったのは、自動車ライターであり、イラストレーターとしても活躍している伊藤梓。クルマ好きが高じて、2014年にグラフィックデザイナーから自動車雑誌カーグラフィックの編集者へと転身し、より幅広くクルマの魅力を伝えるため、2018年に独立してフリーランスに。ラジオパーソナリティを務めた経験を活かし、自動車関連の動画やイベントなどにも出演している。若い世代やクルマに興味がない方にも魅力を伝えられるような発信を心がけている。今回、山形にある東北最大級の道の駅「チェリーランドさがえ」に立ち寄ってお土産を買い込み、地元の食材を使ったジェラートを食べてご満悦

 今回のモデルは、フォレスターの中でも水平対向4気筒1.8リッターターボエンジン(177PS/300Nm)、そしてスバル最新の安全技術「アイサイトX」を搭載した特別仕様車のSPORT EX Black Selectionだ。

 標準モデルのSPORT EXは、内外装のアクセントカラーがブロンズになっているのに対し、SPORT EX Black Selectionはそれらがブラックのパーツに置き換わっている。ブロンズは華やかで上質感のある印象だったのが、ブラックだとより引き締まって精悍に見えた。ユーザーの好みに合わせてそれぞれのカラーリングを選べるところはいいなと感じる。

内外装をブラックやダークグレーのダークトーンでコーディネートした特別仕様車となるフォレスター SPORT EX Black Selection。ボディサイズは4655×1830×1730mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mm。最低地上高は220mmを確保する。車両重量は1640~1660kg
フロントとリアの加飾、「シンメトリカルAWD」と刻まれたDピラーのオーナメントなどがダークグレーへと変更された。ダークメタリック塗装の18インチアルミホイールにはファルケンのオールシーズンタイヤ「ZIEX ZE001A A/S」(225/55R18)を装着する
インパネ加飾パネルが金属調になったり、ステアリングやシフトレバーの加飾がピアノブラックになったりと、落ち着いた印象のインテリア。その中でもブラウンのステッチやシートのパイピングが良いアクセントとなっている
ラゲッジ容量は定員乗車時で489L(サブトランク23L)という広々サイズ。3人分のスーツケース+撮影機材を積載してもまだまだ余裕。帰省してお土産などを買い込んでも十分積める広さがある
視野が広角化したステレオカメラと超広角の単眼カメラの“3つの目”に加え、レーダーで広い範囲を見わたし、“ぶつからない”をサポートするスバル独自の運転支援技術「アイサイト」。さらに「アイサイトX」搭載車では高速道路上での運転を支援する機能も備える。全車速追従機能付クルーズコントロールやアイサイトXのON/OFFなどはステアリングスポークに配置されるスイッチから行なう
最高出力130kW(177PS)/5200-5600rpm、最大トルク300Nm(30.6kgfm)/1600-3600rpmを発生する水平対向4気筒DOHC 1.8リッター直噴ターボ“DTI”「CB18」エンジンを搭載。トランスミッションにはCVT(リニアトロニック)を組み合わせる

 フォレスターに乗り込むと、室内の空間は広々としていて、自分の部屋のようにリラックスできた。SPORT EX Black Selectionの黒のカラーリングでまとめられたシックな雰囲気も良い。早速、11.6インチの大画面のパネルを操作して目的地を入力する。もちろんApple CarPlayとAndroid Autoにも対応しているので、スマホで普段使い慣れている地図アプリを使うこともできる。

 スタートボタンを押し込んでエンジンを始動させると、室内にはほとんどその音が漏れ聞こえず、とても静かだ。出発は早朝だったので、気温は低く、少し手を擦り合わせたくなるくらいの寒さ。フォレスターには、前席のシートヒーターだけでなく、なんと後席にもシートヒーターが設定されている。さらに嬉しいのはステアリングヒーターだ。私は雪国出身だが、冬場に雪かきをした後にクルマに乗り込むと、手がかじかんでどうしようもないときがある。ステアリングヒーターは、作動させてすぐにステアリングが温まり出すから「これがあればどんなに冬の運転が心地よくなるだろう」と思った。それぞれのヒーターをオンにして、早速帰省……もとい、“寄り道旅”に出かけることにした。

フォレスターには前席のシートヒーターだけでなく、後席シートヒーターやステアリングヒーターも標準装備。寒い冬でも快適なドライブができる

“空を走る道”とも呼ばれる磐梯吾妻スカイラインへ

 今回、特に寄り道してみたかったのは、福島県にある磐梯吾妻スカイライン。磐梯吾妻スカイラインは、「日本の道100選」にも選ばれている絶景ロード。紅葉も始まっているようなので、きっと壮大な景色が楽しめるはず。

 フォレスターに乗って走り出してみると、まずは1.8リッターターボエンジンのパワフルさに驚いた。フォレスターは大きいクルマなので「発進は多少もたつくかな」と思っていたが、走り出しからしっかりトルクが出て、息継ぎすることなく高速まで伸びやかに加速していく。一般道では、自分の思った通りにクルマを動かせるし、高いところから周囲を見わたせるので車体の大きさを意識することも少なかった。

 高速道路へと入ると、またフォレスターはひと味違う一面を見せる。市街地では取り回しのしやすさが目立ったが、高速道路では矢のようにビタッと直進してくれる。東北道の120km/h制限区間では、制限速度付近で走行してみたものの、クルマに全くブレがない。スピードを上げても体幹がしっかりしている感覚があって、速度を上げても安定感があるし風に負けてよろめくこともない。直進はすごく安定しているのに、車線変更でステアリングを切ると身軽に付いてきてくれるので、「これは長距離移動も疲れにくいし楽だなぁ」としみじみと感じた。後席も広々としていて乗り心地も良いので、後ろに家族を乗せて一緒に遠出するのもきっと快適なはずだ。

車高があるため重心も高めになりがちなSUVでも、ブレることなく高速道路を安定して走れる

 そして、高速道路のさらに強い味方なのが運転支援システムの「アイサイトX」だ。もちろん衝突を回避・軽減するための高い安全性能も備えているが、それに加えて長距離運転や渋滞時に助かるのがツーリングアシストだ。

「全車速追従機能付クルーズコントロール」と、それに連動して作動する「車線中央維持」「先行車追従操舵機能」により、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をクルマがサポートしてくれて、高速走行中や発進と停止を繰り返す渋滞時にも、前車との適切な距離を保って追従する。「クルーズコントロールは付いているけど、使うのはちょっと怖い」と思う人もいるかもしれないが、スバルのツーリングアシストは優秀で、急激な加減速が少ないので、まるで運転のうまい人が一緒に運転してくれているような感覚になるから安心だ。私自身も、旅程の半分以上はツーリングアシストのお世話になることで、疲労感を軽減しつつ、より快適にドライブすることができた。

 さらに「アイサイトX」では、渋滞時にはステアリングから手を離して走行することもできる(自動車専用道路上かつ走行速度0km/h~約50km/h)。長距離運転中は、ペダルから足を外すだけでもだいぶリラックスすることができたが、さらに渋滞時にハンズオフ走行ができるとさらに疲労軽減効果が上がる。フォレスターは自ら運転しても十分快適に移動できるが、「アイサイトX」があればまさに鬼に金棒だ。

ツーリングアシストをONにすると、運転のうまい人が前後左右を見張りながら絶妙な加減速で車間距離を維持してくれるような感覚になる。また、渋滞時には高度運転支援システムのアイサイトXでハンズオフ走行ができる。もちろん、周囲をしっかりと確認している必要はあるが、ステアリングから手を離して、アクセル・ブレーキの操作から解放されるだけでも、かなり楽な気持ちになれる。どちらの機能も、寄り道をしないでまっすぐ帰る“移動組”にとっても運転のストレスを減らしてくれるものになるだろう

帰省はもう、ただの移動じゃない

 フォレスターの快適な乗り味と「アイサイトX」の手助けもあって、あっという間に目的としていた磐梯吾妻スカイラインへ到着した。フォレスターはワインディングロードでも大活躍で、急な坂道もぐんぐん登っていく。背が高く大きいクルマにも関わらずロール量は少なく、つづら折りも軽快に右へ左へと切り返し、山道も爽快に楽しく運転できた。

 そんな道を登るにつれて、山肌は険しく雄々しい姿を見せ、その一方で山の木々は赤や黄色に美しく色づき始めているのが見て取れた。色とりどりの紅葉と、晴れ渡った真っ青な空のコントラストに、思わず「きれいだ」と息を飲んだ。平均標高1350mの磐梯吾妻スカイラインは、本当に空が近いように感じられる。険しい山肌からは火山ガスが立ち上り、まるで日本ではないかのような雄大な景色を見せていた。

磐梯吾妻スカイラインでは、圧巻の景色の中を走ることができる

 磐梯吾妻スカイラインの途中には浄土平と呼ばれる場所があり、レストハウスも用意されている。「もう少しこの景色をゆっくり堪能したい」と、休憩がてらレストハウスに立ち寄ることにした。レストハウスの2階では、雄大な景色を望みながら食事をとることができる。そこで発見したのは「魔女の瞳らぁめん」。福島の観光名所である五色沼(魔女の瞳)をイメージしたラーメンだそうで、なんとスープが真っ青! おそるおそる食べてみると、味はおいしい醤油ラーメンで、チャーシューも大ぶりだから食べ応え抜群。美しい景色と一緒にご当地の食事も楽しめて大満足の時間だった。

浄土平レストハウスには、青いスープが印象的な「魔女の瞳らぁめん」(手前)以外にも、地元福島のトマトを使った「トマト辛みそらぁめん」(奥)といったメニューも用意されているのでご安心を

 浄土平付近の気温は10℃以下で体も少し冷えたので、温泉街に立ち寄ってみることに。調べてみると、道中にはこけしで有名な土湯温泉があり、足湯も気軽に楽しめるという。

 土湯温泉に到着すると、こけしをモチーフにしたちょうちんやオブジェがいろんな場所に並んでいた。温泉街の中心にはきれいな川が流れており、「山あいの秘境温泉」という風情だ。足湯はいくつか設置されていて、どこでも自由に入ることができる。そのひとつに腰を下ろして、膝下まで温泉につかると、足下からじんわりと心地よさが込み上げてくる。「道中でこんなに良い体験ができるなら、やっぱり寄り道は最高だなぁ」と思いを巡らす。ひなびた温泉街でゆっくり足湯に浸かり、身も心もほっこりと温まる。足湯に入った後は、驚くほど足が軽くなった。温泉で一休みしたおかげもあって、その後は一直線に地元まで走り切ることができた。

川が流れる山あいの温泉地「土湯温泉」にも立ち寄り。無料の足湯が何か所もあるため、最高の休憩ができる

 慣れてしまっている分、帰省の道中は、億劫なものになりがちだ。ましてや、長期休みであれば渋滞もそこかしこで起きることが多い。しかし、今回フォレスターで帰省してみたことで気づいたことがある。自分の運転に寄り添う、運転しやすく快適なクルマなら、その道のりも格段に楽しいものになる。運転支援機能が充実しているクルマなら、高速道路での渋滞や長距離運転もクルマ自身がサポートしてくれる。良いクルマは、ただの移動手段ではなく、行く道をもっと魅力的に、そして心も前向きにしてくれるものなのだと。

「フォレスターに乗って次はどこへ行こう?」

 地元に着いたその瞬間から、もう思いを巡らせている自分がいた。

いつもの見慣れた場所に行くときも、いつもと違う景色の中を走ってきたというだけで、楽しいドライブになる

※アイサイト、アイサイトXだけに頼った運転は絶対に行なわないでください。アイサイトは、運転者の判断を補助し、事故被害や運転負荷の軽減を目的としています。詳細は、販売店にお問い合わせください。

Photo:高橋 学

撮影協力:福島市商工観光部、土湯観光協会、チェリーランドさがえ